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発表の場ってなんか緊張するよね?

「うひゃぁ……なんだこれ……。」


学園の中に入ってみれば、外のような人の多さはなかった。

トーナメント会場の前まで来ても殆ど人はいない。

まぁそりゃそうだよね。まだ4時過ぎだもん。


そもそも学園内に入ってしまえば、設営ポイントは各教室であって、廊下やロビーには案内や飾りといったものしか置けないんだから、そりゃ人口密度は減って当たり前なんだけどね。


学園入口ロビーに大きく映し出された魔道モニターに、学園祭最初の行事である魔法種禁止個人戦トーナメントの進行表とトーナメント表が映し出されていた。


トーナメント会場は大きな会場4つを使用し、それぞれの会場内には仕切りが作られている。部屋を丁度4分割する様になっているようで、準々決勝辺りまでは4会場4試合同時進行で16試合が同時平行的に進んでいくらしい。準々決勝からは大きな1つの会場に移って大々的に開催される。学園祭期間は2週間と、かなり長くはあるものの、武道大会だけで4種、それに競技会が6種、最後に研究発表会と、行事が詰め込まれすぎていて余裕のあるスケジュールではない為、こんなにぎっちぎちに組まれているわけだ。


魔法種禁止個人戦トーナメントは例年通りであれば参加者が一番少ないトーナメントのはずなのに、トーナメント表の一番最後の人の名前の横に149って番号がついてるから、参加者が149人いるって事で間違いなさそう。149人て。全校生徒の半分近くくらいいることになるね。

しかも全てが1組のトーナメント表で構成されている。左右2段のトーナメント式で、どでかい用紙に149人の名前が書いてあるのだ。ある意味壮観。


シード下と呼ばれるような1回戦が21試合。このシード下の選手は、他の選手よりも1試合多くなるため、前年実績のない1年生の参加者が多く配置されており、逆にシード側の選手は前年実績のある選手なわけだから、ある程度強い人だってことが予想される。


全部で148試合。武道トーナメントはワンウィークトーナメント。魔法種禁止個人戦トーナメントは一番参加者が少ないからまだいいけど、この後に続く魔法解禁個人トーナメントに、各団体戦の計4種目。そのすべてのスケジュールが合計でワンウィークなのだ。


……まぁそれって厳密に言っちゃえば4種目こなすんだからワンウィークトーナメントとは違う気もするんだけど、科学の世界と魔法の世界では身体に対する物理的な損傷や、疲労などの精神的なものも含めて、回復速度が段違いに違うんだから、こんな強行スケジュールも組めるっていうものだ。


ちなみに当たり前だけどボクはシード下1回戦から。

149人中42人は1回戦分多く試合しなきゃいけないってことだから不利なのは確実なんだけど、まぁ正直ここはとりあえず1回戦を突破できれば目標達成なので、いきなり手も足も出ない人と当てられるよりはマシだと思う事にしよう。

ここは単位を貰えるか貰えないかの分岐点なのです!

簡単でいてくれるに越したことはないってものよ。




「あらレティ。今日は2度寝しなかったのね。いつもこの時間には起きてるとは言え大丈夫なの?体を休めておいた方がよいのではなくて?」

「あれシル。ここにいたの?」


「ええ。トーナメント表は当日発表なのよ。これからこのトーナメント表の隣に進行表を映し出して行くのだけれど……ちょっとレティ。足場をお願い。ここら辺に。」

「ほいほい。……こんな感じでどう?」


次元魔法を可視化させて壇上に設置すると、シルが投射用の魔道具を壁に設置していく。


トーナメント表はかなり大きい。ボクの身長で言えば2人分くらいはありそうってことは、縦幅で3mくらいはありそうってこと。シルはボクと背はそこまで変わらないんだから、こんなこと1人でやってたらそりゃ大変だよね。


魔法っていうのはやっぱり便利に使うものだと思う。

戦争云々、戦闘云々みたいな派手なものを想像しがちだし、やっぱり利便さと火力の出しやすさからそっち方面に用途が寄って行ってしまうのは仕方のないことなんだけど。

なんていうか、こういう普段便利に使える魔法っていうのがボクは一番好きなんだよね。まぁ、この世界でこんな事を口に出して言ったてら、平和ボケしてるって言われちゃうのかもしれない。それこそ凄惨な戦争をついこないだ体験してきたばっかりなのに。


「いいんじゃない?」


シルが壁に大きな進行表を貼りながら呟いた。



……え?……今のってボクに言ったの?

……いやいやいや、おかしいでしょ……?

壁に大きな紙を貼り付けてるんだからシルは向こうを向いてるんだよ??いよいよ心の声が駄々漏れなんじゃないかって心配になってくるんですけど……。


「ん~。レティって雰囲気でわかるのよね。考えてる事が外に漏れてるって言うのかしら?ほんわかした雰囲気だったから、さしずめ日常で魔法を使ってた方が楽しいんでしょ?貴女、争い事嫌いそうですものね。……よいしょ。」


魔道モニターとはいえ、それを投影させるには個別の魔水晶というわけにはいかない。各トーナメントが進むにあたって結果や経過が投影されたり、次の試合の案内なんかが映し出されるってことは外部とリンクするシステムが必要なわけだから、なにやらものものしい魔道具になっていて、さらにはモニター幅も縦3m横5mくらいの大きさを映し出すわけだから、魔道具自体の重量も相当なものがあるようで、かなり重そうだ。


「雰囲気といわれましても……。」

(わたくし)にしかわからないのだから、それでいいのよ。……レティもやっぱり初戦からね。こんな所で見てないで準備して体を休めておいた方がいいんじゃなくて?」


「準備運動でもしておこっかなぁ。」


No.114。右側中央くらいの位置にボクの名前があった。

左右にあるトーナメント形式の場合、普通に考えれば四隅は強い人がくる。さらにその次に強い人が左右ブロックのど真ん中にくるはずだから……ボクがもし初戦勝てたとしたら次に当たるのは8強にはいるような人ってことになるね……。


ま、初戦勝てればいいからいいんだけどね!


「う~ん!これ見てたらなんだか緊張してきたぁ!」

「あら、レティでも緊張することなんてあったのね。」


「ボクってどっちかって言うと普通のか弱い女の子系だと思うんだけど。」

「……こういう時に貴女が言わんとしてることもわかっちゃうのよね。なんとなくだけど。因みに訂正しておいてあげるけど、この世界では魔法の才能に恵まれ……愛されてるような子はか弱い部類に入らないから。」


「えぇ~!」

「はいはい。ここの隣の休憩室使っていいから。もうさっさと行きなさい。」


「シルってばママみたい。」

「……運営権限で失格にしてやろうかしら。」


「お、横暴だよ!!ぢゃシル!頑張ってね~~!!」






「……No.113アニエラ・リキシス。レティのクジ運も相当なものね……。」






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