表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
374/515

だってわからない物から取るの嫌だもん!!

次に、今グリエンタールから情報として出てきていて、すぐにでも取得できそうなスキルは4つ。


漆黒の洗脳

魔力吸収

反転の魔法

有色魔法の開放


情報として出てきているのは、だから。

まだ他にもあるかもだけどね。


それに、派生じゃなくてもマップ追加機能の時みたいに欲しいなって思ったら追加されちゃうことだってあるんだから、もっと色んな可能性はあったりもする。




この4つの中でも異色の空気を放つ『漆黒の洗脳』ってスキルはねぇ……。

純白の魅了スキルからの派生なんだけど、正直あんまり取りたいとは思えないんだよね……。だって純白の魅了ですら()()なんだよ? それが漆黒だよ? 黒も黒で漆黒になるんだよ? もう名前からして真っ黒まっしぐらじゃん。ボクはどちらかと言えば憧れるのは正義の味方なのであって、魔王様じゃないんだよ! あ、でも純白なのにあんなに腹黒い効果ってことは、むしろ漆黒だとお腹の中は真っ白という可能性も……?

ま、まぁとってみなきゃわからないわけだし、とりあえずポイントも有限なんだから後回しにしてもかまわないんじゃないでしょうか。


次に、『魔力吸収』に関してはなんか前提スキル? が足りないらしくて取得できないんだよね……。このスキルが今とれるスキルの中で、明らかに効果が名前から想像しやすいスキルなのに。

ともなれば、現状は『反転の魔法』と『有色魔法』とやらの開放っていう2つが、今ボクが知り得ている情報の中でも、これからすぐに開拓していく分野になるのかな。


でね?

先生が考えてくれた案の最初の一手はもちろん。


「全部……全部かぁ……。」

「そりゃな。取ってみなきゃどうしようもねぇんだろ? 今とれないスキルも、その派生先がもしかしたら必要なものかもしれねぇからな。それに、どうせ自分のスキルなんだ。スキルは好きなように効果を抑えることもできるだろ? じゃあ取った所で必要ねぇなら使わなきゃいいじゃねぇか。ポイントもあんだしよ」


そりゃ……その通りなんだよ?

取ったとしても使わなければいいのはわかってるんだけどさ。

でも、嫌いな物って持ってるだけで嫌でしょ? 理屈じゃないんだよ?


「それに思ってたほどじゃなかったとは言え、ポイントは相当余ってんだ。それくらい無駄に使っても問題ねーだろ」

「う~ん……」


あ~このデジャヴ。

久しぶりかも。このシーンは、どこかで見たことがある気がする。

主人公が割とどうしようもないことで悩んでるところを、恩師がずばっと正論ぶっぱなしてくるシーン。

……いや、どうしようもないこととか言うなし。


ねぇ先生、それ言わないでくれた方が良かったかもなぁ。


「どうした?」

「んーん……」


「?」


今思いっきりフラグが立った気がする。

デジャヴが頭によぎった瞬間は、多分グリエンタールのフラグ成立の合図。

明らかに思い出すような濃い記憶じゃないのに突然浮かんでくるし、今までこれが起きた場面でフラグが成立しなかったことがないからね……。


「じゃあやってみろよ」

「う、うん……」


「ああ、待て」

「うん?」


「漆黒の洗脳ってやつからな」

「……え?! なんで!?」


「どうせ取りたくないとか言って、最後までとらねぇ気なんだろ? さっきも言ったようにそのスキルから派生した先に、今とれないスキルの条件が隠れてる可能性がたけぇんだからな? 取りたくないスキルからとってかねぇと、どっかで躓くだろうがよ」

「……えぇ~……」


口では文句を言ってみるものの、その通りではある。

派生スキルはあるはずなのに条件が整わないってことは、何かしら足りないスキルやら何かしらの条件が必要ってこと。なのであれば1つのスキルの開発が滞ることは、他のスキルの派生にもストップをかけかねないからね。


ってことで漆黒の洗脳を選択します。

使わなきゃいいのよ。使わなきゃ。


【漆黒の洗脳を開放します】

【消費ポイント50pt】


……あ~あ。ほらね。先生がポイント余ってるとか言うからこうなるんだよ。


「開放に50ポイント必要だって」

「あぁ? なんで開放するだけでそんなとられんだ?」


「ボクだって知らないよ……グリエンタールさんに聞いて欲しいくらいだよ」

「まぁしょうがねぇ。取るしかねぇだろ?」


「うん……」


【漆黒の洗脳を取得しました。】


漆黒の洗脳

Lv1・

Lv5・

Lv10・


あ、ほんとに開放するだけでポイントとられるんだ……。

ってことは、こっからは消費ポイントは今までと一緒で1レベルにつき1ポイントでいいのかな? 10ポイント使えば最後まで開放されそうだね。

取得欄にLv1・Lv5・Lv10の3つがある。


それを全て取得。やっぱり掛かるポイントは10ポイントだった。

これで残り574ポイント。


漆黒の洗脳

Lv1・相手への挑発成功率が上昇し、好感度の下げ幅を増幅させることができる

Lv5・友好度が信仰(+5)になっている相手に限り、洗脳(+10)に変換することができる

Lv10・洗脳になっている相手の思考・思想・行動の全てを管理することができる


……うわぁなにこれ。真っ黒。すっごく真っ黒。まさに漆黒だよ……。

純白の反対なら真っ白かもしれないとか思ってた時期がボクにもありましたよ!


