結局振り出しに戻ります。
ルージュは役割が終わって、すぐに学園を発って行ってしまった。
どうやら相当忙しい最中だったようで……。そんな中嫌な顔一つせずにご協力してくれて、ほんとありがとうなんだよ……。
ま、どっちもボクがお願いしてるんだけどね!!
「んで?どうすんだよ。団体戦には出るんだろ?つか弟の方はこねぇのか?」
「あ、そうだった。アレクはいつ頃から一緒に練習できるの?」
練習っていったって、団体戦っぽいような練習一切してないんだけど。
「ああ、あいつもひと段落着きそうだからな。明日くらいにはこられんじゃねぇか?」
「うん?婚約の方はちゃんと纏まったのかな?」
「なんだ、知ってたのかよ。」
知ってたも何もその現場にいましたけどね!
「あ?あいつ振られたんだろ?もう婚約話が持ち上がってんのか?」
どうやら、こういうことにまったく興味の無さそうな先生までアレクが婚約破棄されたって話くらいは知っていた様だ。なんというか国の王子様って恥も全部筒抜けになるなら相当可哀想だよね。
「なんかよくわかんねぇけどヨリ戻したんだとよ。んで、婚約も今度はまともに進んで、いよいよあいつも家を出る準備までしてんだよ。」
「あれ?アレク王城から出ちゃうんだ?」
「ああ、あいつはもう王位継承権も放棄してるからな。結婚したら新しい姓を貰って1から出発ってやつだな。」
「あらら。寂しくなっちゃうんじゃない?」
「ならないっつったら嘘だけどな。別にあいつが結婚したからって俺たちが兄弟であることに変わりはねぇんだし。……あ~あ。折角イリーアに気を使って次の縁談も纏めてやってたってのによぉ。くたびれ損じゃねぇか。」
「え!?リンクが気を使っ……えっ!?」
そういえばアレクとイリーの間に不穏な空気が流れてた時、リンクがちょくちょくイリーと話してたりしてたんだけど、あれってイリーのためだったのね。
にしてもリンクが他人に気を使うなんて……。
「はぁ?お前、何が言いたいんだよ……。」
「いやぁ、空気読めないで有名なリンクがねぇ……。」
「国の王子が空気読めなかったら一大事だろうが。」
「えー。ねぇ?先生。」
「ああ、お前はもう諦められてたんだがな。最近ちょっと変わってきたかもな。」
「おいおい……まじかよ……。」
あ。ちょっとへこんでる。
流石に今まで結構近くにいた先生に言われるのは堪えるようだ。
っても先生は最近変わってきたなって褒めてくれてるんだけどね。
むしろ今まで気づいていなかったことにちょっと驚いちゃうんけどね?
「ん~先生。連携ってどうやればいいの?」
約丸1日くらい無駄にしちゃったんだけど、結局のところこの1日分の成果としては、『ボクがリンクの攻撃を防げるかどうかの検証』により、防げるってことになる。
確かに傾域斬(勝手に命名)はボクの次元系防御魔法を抜けてくるけど、あれはかなりのタメが必要だし、何がくるのかわかれば対策もできる。ボクとリンクは味方なわけだから追い詰められて傾域斬をボクに向かって放ってくるわけじゃないし、そもそもあんな危険なスキル武道会みたいな場で使っていいわけないし。
それを言っちゃうと、実は設置盾と次元断裂は、実は同じ魔法構造でどう考えたって次元断裂も危険この上ない魔法だけど、そこはなんというか。別に誰にバレてる訳でもないので違う魔法だと言い張ってしまえばいいのだ。
うん。もちろん使うときは気を付けないといけないけどね?
ま、ダメだといわれてもボクにはクリアの魔法そのものもあるからね。クリアの防御性能も実はかなり高い。魔力消費量や汎用性、使いやすさで設置盾を使いがちなだけなんだよね。
「……連携っつってもなぁ。むしろ一朝一夕であわせようとすると逆に危険なんだよな。それなら個々に力を発揮した方が幾分かましだぞ?」
「う~ん、でも団体戦で個人戦やったってしょうがないんでしょ?」
「ああ、勘違いすんなよ? 個々に力を発揮するのと、個別に戦うのは全くちげぇぞ。」
「え?」
「ん~例えるとだな……。戦争の初戦で魔人と戦ってた時あっただろ?あんときお前は次元魔法で足場を作って、あたしとヴィンフリーデが自由に戦う事ができたわけだ。」
「あ、うん。」
「空中に他人が足をつける次元魔法を設置できるのは、あたしが知る限りお前だけの能力だからな。あれもお前が出来る力を使ったことで、あたし達が十分な力を発揮できた連携っつってもいいだろ?そういうことだ。」
「なるほど、確かに……。」
「つっても俺は敵陣に突っ込むくらいしかできないぜ?」
「じゃ、ボクとアレクがサポートだ。」
「アレクがサポートはわかるけど、お前もサポートかよ……。」
「え?まさか、か弱い女の子に前線に出ろだなんて言わないよね?」
「か弱い……。」
「何よ。」
「……なんでもねーよ……。」
「リンクお前、今から尻に敷かれてんじゃ国の将来が心配だなおい。」
「うっせぇ。フラ姉がちゃんと躾けとかねぇからだよ。」
「ああ?こんなじゃじゃ馬、躾けるとか無茶言うなよ。」
「だよな。」
「ちょ、ちょっと!?2人でか弱い女の子捕まえて何言ってんの!?」
実際あんた達に比べたら全然か弱いんだからね!?
ちゃんと守ってよね!全く。
っていっても、結局団体戦の連携云々は振り出し。正直行き当たりばったりの連携になることは、なんとなく予想してたんだけどね。
結局のところ初日にリンクと一緒に訓練したように、連携メニューをこなすというより、同じ個人メニューをこなしてお互いの理解を高めた方が為になるってことになってしまった。
散々文句言っておいて、結局リンクのやり方が合ってったって事。
……い、意見を言うのは大事でしょ?……ね?
その翌日から、朝お迎えに来てくれるメンバーにアレクとイリーが増えた。
リンクが早朝に女子寮の前にいる犯罪性がなくなって心底安心する。
アレクとイリーは2人ともお幸せそうで。……爆発すればいいのに。
ごほん。
イリーは甲斐甲斐しくアレクの世話をしながら、ついでにボク達にも休憩中の世話をやいてくれている。ついではついでなんだけど、そこまで適当ってわけでもないので、イリーがいてくれるととてもありがたい。ありがたいんだけど……なんだろ、友達が幸せそうなのって見ていてすごい気分はよくなるんだけどね?いちゃいちゃするのは他所でやって欲しいんだよ?うん。マジ爆発しろ。
うヴぉっほん。
3人+1人で朝から汗を流し、日常の学園生活を送る。
時間に都合がついたときや、兵科の講義を受けるときも一緒にトレーニング。兵科の講義の時、リンクは単位を捨ててるようなもんなので悪いとは思うけどね。
そして1ヶ月が過ぎる頃。
ついに学祭が開催となる。
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