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棒人形ちゃんと名づけました!!

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします。


さて、新年に入ったところで、こちらの話もタイトルくらいまで入ってきました。

UPしたころには、総評も100を頂き、とても嬉しいです!

是非、評価はまだしてないよ!という方もいらっしゃいましたら、この機会にお願いします!!


これからも励みに面白い話ができればと思いますので、ご感想ご意見等合わせ、よろしくお願いします。

「二人ともステータスは見たことがないのよね?」


「うん」

「はい」


部屋に帰ってボクがシルに説明を受けようとしたら、どうやらイオネちゃんも教会に行ったことがなかったらしい。

テュリス男爵家では、まさか魔法学園に特待生で入れるとは夢にも思われていなかったようで、将来はどこかへ結婚していくか、どこかのお屋敷のメイドにでもなろうかと、そういった教育を受けていたんだそうな。確かに、そうであればステータスの確認なんて必要ないもんね。わざわざ結構なお布施を払ってまでする必要もないか。


「まぁいいわ。とりあえず見方だけ教えてあげるから、開いてごらんなさいな」


そう言いながら、シルも魔結晶に魔力を流していく。


目の前に縦A4サイズぐらいのウィンドウが開いた。

他人が開いていたステータス画面には何にも見えなかったものが、自分のには絵柄や文字がちゃんと見えた。


上7割の左側に、薄く青白い人を(かたど)った人形の絵があり、

その右側には『最大生命力』『魔力量』『状態』と言う3つの項目が並んでいる。


下3割には、


特殊体質 固有魔法 魔法適性

特殊技能 固有技能 所得技能

登録魔法 常駐魔法  辞典


といった言葉群が並んでいた。


「まず、左上に人形のような絵があるでしょう?」


「うん」

「はい」


「これは、自分の状態を示してくれるの。青い時は正常。赤くなっていくにつれて、ダメージが蓄積されている状態。赤であれば、どんなに真っ赤でも治癒魔法類で治る可能性が高いわ。赤が濃いほど治癒も難しいけどね。だけれど、黒になってしまったら殆どの場合、もう切り落とすしかなくなるってことだから。赤くなっていってしまう前に気をつけること」


「殆どの場合?」


「そ。殆どの場合。この国には部位欠損を治せるディメンジョン系治癒魔法を使える方がいらっしゃいますのよ。ですので、可能性は0ではないけど、まぁ(わたくし)たちのように面識もなければ0と考えてもいいわね。神聖魔法の治癒で部位欠損を治すことは、できなくはないけれどかなり条件がシビアなのよ」


「ダメージってどういう状態でしょう?」


確かに、部位欠損とかいわれると手を切り落とされたりとか? 怖くて考えたくもないけど、そんなのステータスで見なくてもわかるじゃない?


「そうね、凍傷や火傷なんかはステータスで確認しておくべきダメージね。これ以上治癒せずに凍傷が続くと、治癒しても治らなくなるラインが視覚化されているわ。そんなことがおきないのが一番ですけれど、戦争や魔法戦なんかでは常套戦術ですから」


「とにかく黒くなる前にはちゃんと治癒すればいいんだね?」

「そうね。青色から赤に変わっていって、赤黒い血のような色になったら相当まずいから。注意すること」


「なるほど」

「はい」


「あ、それと状態異常も視覚化されるから、対人や対魔獣戦闘なんてやらくてはならなくなった時も常に確認しないとだめよ。例えば、毒を塗られた短剣で切り傷を腕に負ったら、人形の腕の部分から濃い緑色が浸透していくのが見えるわ。その横に書いてある『状態』の項目にも、何毒かって表示されるの。……もちろん辞書に登録されている状態異常の範囲内ではあるだけれど、ね。」


「へー、自分の状態把握にも使えるんだね」

「思ってた以上にすごいですね」


「これ、うちの学園生以外では教会に行かないと判らないのよ。冒険者の上位陣は、その殆どがうちの学園卒業生なの、理由がわかるでしょ?」


「うわ、今教えてもらった人形のとこだけでも、こんな便利なの持ってるのとそうじゃないのじゃ天地差じゃない」

「ちなみに冒険者のランクをある程度上げて、すっごい高いお金を払えば買うことはできるらしいわよ」


冒険者にはやっぱりランクがあるのか。ちょっと気になる。


「話がそれましたわね。この人形は触って横にずらすと……」

「あ、回った」

「そ。回ります。全方位で見ることができるわ。後、人形をよく見ると、接続部分で途切れてるのが見えるかしら?」


おお、ぐりぐりすると回るんだ。

接続部分というと……腕・足・頭・首・胸・お腹のそれぞれの部分につなぎ目がある。胸とお腹の部分は縦に3分割されているような?


