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白馬に乗った王子様でしょうか!?


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ブラウスを脱がされまいと腕を組んで抵抗していると、腕力に物を言わされてしまった。


とても痛い。


スカートにも手をかけられる。


さすがにそれは洒落にならない。体を(うずくま)らせて抵抗していると、男たちの間を縫って割り込んでくる人影が見えた。



「お前ら、何してるんだ!?」


20代後半か、30代くらいだろうか?

明らかにここにいるグループとは雰囲気の違う、身なりのいいお兄さんが割って入ってきてくれたのだ。


「ちっ何もしてねえよ」


一瞬で暴漢の如きおっさん達が気まずそうに席に戻る。


「君、大丈夫かい?」


そう言いながら、乱れた衣服をなおしてくれた。ブラウスを剥ぎ取られてしまったので、レースが透けたタンクトップ一枚の状態だ。とても恥ずかしい。


そしてめっちゃ近い。いい匂いがする。後超絶イケメン。

さらっさらな金髪に吸い込まれそうな青い瞳……

素人目のボクから見ても、すごいいい装備を着けているのがわかる。


「あ……ありがとう、ございます……」


さっきまでとは違う心臓の音がばくばくと音を鳴らしている。


「何をされていたんだい?」


そう聞かれて一瞬身構えてしまう。


周りの男たちの顔が目に入る。


超絶イケメンな紳士様が後ろを振り返ると、何もなかったかのように目を逸らすのだ。



助かった……?このイケメン紳士様はこいつらよりは目上のようだ。


「あの……ブラウス……返して……」


小鳥のさえずりくらいしかでない声で呟くと、どこかからかブラウスを投げつけられた。


イケメン紳士様が一息、はぁ。とため息をつくと、男たちに向かって


「お前ら、最近ここのギルドにきた連中だな? 田舎ではどうだったかしらんが、こんな強盗紛いなことを、しかもギルド内でなんて、言い逃れもできないからな?」


「ちっ何にもしてねーって言ってんだろ? なぁ嬢ちゃん?」


目も合わせられない。

声もでない。

ほんと、何にも知らずにこんなとこに、のこのこ来た数分前の自分を殴り倒したい。


「あれ? レティーシアじゃねーか?」


1人怯えて、イケメン紳士様を困らせていると、聞きなれた声が聞こえた。

イケメン紳士様の後に続いて来てくれたのは、女性だった。


「フラ先生!」


「お前、こんなとこで何してんだ?」


「フラの知り合いかい?」


フラ先生イケメン紳士様と知り合いなの!?


「うえっ!? イケメン紳士様ってこいつのことかよ! ぶわはっ……あはっ……うひっ……ちょ、お前っ……わらっ……わらわすな……よ……っ」


うっわ!こんなとこで駄々漏れスキル発動しないでよボク!!!

イケメン紳士様も気恥ずかしそうな、フラ先生に笑われて苛立ちそうな、微妙な表情をしている。


「フラ!」

「わりぃわりぃ、だって、いけめっ……くくっ……いけめっ……ん……しんっ……し……さま……ぶはっ……わっ……わらう……だろっ……ぷっ。ぶふっ」

「ご、ごめんなさい先生、ボクこの人の名前とか知らなくて……」

「先生? ってことは君、魔法学園の生徒さん?」


そうイケメン紳士様が言うと、周りの男共がいっせいに目を見開いた。

多分貴族の子だと思ったのだろう。

すっごい気まずそうな顔をしている。ざまぁみろ!


知り合いが来てくれたことで、急に怯えが引いたボクは、イケメン紳士様に事情を話し始めた。


イケメン紳士様の名前は、アルト・リードリヒ様というらしい。名前までイケメンかっ!

……違うか。吊橋効果でイケメン補正がハンパない。


話し終えるとフラ先生が真顔になり、手を出してきたおっさんと肩を組んで扉の向こう側に連れていってしまった。


数分経つと、大分(しお)れたおっさんとでてきた。


「おい、レティーシア。このおっさんはなぁ。お前が寒そうだったから、装備を一式買ってやろうかって話しかけたんだとよ? なぁ? おっさん」


「へ、へい……」


どう考えても脅されてるけど、めちゃくちゃすっきりする。


「今から隣にある防具屋いって防具でも見繕おうじゃねえか。お前、冒険者の登録にきたんだろ?」


「は、はい。でも……その……い、いいんですか?」


「あ? そりゃおっさんの善意だろ? 甘えようぜ? なぁ?」


「へい……その……あんまり高いものは……手持ちがないっていうか……」


立場が逆転した。


そういえばフラ先生は冒険者としては有名なんだって言ってたっけ。

ってことは、アルト様もフラ先生とも知り合いなのだから、それなりに有名な人なんじゃないだろうか?


「よう、お前らもそうなんだよな?」


フラ先生が回りにいる男共にも睨みを利かせる。


誰からも反論はあがらなかった。


「おお、レティーシア。お前可愛いから役得だな? こんなにいっぱいのおっさんから無料(タダ)()()()()を買ってもらえるなんてよお!」


いっせいにおっさんたちが顔を上げるが、何も言わせてもらえない。


アルト様も苦笑いはしているが、無理にはとめないようだ。


で、でも今後先生とかいないとこで、このおっさんたちにまた絡まれないか、心配なんだけど……



大丈夫なのかなぁ……?






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