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予選とはなんかもう次元が違わない?

めちゃくちゃ広いリング。その中央に3人の人影がぽつんと見える。


ボクはもうこの魔法種禁止トーナメントは、単騎戦も団体戦も準々決勝以降には参加しない……というかできないので、初めて最初っから観客席側で観戦することとなる。

そう考えると悔しいやらなにやら、ちょっと心臓の奥を締め詰められるような気持ちが湧き出てくるけど、実力が足りなかったんだから仕方ないんだよね。


むしろ入学当初を思い返せば、それこそティグロ先輩とリンクの模擬戦を見た時、ボクがあんな恐ろしい舞台に上がれるとは微塵も思わなかったし、更に言えばボク自身がそこにあがっていこうって思うなんてあの時には思いもしなかった。そこからすれば大躍進ではあるんだよね。一応1回戦は突破できたわけだし。




第一試合。

フェルトさんとゼノさんっていう3年生の先輩同士のカード。正直ボクは2人とも見たことないし、もちろん面識なんてないんだけど……。

でも多分、多分なんだけどフェルトさんとゼノさん、どっちがどっちなのかすぐにわかった。……なんていうんだろう。纏っている空気が一人だけ全然違うって言うのかな。感覚的なもので言い表すのが難しいんだけど、きっとあの異質な空気を放っているのが第一シードのフェルトさんだ。

素人目に見てすら、何か違いがわかる。

こういうのを格って言うのかな?違ったらごめんだけど。


こんな事を男性に言うのはもしかしたら失礼かもしれないんだけど、ものすごい美形で女の子みたいなお顔をしている。ほぼ白に近いくらいの明るいアッシュブロンドをもっと薄くした感じで、ここから見てて輝いて見えるくらい艶めいてる。そこまで長い髪でもなくて首が見えるくらい。セットしてるのか、後ろに髪を流してておでこが殆どでてるんだけど、それで女の子に見えるって相当でしょ?まぁ女の子に見えるのは顔だけで、体つきを見れば男なのは一目瞭然なんだけどね。

表情はどこか影がある感じで、なんかリンクより王子様っぽい王子様なんだよね。本物の王子様はリンクなわけだけどさ。そんな感じなもんだからめちゃくちゃ女の子に人気があるようで、さっきから黄色い声がわーきゃー煩い。隣にいるイオネちゃんもなんか目がちょっとハートになりかけてるような……?

イオネちゃんも案外面食いなのね……。


装備は槍なんだけど、その槍も特徴的ですっごいスリムな槍。

ボクが先日社さんから頂いた槍よりも更に細い柄。その柄も刃との長さの比率が6割くらいしかなくて、刃が4割くらいと異常に長い。もちろん今日は試合の場なんだから本物の刃じゃないんだろうけど、本物に似せて作ってあるのだとすれば、剣と同じくらいの剣身がある事になる。あんなのボクが扱ったら即折る自信がありますってくらいには扱いが難しそう。


それにあわせているのか、装備も軽装よりも軽くまとまっている。普通の服を着てるように見えるけど、もしかしたら下にはチェインメイルみたいな装備を着ているのかもしれないし、それともあの服みたいに見える装備自体が、ボクの装備みたいにすっごい性能なのかもしれない。見る限り後者である可能性がとても高そうだ。

全身白が基調の、本当に軽装とも呼べないくらい服っぽい服。

金色の装飾が所々に散りばめられているけど、そこまで主張しない程度で、とても高級そうな感じ。確かになんとなく革っぽい気はしなくもない。なにかはわからないけど、もしかしたらあれもすごい素材でできてるのかも。




対するゼノさんは、フェルトさんとは正反対のいかにも男性っぽい男性。

まぁフェルトさんも体つきを見れば男性なんだけど、それよりも筋骨隆々としてて、ノースリーブに破いたような跡のある赤い服からは、丸太の様に太い腕が生えている。

2人ともそんなに大男ってわけではないから、丸太ってほどじゃないかもしれないけど、比喩するとしたらこれ以外の言葉がみつからないくらい。それくらいすごい。


ゼノさんはフェルトさんの基調が白なのに対して、全体的にごげ茶色っぽい基調の装備をしている。

肌色も白人って程白いわけでもなくて、日焼けしてるくらいの肌色にこげ茶色の道着のような上着。ズボンは濃い茶色が黒くみえて、七分丈くらいかな?どっちかというと野性味がある感じの男性だね。あれはあれでモテそうだけど、まぁ流石にフェルトさん人気には勝てそうもない。


武器は一言で言ってしまえば両手にトンファーを持ってるって感じかな。一言で言ってしまえばっていうのはもちろん、トンファーではないから。形はそのものなんだけど、持ち手から先の形状がなんか違う。

トンファーって持ち手から持つと、腕側に長い棒が突き出していて、外側に拳からちょっとはみ出るくらいの棒が出ている武器ってイメージなんだけど、ゼノさんが持ってるのはまず単なる棒じゃない。持ち手はもちろん装飾を除けば棒状なんだけど、武器となる部分の太さが横幅で20cmくらいはありそう。

外側に短く突き出る箇所は銀色のパイルバンカーのようなものが尖がっていて、途中になんか機構みたいなのを組み込むような装飾された黒い箱があるから、あれって多分魔導具だよね。

その機構部が腕側に大きくついていて、腕を抜けたあたりから赤黒い大きな鱗状の剣が出ている感じ。よくあるじゃない?”斬る”んじゃなくて”削る”を目的としたギザギザした大剣みたいなの。あの剣身が飛び出てるみたいなね。



つまり、全長で言えば1m以上あるわけで。

しかもかなり太いのを両手に持っている。ティグロ先輩の魔道剣を見たときも思ったけど、魔道機構の付いた武器ってものすごい重そうだよね……。

ただ、見た目はすごい派手でかっこいい。ゼノさんは防具が道着しか着ていないからそこまで華やかじゃないはずなんだけど、あの両手に持ってる武器だけですごい派手に見えるんだよね。


それだけ派手なのに。

身構えているのはゼノさんで、異質な雰囲気を放つのはフェルトさんだ。


「それでは皆さんっ!両者の準備が整いましたのでこれよりっ!!!魔法種禁止単騎戦トーナメント準々決勝の幕が切って落とされまぁす!!第一試合がいよいよ始まりますよぉ!!よ~~~く目を見開いて!!()()()()()()()()ねっ!!」




そうリアさんが実況席から告げると、リングに上がっている3人目である審判の先生が、さっと腕を上げた。


「始めっ!!!」


腕が振り下ろされると同時に、開始の合図が会場を木霊する。





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