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グリエンタールって国の名前だったような?

午前の魔法科の授業は、全体講義で魔結晶を配るだけでおわっちゃったから、実質何もやらなかったようなものかな。

午後からは普通に講義が始まっている。


現在、シルとイオネちゃんと一緒に午後の授業を受けているんだけど……

……とても退屈。


次元魔法課の授業なのだけれど、もちろん1年で最初の授業なんだから初級講義から始まる。次元関係の最初といったら、0次元定義。

つまり、点の定義となる。


普通に魔法士にとっては、100%全員が必須の知識。

とはいっても、別に0次元とはなんぞや? みたいな講義をするわけではない。あくまで魔法の授業なので、0次元、つまり点座標を扱った魔法の取り扱いを行う。初級は1次元まで。


この講義内容だと前世の知識も含めて、ボクは5歳くらいの頃には一通り終わっちゃってるんだよね。貴族であれば、最低限終わっているだろう内容なのか、単位だけとって出席していないであろう人もちらほら見受けられた。講義数だけ稼いで、やりたい講義内容になったら出席するのだろう。


もちろん、講義だけ受けて出席しなかったせいで講義に置いてかれてしまったとしても、それはその人の自己責任ってやつなんだけどね。



ちなみにシルはちゃんといる。


イオネちゃんや、出席している人たちは真剣に聞いているので、邪魔をするわけにもいかない。


ここでボクの固有魔法(クリア)の出番である。


ステータス画面を開くと、内容は周りには見えないものの“ステータス画面を開いている”という、白いウィンドウは見えてしまう。これをクリアで見えなくしてしまえるのだ。

ボクはさっきまでのステータス確認で気になっていた項目を開いた。


『グリエンタールの愛惜』


タップすると、一枠大きなウィンドウが左側に浮き出てきた。


これ、前世でやっていた“グリエンタールの愛惜”のマップ画面にそっくりだ。ちょっと違うのは、メニュー画面として独立していたはずの内容が、アイコンになってマップ画面内の左側に並んでいる。

さすがに約30年前にやっていたゲームなので、詳細を覚えているわけじゃないんだけど、この世界自体があのゲームと一緒なのか? といわれると多分違うと思う。

どちらかというとイメージは、あの恋愛シミュレーションゲームの舞台を再現した世界ってカンジかな。


そもそも登場人物の名前は、リンクとかレティとかアレク、ましてやレティーシアなんて名前ではなかったと思うし。

ただ、ボクの起こした行動があの世界のイベントとリンク(王子の名前のほうじゃないよ?)するのは、多分このスキルのせいだろう。


ちなみに、マップ画面には今いる学園の講義室から20m四方くらいが表示されている。

多分中心にあるこの白い丸がボク。隣に青い丸が2つある。これはイオネちゃんとシルだ。

少し離れたところにも青い丸があるな……


そう思って講義室を見渡してみると、貴族嬢数人と仲良く講義を受けているアレク様を見つけた。


多分この離れた青はアレク様だ。その周りにある少し黒みがかった灰色が貴族嬢。他の生徒や先生は灰色だ。なんであの周りにいる貴族嬢はちょっと黒いんだろう?と思いタップしてみると、理由がわかった。


イリーア・トワネス(嫉妬-2)


と表示された。知らなかったけどアレクの横の貴族嬢の名前らしい。


あ、これ確か好感度メーターだ。

なんとなく思い出し、マップ横に出ているアイコンメニューを探すと、好感度メーター一覧のアイコンがあった。タップしてみる。


イリーア・トワネス(-2)0/0

殺意 厭悪 嫌忌 嫉妬 不快 0 友情 友愛 思慕 憧憬 敬愛

          ♥


と、好感度メーターが表示された。

好感度が嫉妬の域に入っているから、数値的に-2なのね。

マイナスに行けば行くほど黒く、プラスに行けば行くほど青くなるみたい。


0は多分、面識が無い人。灰色の人は全員0にハートマークがついている。

数字はどんな意味を持つのだろう?


イオネ・テュリス(+5)5/5

殺意 厭悪 嫌忌 嫉妬 不快 0 友情 友愛 思慕 憧憬 敬愛

                        ♥


ええー! 思ってたよりイオネちゃんの好感度が高い! 嬉しい! けどなんか罪悪感!!!

ゲームの時は気になんてしなかったけど、現実世界の友達の好感度を覗き見るのは、なんかものすごい罪悪感を覚えるよ……。


で、でも……気になる……ぽちっ……


アレキスウェルト・リア・グルーネ(+8)5/8

殺意 厭悪 嫌忌 嫉妬 不快 0 友情 親和 情愛 恋慕 愛染

                           ♥


きゃーーー! なんか見ちゃいけないもの見ちゃったーーーーっ!


「レティ? さっきから何しているの?」


突然シルから突っ込まれた。


「ふぁい!? え!? な、なんでもないよ!?」


はい、声が裏返りました。


「さっきっから顔が真っ赤でなんか怪しいわよ?」

「そそそ、そぉんなことぁな、ないよ?」


まずい、シルが視界に移ったら、勝手に好感度メーターが切り替わった。


シルヴィア・エル・ラインハート(+6)6/6

殺意 厭悪 嫌忌 嫉妬 不快 0 友情 友愛 慈愛 寵愛 敬愛

                         ♥ 


あれ? シルのメーター少し違う。人によって違うのかな?


えっ!! +6だなんて嬉しすぎる。


「ボクもシルのこと大好きだよ!」


思わず口をついて出てしまったが、頭のどこかで授業中なことは忘れていなかったらしい。

一応小声だった。セーフ。

こんなのシーンとした教室で突然発してたら、すごい目で見られちゃうわ。


「と、突然何言ってるのよ」


シルの顔が赤くなる。


おお? とりあえずは、ごまかせたかな?



後は部屋に帰ってからやろっと。シルに相談しながらでもいいしね。あ、好感度メーターについては……こんなの持ってたら逆に嫌われかねないし。相手だって恥ずかしいしね。とりあえず伏せておくことにしようかな。



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