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ボクの固有魔法ってどうなのかな?

翌朝。

ボクは今、特殊魔法課目の授業を受けるために、とある教室で待機している。


この魔法課目の授業は、国の魔法機関にとってとても重要な分野。新しい魔法の発見・既存魔法の新しい進化形態・それに伴う開発や発展。そういった他国に差をつけるための重要分野であることは間違いがないわけだ。

そのため、固有魔法を持った生徒1人につき最低でも講師が1人はついてくれる。研究内容・規模・重要性・将来性が期待されれば、講師が1人ついてくれるどころか、チームでついてくれることすらあるくらいなのだ。


なので最初は担当の講師が呼びにきてくれる手筈で、この教室には6人の生徒が待機している状況なわけ。




そんな中、1人また1人と周りの生徒が講師に呼ばれ、出ていく。

どうやら授業は個別に各個室で行われるみたいで、ここは単なる集合場所のよう。


あ。ボクが最後だ……。

1人になってしまった。

多分大丈夫だとはわかっているけど、こういう時ってなんか不安になって寂しいよね。


「よう。お前がレティーシアか?」

「は、はい……」


ガラッと部屋の扉が雑に開く。

流石にこの状況で扉が開けば、余程緊急な事態でもない限りボクの先生とみて間違いじゃないはずなんだけど……うん? ものすごく戦士態をした女性が迎えにきてくれたようだ。


短い袖にちらっと見える傷痕。

赤い燃えるような色の短髪。短髪のわりに毛量が多いのか、そこまで短くは見えない。

そしてなにより女性の体で筋肉量が傍目に見て判るくらいついていて、プロポーションがすらっとしていて格好いい。

女性ボディビルのような、魅せる為の筋肉は一切ついていない。

背も高く180cmくらいあるだろうか。

そのせいで威圧感がすごい。っていうか普通に怖い。


周りの人達は男女の違いはあれど全員ローブを着た、いかにも講師っぽい人が連れていっていたのに……。




「お、おはようございます。先生」

「ああ、おはよ。あたしはフラ・ヴィシュトンテイル。家名は長いんだ。フラとでも呼んでくれて構わない」


「は、はい。フラ先生」

「はは、やっぱ戸惑ってんな。そりゃ、あたしみたいな冒険者が講師ってんだ、そうなるよな」


「え? 先生、冒険者なんですか?」

「あ~。レティーシアは冒険者でもねぇんだし、あたしのことも知ってるわけねぇか」


ってことは、どうやら先生は冒険者の間では有名な人のようだ。


「ごめんなさい。ボク、冒険者って興味はあるんですがよく知らなくて……」

「お? なんだレティーシアも冒険者稼業に興味あるのか? そりゃ話が早くて助かる。とりあえずなんだ。こんなところで立ち話しててもしょうがねぇ。とりあえずあたしの研究室にきな」


そういうとフラ先生は魔法科棟の教室を出て、兵科棟まで案内してくれた。


……兵科棟?


「ああ、安心しろよ。あたしはちゃんと魔法科の講師資格も持ってるんだ。まぁ兵科つったって、この学園の兵科の生徒は大抵が魔法兵士だ。ちゃんと魔法を扱う科だしな。それに、この学園の兵士はそこらの兵士や騎士とは戦力の格が違う。この機会にでも面識を作っておいてもいいさ。特に冒険者やるってんならな」

「そ、そうですよね……」


兵科といわれると、あの模擬戦の光景を思い出してしまう。

リンク王子様もすごかったけど、あの魔道剣をもった先輩も……ん?


「あれ?」


思わず声にでてしまった。

研究室の中には、フラ先生の講義をとっている兵科の先輩が武器の手入れをしているところだったのだが、見知った人物がいたのだ。


「あ、君は体験履修の時に見学にきてくれてた子じゃないか」


その模擬戦のときに、ものすごい重そうな魔道剣を振り回していた先輩だ。


「あぁ~?? ティグロ。なんだ? もう手ぇつけてんのか? お前にしてはずいぶん手が早えじゃねぇか」


「先生! 違いますよ。模擬戦を見に来てくれていた子で、研究科と開発してる魔道剣の展示に興味を示してくれてたんです。兵科の体験授業のわりに華奢な女の子2人組だったから覚えてただけですって!」


「な~んだぁ? 慌てて。あっやっしぃなぁ。まぁあたしから見てもレティーシアはすげえ! そりゃすんげぇ~可愛いしな。あ~! よかったじゃねぇか。こいつが特殊魔法の授業の時はここにいるかもしれないぜ? あたしの授業がんばってとれよ? ティグロくん」


先生がにやにやしながら先輩に腕を回しながら肩をぽんぽんと叩いてものすごく煽っている……。


慌てた先輩が突然


「た、確かに可愛いとは思いますけど、俺はそんなんじゃ……あっ……」


なんて言いだす始末。

ボクは、自分が思ったよりおだてられるのに弱いらしい。すぐに顔が赤くなる。

元々が人一倍白いだけにすぐ目立ってしまう。

やめてよ。恥ずかしい。


「おーおー、なんだ? そういうのは授業の外でやってくれよ」

「先生が煽ったんでしょう!」


そういうとティグロ先輩は、武器のメンテナンスが終わったのか、研究室を出ていってしまった。


この学園では、兵科のどれか1課目を120単位以上とると、それぞれ専門の講師に師事するのだとか。あの先輩はどうやら、このフラ先生の研究室に入って師事しているようだ。


ボクは特殊魔法課の授業を週3単位とっても、年間100単位計算だった。

先輩は多分制服の色からしてリンク王子様と同じ2年生なので、単純に1年で週4単位以上はどれかの兵科課目を履修したってことか。


フラ先生は、兵科ではどの課目の先生なんだろ?





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