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久しぶりに冒険って感じだよ!

……ん? そもそもなんでボクがロトの冒険者ギルドにいるのかって?

そりゃねぇ。……あのギルドマスターの隣に居たお姉さんに乗せられて、クエストを受けるなんて言っちゃったからなんだよ。


そもそもクエストの行き先がロトだったから、ボクが今ロト国内にいる事自体は特段おかしなことじゃなくて。冒険者ギルドって言うのは別にそれぞれの国が運営しているわけじゃなくて、冒険者ギルドと言う一つの組織として国を跨いで運営されている。つまり、どこの国の冒険者ギルドも基本的には繋がっているし、クエスト地域が国境あたりを指していれば、それぞれの国に同じクエストが張り出される事もある。

もちろん他国の冒険者と同じクエストではちあったりもしちゃえば、そりゃ冒険者なんて人達なんだからひと悶着あったりすることなんて珍しい事でもないんだけど、それはそれで今回とは別のお話。特に今回のように戦時警戒なんかで上級冒険者が出払っていたりして人が集まらなければ、国を超えて参加メンバーを募集することだってあるってわけ。


もちろんクエストの重要度や規模が大きくなればなる程、それだけ大きな討伐隊を組む必要も出てきたりして、そんな時なんかは国を超えていろんな冒険者が集められたりすることもあるらしいんだけどね。今のところボクはそういうクエストを受けたことはないし、そういう場合は冒険者ギルドが選定した冒険者しか基本的には参加できないらしい。


ましてや今の情勢的に言えばしょうがないとはいえ、冒険者がロトからグルーネにかなりの人数が流れてきてしまっている状況。だからグルーネ側の冒険者ギルドも、ロトの冒険者ギルドへ冒険者を派遣しないわけには行かないんだって。ロトの冒険者ギルドからしたら冒険者が流れて行くわ、戦時警戒で上級冒険者が駆り出されているわで難易度の高いクエストは溜まっていく一方なわけで。ロトのクエストがこなされなければ困るのはロトだけじゃなくて、近隣諸国まで被害が及んだりすることだってあるだろうし、クエストが進まないということ自体がロトの戦争情勢を悪化させてしまうことだってある。

グルーネ側はロトが今回の戦争で負けるなんて事だけは避けなきゃいけないわけだから、なんとしても協力しなきゃいけないってわけなんだよね。


そんな折に、丁度こんなボクに向けたかのような上級クエストが発行されたものだから、ボクに話が来たって訳らしいんだけど……。

まぁ、あのお姉さんのお話だから全部鵜呑みになんてできないんだよね。大方ふらふらと冒険者ギルドに顔を出しちゃったボクを見て、たまたま都合よく捕まえたって可能性の方が高そうだし。な~んか調子よく乗せられちゃってる気がしないでもないのよね……。




思考を目の前に戻すと、意外や意外。

会議の進行なんかも、話自体を進めるのはローレッジさんだったから、このクランのリーダーはローレッジさんなのかと思っていたら、どうやら違ったらしい。


ちなみにローレッジさんは、見た感じ如何にもローグって感じかな。

赤いバンダナを頭に巻いていて、その間から金髪がちょっとはみ出ている。

格好も軽装で、腰にぶら下げている皮製の収納から、短剣と言うよりもナイフに近いくらいの短い柄が何本か見えている。


クランリーダーだったのは、ボクの向こう側に座っていた大きな男性の人。

さっきローレッジさんがボクの事を信用できるのかって確認して目を向けていた人でもある。

ヒュージさんっていうらしいんだけど、あまりおしゃべりする性格ではないようで、ずっと黙ったまま。寡黙な人なのかな。そう考えると、皆の兄貴分兼まとめ役の位置であるローレッジさんが会議の進行を任せられるのも納得が行くし、クランメンバーは誰一人としてその進行に疑問を呈さない所からすれば、ローレッジさんは信頼されている人みたいだしね。


そのクランリーダーであるヒュージさんはいかにも漢字の漢と書いてオトコと読むような風体の人で、筋肉の塊。そして一番の特徴は。肌の色だ。……黒人なんだろうか。日焼けとかそういう感じじゃなくて、肌が黒い。

グルーネじゃ肌が浅黒い程度のルージュですら浮いてるくらいだから、有色肌の人種ってあまり見かけないんだけどね。ロトってすごい大きな国だからね。人の種類ですら色んな人種がいるのかもしれないね。


なんていうんだろう。黒人特有の筋肉、とでもいいましょうか。

筋肉だけが露出する感じじゃなくて、体全体が筋肉で盛り上がる感じ。

もちろん鎧を着ているから全部見えてるわけじゃないんだけど……。その鎧から出ている腕や足が、丸太みたいな太さがちらちら見えていて、どこぞの姫騎士隊の人を思い出したりもするんだけど……あの人は女の人だからねぇ。男の人の筋肉と、女の人の筋肉って、やっぱりどこか違うものなんだよね。


髪の毛は無くて、つるっつる。

後頭部の首の下から見えている、よくわからない模様の刺青が、頭の頂点を伝いながら目の上まで彫ってある。あまりしゃべらずに難しい顔をしている人なのも相まって、何も言わずにずっと座っていたら普通に怖い人にしか見えません。後頭部に見えている刺青は、首下からは防具で見えないだけで、背中を伝って体全体にも刺青がありそうなのは、腕にも同じような模様があることから推測できるって感じかな。


主要メンバーは全部で6人。


一応自己紹介をしてもらっていて、ボクが名前を知っている事になっているのは……

クランリーダーであるヒュージさんと、副リーダー枠のローレッジさん。

そのローレッジさんが遅刻してきた時に諌めていたお姉さん枠のチノンさん。

子供体系枠のロリ……ロニコさん。

それと同じテーブルを囲んで座っている人があと2人いて、それぞれの後ろに何人かが付き添うように立っているのは、このテーブルに腰かけている6人がそれぞれのパーティメンバーのリーダーってところなのかもしれない。雰囲気からして、普段は3から4人で一組のパーティとして活動しているクランなんだろう。


皆小声で相談とかはしているけれど、全員の自己紹介をして貰ったわけじゃないから一応ボクは皆の名前は知らないことになってるんだよね。



ま、グリエンタールさんを使えばわかるんですけど。





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