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結構この世界に来てる人いるのかも?

「おお……お?」


相手が刀を抜くと、鞘からは刀身が木で出来た木刀がでてきた。

そりゃ真剣は持ち込み禁止なんだからこれで合ってるんだろうけど、なんか格好いい銀色に輝く刀身がお目見えすると思ってたボクとしてはちょっぴり残念な気持ちになってしまう。


「ん?君、もしかしてこの武器知ってるの?」

「あっ、えっと・・は」

「はじめっ!!」


「……い。」


……まじで。

空気読めよ先生。


進行急ぎたいのはわかるけど、この試合で予選トーナメント終わりでしょ?少し位なんていうか……。ここまでの道のりをお互い称えあう的な?会話とかあってもよくない?


まぁ始めろと言われたから話をしちゃいけないなんてルールはないし、どうやら相手も急いで決着を付けようとは思っていないようだ。


「ボクがお世話になってるここの先生も刀を使ってるんですよ。」


嘘ではないよね?戦争中遠くで使ってるのを見ただけで殆ど見れてもいなかったけど、態々こんな所で知っている本当の理由を説明するわけにもいかないしね。


「へぇ。珍しいね。あまりグルーネ国では浸透してないと思ってたけど。」

「それ、木刀ですよね?刀身は別にあるんですか?」


「え?木刀まで知ってるんだ。もしかして商家のお嬢さんかな?」

「あ、いえ……。」


そういわれてみればグルーネで木刀って見たことないや。

そもそも刀という物がないのに、刀の形をしている木刀なんて意味もないんだから広がりようもないわけか。

確かに、そうなれば知ってるとしたら商品として扱う可能性のある商家の人間だけ。この学園は魔法の才能があることに加え、お金が出せる事が入学条件として厳しい部分なのだから、成功している商家の人間であればいてもおかしくはないんだよね。


「ふぅん……。ねぇ、君って魔法禁止戦でリンクと一緒に出てた子でしょ?」

「あ、はい。」


リンクって呼び捨てにする人って実は結構少ないから、リンクのお知り合いかな?


「やっぱり。あのリンクがすっごい美人な子連れて大会出てるからびっくりしちゃったよ。」

「あ、あの……。ありがとうございます……。」


お世辞ってわかってても嬉しいものは嬉しいんだよなぁ。


「君は~、もしかして未来の王妃様だったり?」

「い、いえ!全然そんな事はないですよ!?」


「え?そうなんだ!じゃあリンクとはどんな関係なの?」


見た目侍っぽいからイメージがもっと静かな人かと思ったんだけど、ものすごいフレンドリーに踏み込んでくる人だ。距離感めっちゃ近い。さっき待合室ですごい回数目があったのも、もしかしたら話しかけようとしてくれていたのかもね。


話してみて感じる人物像は、物怖じしない感じの性格で、どこぞの研究室の先輩みたいに不意をついて攻撃してくるような素振りもないことからそれなりに好感が持てる人。

距離感は近いけど、パーソナルスペースまで踏み込んでくるわけでもない。


グルーネの人は白人っぽい肌色をしている人が多いんだけど、この人はもうちょっと肌色が濃いし、いかにもグルーネから見たら外国人って感じ。まぁ着ている服や装備が日本寄りっていうのが一番そう見える理由だろうけどね。丁度ボクのパパが同じような肌色なんだよね。ちょっと親近感を覚えるかも。

頭髪も日本人ほど黒くなくて、ちょっと濃い目くらいの茶色なところが一緒だしね。


だた目の前の彼は、顔の彫りがアジア人ほどのっぺらしている感じじゃなくて深い。

まぁボクのイメージからすると、日本に観光旅行に来て武将の鎧を試着してる外国人って感じかな?そこまでがっちりとした鎧ってわけじゃないけど、どことなくそんな雰囲気の軽装を着ているのだ。


「ど、どんな関係といわれても……お友達……かな?」

「へぇ……リンクが女の子の友達ねぇ……。」




そして、さらに親近感を覚える理由が他にもある。


トーナメント表を見た時は、名前が青くてグルーネ語ではない表記で表示されていたので外国の人だなとは思ってたんだけど、名前をなんて読むかって所までは気付かなかったんだよね。

なんていうかグリエンタールのスキルで言語が前世の母国語に変換されちゃって見えるんだけど、グルーネ以外の外国語はイメージで言えばローマ字みたいな感じで見えるせいでパッと見てすぐに読めるわけじゃないんだよね。


侍みたいな格好をしている彼の名前、多分”ヤシロ・ヤガミ”さんだ。日本語表記したら”八神 社”とかかな?ただ雰囲気というか……もちろんお顔の彫りの深さもそうだし、仕草なんかから転移してきた人って印象は受けない。どちらかというと彼の先祖辺りに日本人が転移か転生しているのは、ほぼ間違いない気がする。


「リンクとはお友達なんですか?」

「ん?あ……ああ。昔からの腐れ縁でね。幼馴染って奴?俺としては幼馴染は女の子がよかったんだけどね。君みたいに美人ならなおの事良かったんだけどなぁ。」


「あはは……。」


一応もう試合始まってるんだけど、全く持って会話をやめようとする素振りすらないことに、そろそろ審判の先生が苛立ち始めた。先生の視線が痛いんだけどお構いなしのようだ。

まぁボクとしても?この空気を読んでくれない運営の仕方にちょっと納得の行かない所がある分、何かしら言われない限りはこの先生に合わせてあげようだなんて思わないけどね。


「そうだ。君、うちにこないかい?」

「……へ?」


いきなり話がぶっ飛んだ気がするんだけど……?審判の人に気を取られててどこか話を聞き逃したのかな?にしても、いきなりお家にご招待って何のお話でしょう……?


「はぁ……、まぁ休みに観光?に行くくらいなら……。」


社交辞令だけど。そもそもこの人がどこの国の人かすら未だに知らないんだけど。


「ん?いや違う違う。俺の嫁になってよ。」




「……はぁ!?」



なんで突然そうなったの!?





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