表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
515/515

逃げるは恥でも、逃げられるならいいのにね!?

「……」

「………………な、何かな?」


シルとずっと目を合わせてると、黒くて大きな瞳に吸い込まれるような錯覚を覚える。

……なんてのは建前で、まるで怒られる前の子供みたいな気持ちだよ。

ボク何もしてないけど。


……何もしてないよね?


してないはずだけど!?


「ねぇ。貴女の魔法だと、あの大きさの竜は閉じ込められないの?」


ついつい視線を反らせてしまったのに、そんなのお構いなく普通に話が進んだ。


「あ~次元牢獄? ボクも考えはしたんだけど、ずっと飛び回ってるせいで座標も定められないし……う~ん。ボクの魔力量の全部をつぎ込んだとしても、全体的を6方向全部閉じ込めるのは無理かなぁ……。上手くいったとして2面作るのがいいとこだと思うんだよね」


自分の魔力をつぎ込んで次元面を張りまくったことは過去に1度だけある。

って言っても割と最近の話だよね。うん。


モンスターパレードで砦を守る時に一面を張り巡らせて周ってたときだけなんだけど、あれでも数㎞を1面張っただけで魔力量はかなりぎりぎりだったし、今回求められているのは、予め決めておいた座標に一瞬で6面、閉じ込める様に張らなきゃいけないわけとなると……あの時みたいな魔力の持続回復による魔力量の総量アップとはいかなくなっちゃうわけで、やっぱり2面すらも張り巡らせるのは難しいと思うんだよね。

かと言って、そんな進行方向を塞いで一瞬だけ足? ……それとも羽? を一瞬止めたところで、あの空飛ぶ島の内部に内蔵だとか脳が入ってるわけじゃないのなら、ダメージとして蓄積されてくれるわけでもない。

そんなことに魔力の全てをつぎ込んだところで、悪魔ちゃん達が全員外にいて魔力の回復があまり期待できない今、費用対効果が悪いんじゃないかと思ったってワケなんだよね。


「一部を切り離すことはできないの?」

「一部って?」


「例えば心臓のある部分だけ、とか」

「ん~……ちょっと待ってね」


『座標の設定って、ルージュのサポートありでどれくらいの時間があればできる?』

『完全停止状態であれば10秒もございますれば。……ただその状況ですと地上に落とせているわけですから現実的に求められているお応えではありませんでしょうから……そうですね。空中戦闘による停止状態を作れるのであれば……30秒もあればどうにか』


『ちなみに“切り離す”場合、ボクの全魔力量であの竜から切り離せられる体積量って実際どれくらいなのかな? ……わかったりする?』

『約四分の一程でございましょうか』


『おお……さっすがだねぇ』

『ご期待にお答えできたのですれば、何よりでございます』


「30……う~ん。40秒空中で()()を止められて、切り離せる体積量は四分の一くらいだって」

「だって……って貴女。自分の魔法でしょ」


「まぁうん。そうなんだけど。……でも、いくら竜の形をしててくれるからって、竜の心臓の位置が正確に把握できてるわけでもないし、何より本当にその位置にコアがあるかどうかなんて、わからなくない?」

「いいのよ別に。コアの場所を外れたとしても、当たりさえすれば残りの体積はこれまでにないほど減るでしょうし、何よりあの質量を飛ばす魔力がどれほどのものであれ、バランスってものがあるでしょ? もしかしたらそのまま落ちて来てくれるかもしれないわ」

「……何の話をしている?」


ジュードさんの能力をボク達が知らないように、当然ジュードさんもボク達の能力を知っているわけではない。

そうであっても、目の前で今まで大したダメージを与えられていない巨大な竜の体積を四分の一も減らせる減らせないとかいう話なんかをしてたら、そりゃ聞かないわけにもいかないよね。


「一から説明をしている暇はないわ。それよりも40秒……ね。これをどうにかしないといけないのだけれど」


そう言って空を見上げると、かなり疲弊しているであろう吸血鬼部隊の精鋭と、未だに神々しく衝突を繰り返しているヴィンフリーデさんの姿があった。

どうやら吸血鬼側も空を飛べるヴィンフリーデさんを軸にしてサポートに回ったほうが効率的だと判断したのか、空を飛ぶ光の軸を中心として、吸血鬼側が側面や正面から吹き荒れる嵐やら炎なんかを振り払い、空いた隙を狙って確実に大きな攻撃を当て、さらに後方から大魔法が着弾して爆音を鳴らす。


そんな戦闘が途切れる事もなく空で繰り広げられ、地上では周りを見渡せば360度、黒い塊が波の様に押し寄せ、それを姫騎士と吸血鬼が綺麗に分かれてボク達に近寄らせないように奮闘を繰り広げていた。


よくこんな中で普通に話をしていて聞き取れるもんだとも思うけど、人間相当集中している時に周りの雑音は気にもならないらしい。……あ、ジュードさんは人間でもないけど。


「アレを40秒止める事が出来れば、星竜が操っている体積を切り離す方法があるんだな? ……なら、あの光ってる奴を貸せ。案がある。……それとお前らの中に治癒師はいないか? 瀕死になっている俺の弟が作戦に加われば、40秒とは言わず1分は止めてやる」


自信満々でそう答えるジュードさんにシルが一瞬、にやっと笑ったのは……


多分気のせいじゃないと思うんだよね。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 何が策があるのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