♥妹弟達の学業成就!
やばい!!
やばいやばいやばいやばいっ……。
あぁもぉっ!まじでやば~いっ!!
「ねぇジーク……?」
「な、なんだよ……。」
ジークは生まれた時からずっと一緒。
まぁ正直?村に同じ世代の子供なんていなかったら、私とジークの仲がいい方なのか悪い方なのかなんてわからないけど。私はそこまで悪くは無いんじゃないかと思ってるの。
うちの場合はお姉ちゃんがね……。“アレ”だったから、兄弟間の仲が悪くなるような事はありえないんだけどね。
そうであるならば、よ?今私が直面してるこの大問題。
ジークだって今考えている事は一緒のはずよね。
「ねぇ……今日の授業……ついていけた……?」
「はっお前、そんなの…………いけるわけねぇだろ……。」
「そう……よね……。」
「ああ、まじでやべぇよ……。」
あれから数日が経った。
学校が始まってから2日目ともなれば本格的に授業が始まったんだけどね?
さ、最初はね?良かったんだよ?
数学とか魔法学の授業が多いらしくて、最初はそういった授業から入ったから。
数学と魔法学あたりなら、お姉ちゃんにずっと教えて貰ってたから、どうにか授業にもついていくことができたのよ。お姉ちゃん曰く、これは数学じゃなくて算数だって言ってたけど、ちょっとお姉ちゃんが何を言ってるのか未だに私には理解できないわ。
そうね……。むしろついていくどころか、簡単だったとさえ思ってましたとも!
でも!でもだよ!?
それから数日経って、社会とか理科とか……特に言語学みたいな授業が始まったと思ったら……ね。
突然、それはもう全く!!ついていけなくなっちゃったの。
確かにお姉ちゃんが教えてくれる事に、歴史とか地理みたいなものは無かったし?そもそも言語って学習するものなの……?正直何を言っているのかさっぱりわからない。どうにか読み書きはできるけど、応用系とか言われたってそんなの初めて聞いたよ……?なのに外国語の授業って何?ロト国語?そんなの知らないよ!!外国なんか行かないもん!習う必要あるの!?
って、とは言っても学校でやらなきゃいけないんだから仕方がないんですけど。
配られた行事表っていうのには、試験っていう項目がある。
これは習ったところをちゃんと覚えてるか試験するっていう事で、出来ないから出来ません、わからないからわかりません。では通らないんですよね。
私達は今、寮の中で勉強をしております。
寮に入ってる生徒は殆ど居ないらしくて、私達を含めて全校生徒で8人だけ。
私達が通ってる王都にある王立第一貴族学校は、王都の中にある学校でもかなり大きめの学校で、全校生徒はゆうに1000人を超すみたいだから、寮に入っている人の数が少ないのがわかるよね。
そもそも王都に住んでる貴族向けの学校だもん。寮に住む必要なんてないんですよね。
私としては入居者が少ないおかげで一人一部屋が振り分けられているのは、なんか自分の部屋が出来たみたいで少し嬉しかったかも。
小さな2階建ての古い建物で、ジークとは隣部屋。
他の入居者である6人には同学年の子はいないんだって。こういう所で仲良くなれるチャンスを狙っていたのに、残念だなぁ。
基本集まるのはジークのお部屋。殆ど毎日こっちの部屋に入り浸ってるのは、自分の部屋を汚すと後片付けとか大変でしょ?その点ジークは私より綺麗好きなのよね。
別に私の部屋が散らかってるわけじゃないけど……
……あ!疑ったでしょ。散らかさないんだから汚れないもん。
ジークにとって片付けとか掃除が、苦になるどころか好きなのを知ってるし、実家の中じゃずっと同じ部屋に暮らしていたんだもん。今更私が部屋をちょっとやそこら散らかそうがジークはなんとも思わないみたい。
むしろお姉ちゃんの方が酷いんだよ?
お姉ちゃんは自分の部屋がちゃんとあるのに、基本お姉ちゃんの部屋を片付けるのもジークなんだから。まぁこいつはそれが好きで掃除好きに目覚めたっていうところは……否定できないけど。
こいつシスコンなのよね~。しかも超重症。
あ、シスコンって言ったって私とはなんか普通なんだけど。
……なんか悔しいけど、まぁお姉ちゃんならいいよ。しょうがないもん。
「……~~い…………お~い!!!」
「……はっ!?何!?」
「何じゃねぇよ。何ぼーっとしてんだ?宿題そっち終わったのかよ。」
「や、やってるわよ!……ほらっ!あと少しじゃない!」
「いや遅ぇよ……。この後バイト探しに行くんだろ?早くしろよ……。」
「うっさいわねぇ。分かってるわよ。」
なんでできてんのよ!
さっきまで私と一緒で授業についていけないって言ってたじゃない!
も……もしかして、本当は私よりも理解できているのかな?
まずいまずい。
こいつにだけは負けちゃいけないのに。
私とジークは魔法学園の特待生制度で将来魔法学園に入学が決まっている。
お姉ちゃんと同じで、入学金や年の授業料が全額免除になる制度。
あの学校、こないだ調べたら入学金が金貨30枚で年間授業料が金貨20枚。その他諸々あわせると卒業までに何もしなくても金貨150枚くらい掛かるっていうんだから、どう背伸びしたって平民の家があそこに特性生制度以外で入学するのなんて無理なのよね。
それに伴い、その基礎教養・基礎知識をつけるために貴族学園への特待生制度も適用されて、私達は今ここにいるってわけなんだけど、もちろん免除されるのは授業料と入学金だけ。
それだけ貰っておいて、“だけ”なんて言うのも何かおかしいんだけど、生活費が出たりとかするわけではまさかなくてね?……まぁ奨学金制度っていうのが取れれば、更にお金が貰えるから生活費に充てられもするんだけど……。
奨学金制度が取れるのは、学年で成績上位3名まで。
お姉ちゃんなら、もしかしたらできるのかもしれないけど。
受けてるのかな?奨学金。
……学校になんか一切通わなかったのに、案外それくらいやってそうで怖いわ。
この1週間授業を受けてみた感じ、私とジークには成績上位3名入りはちょっと難しそうだった。数学と魔法学だけだったらいけたのにな。
って事は、生活費は自分達で稼ぐ必要がある。
正直あんな馬鹿みたいに高い購買なんて使えないし、毎日自炊だってしなきゃいけない。
寮には共同の台所はあるんだけど、別に誰が夕飯を作ってくれるわけでもないしね。
パパとママにはこっちに出てくる時、少し無理をしてお金を持たせて貰ったし、仕送りもしてくれるとは言っていたんだけど……。
正直、お金を送るのにはお金が掛かるわけで……。
仕送りになんて期待してちゃダメ。自分達で稼がないとね。
今日の夕方からは、ジークと2人でバイト探しをすることにしていた。
2人で同じバイトをすれば、生活習慣がずれないからご飯も一緒に作れて節約にもなるし、何よりこんな都会に出てきて一人で放り出されるのは流石に怖い。
私はお姉ちゃんじゃないんだから。何でも一人で出来るわけじゃないのよ。
よろしければ、ご意見・ご感想お聞かせください。
ご評価・ブクマのワンクリックがとても励みになります。是非よろしくお願いします。
ブックマークのクリックはすぐ↓に!
ご評価いただける場合は、『連載最新話』の↓にスクロールするとアンケートが表示されています
是非よろしくお願いします!
レ、レビューとか?し、してくれたって・・・?いいんだからねっ!?




