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スカビオサって知ってる?

すみません、昨日アップしたお話に、少し設定と逸脱した部分がありましたので訂正しました。

・軍規模を訂正しました。

・援軍規模を訂正しました。

安全を期して約3000枚の花びらをイメージする所までやってみる。

さっきの理論で行けば55×55が約3000枚なんだよね。

最初だけそれで数えながら出して、大体3000枚の物量を記憶しておけば、次からそんなに細かい量をイメージする必要もないし、3000枚から多少ずれがあったとしても、大した問題は無さそうだし。


結果出てきた桜の花びらの量は、視覚的には思っていたよりもかなり少ないように見えた。桜の木1本分どころの数じゃなくて、もっともっと少ない。桜の太い枝1本分くらいしかなかった。

……そりゃ、一瞬で魔力も尽きるよね。だって、最初にイメージしちゃった桜の花びらの量って、咲き乱れる一面の桜並木みたいな量なんだもん。

ってことは、さっき研究室で出した量の花びらは少なくとも1万枚とか10万枚とかって言う単位なんかじゃなくて、数百万とか数千万だったってことになる。


……え?本当に死ぬ寸前じゃんボク。

この学園に入って半年で何回死にかけるのよ、本当……。


とりあえずまぁ……ね。次からは、イメージさえ定着できれば問題はなさそうだけどね。


出し入れの練習を少し続けてみるけど、慣れるまでにそこまで時間は掛からなかった。


「出し入れはできるようになったけど……。これって何の意味があるの?」

「さぁ?何の意味があんだ?」

「いえ、わたくし共には原初の魔法は扱えませんので、効果まではわかりかねます。」

「そっかぁ……。」


いつの間にかひゅるひゅると自分の指先を何枚かの花びらが遊びまわるくらいには意識とリンクした桜の花びらが、飾る程度にボクの周りに舞っている。

ただ、未だに自分に触れさせたりする事だけはできないんだけどね。

……なんでだろ。


もしも万が一、実際にこの花びらが視覚効果だけだったのだとしたら魔力回復量を無駄に削るだけで本当に必要ないのだけれど。まぁ流石にそれは無いと思うんだよね。これだけのポイント消費してそんな意味の無いスキルなんてありえないだろうし……。


「わかんねーことより、今目の前にある物を取ったらどうだ?次の有色魔法はもっと分かりやすいかもしれねぇだろ?」

「あ~……うん。まぁそうするしかないかなぁ。」

「それとも、このまま今日は休んでおくか?魔力切れは結構体にくんだろ。」

「大丈夫!シエルとシトラスのおかげかな?全然辛くないよ。」

「なんだ?有能な精霊がいるとちげぇなぁ。おい……。」


遠い目をする先生はほっといて、研究室へと戻る。

道中、次に取得するスキルを相談しながら。


「なぁ、冗談じゃなく次に取るのは松虫草にしておけ。」

「……どうして?やっぱりわからない物からっていう理論?」


その理屈もわかんなくはないんだけど、それでボクが望むような効果のスキルが取れるとは、正直考え難いんだよねぇ。むしろ取れたとしても望む効果の真逆になる確率のほうがね……漆黒の洗脳を取った結果から見ても高い訳だし。


「いや。それだけじゃねぇぞ?お前、松虫草がどういうものかわかんねーんだろ?」

「先生はわかるの?」

「知らん。草に興味なんかねぇよ。」

「薬草とかかもしれないのに?」

「この国周辺に生えてる薬草なら把握してんだよ。未開拓地の一部も含めてな。」

「やっぱり、そりゃそうだよねぇ。」


先生が桜を知らないってところは、正直草花に興味がなければってことで片付けられたのかもしれない。けど、この有色魔法に出てきている草花の全てを知らないとなると……そもそもそういう話でもないのかもしれないんだよね。

だってボクからしてみたら結構有名なお花ばっかりなんだよ?

確かにボクは松虫草っていうお花?草かな?を知らないかもしれないけど、ボクだってそこまで草とかお花に興味を持って生きてきたわけじゃないんだもん。


そのボクが知ってる桜とか向日葵とか。

かなりメジャーなお花ですら先生が知らないとなれば……。

この有色魔法のリストに出てきているお花は、どれもこの世界には……そうだなぁ。かなり遠い地域にしか咲いていないと見るのが正しいのかもしれないね。


ただ、よくよく考えてみたらね?流石にこれ等の花がこの世界に無いと見るのは出来ないと思うんだよね。だってグリエンタールにこの名前が出てきてるんだもん。

この世界にない花の名前が、この世界を現しているであろうスキルに表記されるとは……う~ん。考え難いでしょ?


「もしかしたら、その魔法だけ他の有色魔法とは効果が異なるかもしれねぇだろ?後2種類の魔法を取れるのだとすれば、そのうちの1つは確実に松虫草とやらを取るしかねぇんだよ。」

「あ~……ね。」


……確かにそう言われるとそうなんだよね。

もちろんボクが知らないだけで、松虫草っていうのが世間一般的にメジャーなお花なのかもしれないけど、そうであれば他の有色魔法とそこまで変わりない効果になるってことなんじゃないかな?

それで3種類取って、3種類ともがそこまで効果に差がないのであればどれから取得しても変わりはないのだし、もしもこの松虫草というのをボクが知らなくてもしょうがないくらいマイナーなお花だとすれば?


確かにこの松虫草っていう有色魔法だけ異質な効果っていう可能性はありえるってことになる。


「桜魔法の調合っていうのはどうしたらいいかな?50ポイント必要みたいなんだけど。」


流石に学園の廊下を歩くのにルージュを伴っている事はできないわけで。

先生と2人で廊下を歩きます。もちろん研究室まで戻るんだよ?

講義の時間中だから、全然人の気配も無くて静かなんだけどね。


「それも取っておくしかしょうがねぇだろ。変化があればあったで試してみりゃいいんだからよ。取らねぇことには始まらねぇだろ?」

「ん~……。そっかぁ。」


言いなりってわけじゃないんだけど、先生の言う事もご尤もなので言う通りに。

50ポイントを消費して、残りポイントは418ポイントになった。


【桜色の調合を完了しました。パレットに保存されます。】


……パレット??

よくわからない単語が出てきて桜魔法をもう一度見てみるけど、パレットに該当する文章はもちろん見当たらない。

あ、もちろんパレットって単語の意味が何かわからないわけじゃないからね?

それがこの有色魔法とやらで、どんな役割を果たすのかがわからないんだよ?


「ん~特に今の所なんの変化もないかなぁ。」

「そりゃそうだろ。調合ってくらいなんだからな。他の有色魔法の調合までポイントを割り振って見なきゃわかんねぇんだろうな。」

「だよねぇ。」


よいしょ。


先生の研究室に戻ると、入口は兵科の研究室から入る事になる。

兵科側の部屋は、研究室というよりはどちらかと言うとトレーニング室かな。色々なトレーニング用の器具だったり、武器のメンテナンス機材だったりが置かれていて、土曜なのにも関わらず先輩達が何人か筋トレしたり武器のメンテナンスをしてたりするんだよ。


「ああ、レティーシアちゃん大丈夫だったの?」

「ああ。どうにかな。」


運び出される時も居たんだろう先輩が心配してくれる事に、少し申し訳ない気持ちが……ないわけでも、ないんだよ……?

ほら、色々と先輩達にはやらかしちゃってるからね。

それでも面倒良く見てくれているのは、先輩達の人柄だろうし。


いつもお世話になっております。


あ、もちろん今後ともよろしく……お願いしますね。




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