「先生、見てよこれ……」


紙にスキル内容を書き写して渡してみる。


「ん? …………なぁ。もしかしてお前……あたしの事洗脳してないだろうな?」

「ちっ。先生が洗脳とかされるタマかよ……」


「あぁ?」

「なんでもありませ~ん」


じゃあ次はっと。


反転の魔法?


【取得条件を満たしておりません】


あ。また出た。

じゃ、有色魔法って奴だね。


【有色魔法を開放します】

【消費ポイント各色100pt】

【どの色を開放しますか?】

【茜】【桜】【向日葵】【柳】【杜若】【梅】【松虫草】


……。


は?


え? ちょ、ちょっと待って?

それぞれの色を開放するんだよね……?


え? 花? 草花なの?

えっと……。

ボクの拙い知識に照らし合わせると、つまりこういうことだろうか?


茜→赤

桜→ピンク

向日葵→黄

柳→緑

杜若→青

梅→紫

松虫草→???


マツムシソウってなんだ?

他の植物は色の名前でありそうだけど、松虫草ってそもそも聞いた事がないよね?

いや、ボクの知識に無いだけだとは思うけど。


あれ? ってことは……。


「あれ。先生。この有色魔法っていうの、開放1種類につき100ptで7種類あるから……そもそも今のポイントじゃ足りなくなったかも……」

「はぁ? ……今までとえれぇ違いだな……」


今までは考えただけで取得条件を満たすくらいのスキルだったわけだし、スキルの取得条件の一つとしてポイントを大量に消費するなんて考えもしなかったからね……。


そう考えると……ね。


漆黒の洗脳ってスキルの開放に50ポイント、取得に10ポイントで合計60ポイント使ってるっていうの、比べてみれば今までの取得スキルには開放ポイントみたいなの無かったんだから、すごい多いわけでしょ? 実際多いんだし。

だってあれだけ使える転移スキルですら10ポイントの消費だったんだもん。その6倍だよ? 6倍。でもね、よくよく考えてみればそれも当たり前くらいの効果なんだよね……。えげつなさ過ぎでしょ。好感度を上げる努力をする必要が一切なくなって、しかも悪を尽くせば尽くすほど完全洗脳が成立するとか。

もちろん抵抗されることもあるだろうから、ボクよりも能力値の高い人たちまでをいきなり洗脳できるなんてことはないだろうけど、この世界で魔法を自由に扱える人の割合は半分にも満たない。

もちろん能力値のすべてが魔力の強さではないにせよ、そこから単純に考えれば世界の半分の人達は抵抗することすら叶わないということになる。


つまり……


“ボクが独裁者として国に君臨でもしようものなら、国民の大半を傀儡にできるスキル”


として成立してしまうのだ。


そりゃそんなことしようものなら、こんなバカげたスキルに抵抗できる強い人たちが結束してボクを叩きにかかってくるだろうから現実的じゃないにせよ、本質的なところはそういうこと。


……こっわ。


あ、いやいや、そんな事する気はもちろんさらさら無いんだからね?

そもそも国の統治とか? 絶対嫌だよ。面倒臭いもん。

それに、国っていうのは人と人との営みがあってこそ。こんなロボットみたいな国を作ったって、楽しいことなんか一つだってないよ。



ただ、スキルの使い道って一つだけじゃ無いじゃない。

思いつく程度でも、正直馬鹿げてると思うよ。

これ、ゲームだったら一体何週目のスキルなのって感じ。




うん。そんなスキルですら60ポイントで取得できちゃったんだよ??


まぁ実際友好ポイント60って、普通に生きてたら割と難しいとは思うけどね。

ここ半年の間に、一気にポイントが取れてるからあまり悩まされることも無かったけど、実際であれば人の感情は虚ろうもの。多少の好意を持ってもらえた相手でも、数か月、数年も経ってしまえば感情なんて無くなってしまう。

そんな中で、60人の好感度を1でも維持し続けないとこのスキル自体が取れないんだからね。


それなのに有色魔法は開放に100ポイントが必要?

……これ、本当にとっても大丈夫なんだろうか。

ボク、人間辞める事になったりしないかなぁ……。


「ああ、大丈夫だろ。お前はもう既に人間やめてっから」

べちん!

「いて。」


口にしてないのに思考を読んで答えてくる先生のお尻に平手打ちをお見舞いしてやった。

意外に……でもないか。やっぱりいい音がしたね。先生のお尻ってすごい鍛えられててしっかりしてるから、いい音すると思ったんだよ。大きいし。


「とりあえず全部は取れないみたいだから、どれからいったらいいかな?」

「そりゃお前まつ……」


「あ! うん。なんか桜って可愛くていいよね。それにしよ」




いわせないよ!?




最後までいってからタイトルに戻ってどうぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