「例えば、腕の部分を押して御覧なさいな」


人形の腕の部分をタップしてみると、数字で1と浮かびあがった。


「1ってでたよ」

「私も、1って出ました」


「ちなみにお二人は、最大生命力はいくつ?」

「ボクは35」

「私は19ですね」


「イオネはもうちょっと体を鍛えないとだめね……。大体の指標だけど、さっき腕を押した際の1っていうのは、その部分をサーベルみたいな1cm幅の針くらいのもので刺された場合のダメージ指標ですわ。装備のない腕を1としていますの」


なるほど、頭をタップすると392とでてきた。

最大生命力が35でダメージを392受けるってことは、ボクだったら11回くらい死んじゃうダメージ量ってことか。


「ほんとだ。心臓のとこだと256、頭は392。心臓より頭のほうがやばいのね」

「心臓はその瞬間に治せればどうにかなりますが、頭をやられると治そうとする意識すら一瞬も残りませんから。ちなみにこの数値は装備を加味してくれるのよ?」


「ええ、すっご」


そう言いながらボクは自分の布団に包まってみる。

あ、ほんとだ。それだけで倍率がものすごく下がった。人形も頭巾を装備した形になった。可愛いじゃない。


「ほんとだ、下がった」


イオネちゃんが、どうだったんだろう?っていう目で見ていたので口に出してみた。


「まぁ(わたくし)も含めですが、最大生命力が急所の致死倍率を超えない限りは、あまり気にする必要もありませんわ。胸とお腹の部分が3分割されているのも、両脇と真ん中ではダメージ倍率がかなり違うからよ」


なるほど。布団暑い。でよう。


「今説明したように、この倍率とダメージ量は、どちらかと言うと気にするのは戦士職の方ね。(わたくし)たちは低すぎて意味があまりないわ。状態異常を色で気にするのに使う程度ね」


「この魔力量っていうのは?」

「そのまま自分の魔力残量を自動で算出してくれるわ。ちなみに二人ともいくつ?」


「ボクは2199って書いてあるよ」

「あれ? 私は52です」


「……え? 2000? 200じゃなくて?」

「2199だよ?」

「……なんとなくレティの魔力量は高いんじゃないかとは思ってたけど、正直4桁なんて聞いたこともないわね。大魔法でさえ1発100~200程度の消費量なんだから。10発以上連発できる魔力量ね……」


「ええ? 壊れてるとか?」

「う~ん……他は正常に動いてるみたいですし、壊れてても数字だけ変な表示になるなんて壊れ方しませんし……。検証方法はあるわね。魔法を連続で撃ってみればいいわ。まぁ、そのうちわかるのですし、今は置いておきましょう」


確かに、3歳の頃から読んでいた魔法書に、『何故子供のうちに魔法訓練が必要か。』なんて言う書籍があったんだよね。そこには、6歳までに魔力量を伸ばす訓練をしないと、魔力量を伸ばす倍率が減っていってしまうからだ。という記述があったので、なるべく魔力量を伸ばすような訓練はしていた気はする。


「後は、下のほうに項目が8個あるでしょう? 『固有魔法』 『魔法適性』 『特殊技能』 『固有技能』 『所得技能』 『登録魔法』 『常駐魔法』 『辞典』ね。」


ん? 9個あるんだけど。


「あれ? ボクその8個以外にも『特殊体質』って項目があるよ?」

「え……?」

シルが目を見開いている。すごい珍しい。


「あ、ごめんなさい……。(わたくし)の表示で説明してしまいましたわ。特殊体質を持っている方は、そのほかに特殊体質の項目がでるそうですが、特殊体質持ちはこの国どころか世界に5人くらいしかいなかったような……?」


「ええ!?レティちゃんすごいじゃないですか」

「ごめんなさい、(わたくし)の記憶違いかもしれないわ……? それはまた調べましょう」

「と、とりあえず気にしないことにしておくね……」


「そうね。とりあえず判るまであまり人にも言わないほうがいいかもしれないわね。……それにしてもレティ、中身を見てみないとわからないけど、貴女なんか英雄にでもなれそうなステータスね。王子ごときが狙ってるのが、なんか勿体無い気がしてきたわ。(わたくし)が貰っちゃおうかしら」


「え!?」


イオネちゃんが真っ先に顔を赤くした。

逆にボクは冷静になる。


「ええ~、ボクにそんな趣味はないんだけどなぁ」

「冗談よ。それに貰うのも嫁としてじゃないわ?」

「え?……まって! 嫁としてじゃないって()れ……」

「ふふふ、レティのお洋服にお金出しておいて正解だったかしら」

「返す! 返すよ!? お洋服返そ! そうしよ!」

「ま、冗談はこれくらいにしておきましょ」




ほ、本当に冗談だよね?? なんかシルの顔が冗談を言ってるようじゃないんだけど……。



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