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にしても、どうやって作ってるんだろう?

「へくちっ。」


「……」


「くちんっ。」


「……どうしたの?また風邪でも引いたの?」


ずびびっ。


「う゛ぅ。ぐじゃみ゛がどま゛ら゛な゛い゛よ゛~。」


なんか訳も無く凹んじゃう時って無い?

どつぼに嵌ると、どんどん今までの自分を否定したくなってきて。

そんな事しなくていいのに、馬鹿みたいに落ち込んじゃったりとかね。


冷水を浴び続けてたらいつの間にか数十分が過ぎていて、気付いたらこの有様。

ほんとボクって馬鹿なのかもしれない。


「はい、レティちゃん体温調節を助けてくれるお薬、作ってきたよ。」

「う”ぅ。イ゛オ゛ネ゛ぢゃんあ゛り゛がど~。」


シルとイオネちゃんも午前の授業を終え、戻ってきて部屋によってくれたときにはこの有様だったのだ。気を利かせてくれたイオネちゃんが、わざわざ部屋に帰って薬を調合してきてくれた。


体温調節を助けてくれる薬。

流石にアホすぎて冷水を数十分浴び続けて体調を崩しましたなんて2人に説明できるわけはなかったので、きっと熱が出たりしないようにって意味なんだけろうけど……。

どんぴしゃだよイオネちゃん。ありがとう……


ちーーーん。


「治った!」

「治るわけないでしょ。」

「そ、そんなすぐには効かないよ……?」


「や、病は気からって言うでしょ!?治ったと思えば治るんだよ!」


ずびっ。


「普段の貴女って、基本お馬鹿よね。」


……知ってますぅ!!


「……あはは……。」




まだお昼を食べていなかったので、体調管理の為に栄養を取らなきゃいけないと思い、お昼を取りに外出する事にした。

土曜日でも学食は開いてるんだけど、学食って結構ボリュームとカロリーがすごくて病人向けの食事がないんだよね……。

まぁ病人とか自分で言っちゃってるのが、なんか情けないんだけど。


「久しぶりに3人で王都まで降りてみる?」


シルの提案に従って王都まで歩いていく事になった。

鼻水が出るだけで、まだ熱が出たわけでも喉が痛いわけでもないので、それくらいは何の問題もない。イオネちゃんの薬が効いてきたのだろうか。鼻水も治まってきていて、体調が回復したかのようだ。


「大衆料理店みたいな所でしたら、食べやすそうなメニューもありそうじゃないですか?」

「そうね。下町まで行って見ましょうか。レティ、体調は大丈夫?」

「うん。薬も効いて万全だよ!むしろお肉食べようよお肉!」


「貴女ね……。それなら学食でよかったじゃない……。」

「……確かにっ!」


「とりあえず栄養のある物を食べておきなさい。前みたいに熱出して寝込みたくは無いでしょ?」

「うっ……はぁい。」

「あ、そうそう。余分に色んな丸薬を作っておいたから、食後に飲んでみて? 体調がこれ以上悪くなるようなら、もうちょっと強いの作るからね。」


そういいながらイオネちゃんに沢山の丸薬を渡される。

イオネちゃんの丸薬は小さくて飲みやすいんだよ?

でも流石にこの量はなんといいますか……。

やばいといいますか……。狂気を感じます。




王都の下町というのは、外壁城門付近のことを指す。

王都の丁度東門辺りに行くと、商業区と生活区の境目があるのだけれど、大体そこら辺のことだ。そこまで気取った建物は無くなって、皆活気があって。

ボクはこういう雰囲気好きなんだよね。


ここら辺まで来ると、良いいい方をすればアンティークな。普通の言い方をすれば古めかしい飲食店も多数並んでいて、お昼が過ぎた今の時間は、丁度人が出てくる頃のようだ。

店に並ぶような列は無く、出てくる人達の方が多く見受けられる。


「どこにしましょうか?」

「美味しい所がいいな!」


「私は王都のここら辺に来るの初めてなので……。」

(わたくし)もここら辺は初めてなのよ。どこがいいのかしら。」



「君達、魔法学園の学生さんかい?」



3人でどこに入ろうか悩んでいると、丁度店から出てきた女性に話しかけられた。

少し年上くらいのお姉さんだろうか?

そばかすがあって、明るい笑顔が素敵な女性。

後、ものすごく特徴的なのが……。


「え、ええ……。この子の体調がちょっと悪くて。栄養のあるお食事をと思ってここまで来てみたのだけれど、どこに入ればいいのか迷ってて……。」


実はシルが知らない人に敬語を使わないのってすごい珍しい。

それだけこのお姉さんの親近感がすごいのだろうか?


「それならうちに来なよ!あたしがパパに言って特別栄養のある物作ってもらうからさっ!ささっ!入って入って!!うちは薬剤にはちょっと煩いんだから!」


「え、ええ……。じゃあここでいいかしら?」

「うん。もちろん!」

「はい、いいですよ!」


名前も知らない陽気なお姉さんの後ろについて、今お姉さんが出てきた店に入っていく。後姿も超可愛い!!だって……!しっぽがふりふりしてるんだものっ!!!


「うわぁ!ふわっふわ!!」

「うひゃい!?」


「こ、こらレティ!獣人の子のしっぽを触るのは失礼なのよ!?」

「え!?そ、そうなの??ご、ごめんなさい!」


「び、びっくりしたぁ……。ま、いいよ。もう慣れてるから……。触られるのには慣れてるけど、感触には慣れないんだけどね……。」


「お耳は?お耳もダメなの?」

「ダメよ。当たり前じゃない……。」


「えぇ……そうなんだ……。」

「レティちゃん、大胆……。」


うずうず。


「こら。うずうずしない。」


ええ……。そんな所まで指摘されちゃうの……。


「あはは、ほ、本当に君が病人なんだよね……?」


「ご、ごめんなさいね……。ちょっと常識に欠ける子で……。」


うぅ……。最近常識がないないって言われすぎて自信なくしてきちゃうよ……

だって獣人の子って中々見ないんだもん!仕方なくない!?

学園にもいるにはいるけど、接点ないし。


「じゃ、ちょっと待っててね。病気なんて吹っ飛んじゃう特製料理持ってきてあげるから!他の2人はどうする?病人じゃなくったっておいしいからお勧めだよ?」


「それじゃあ、同じ物にしようかしら?どんな料理なの?」

「あ、じゃあ私も同じ物で。」


「カレーっていう料理なんだよ!」


「カレー?あまり聞かない料理ね。」

「私も聞いたことないですね。」

「わぁ!カレー!?懐かしいなぁ」


おお!カレー懐かしい。

そういえばこっちに来て食べた事なかったかも。

調味料とか香辛料をめちゃくちゃ使うから、1から調理するのは難しいんだよね。

ルゥなんて便利な物あるわけないしね。


「え?君は知ってるの?もしかしてうちに来た事ある?」

「あ……。無いけど、他の所で食べた事があって。」


「ええ!?うち以外で!?どこで!?いつ!?くっそぅ!うちの料理パクリやがったな!!怒鳴り込んでやるから教えて!!」

「うえぇ!?え……っと……いつだったかなぁ、王都じゃなかった……かも?忘れちゃった!!ごめんね!」


「そっかぁ。思い出したら教えてくれる?この料理はうちの家系秘伝料理なんだ。門外不出なんだから!」


実際食べたのはこの世界でじゃないので教えようもないんだけどね……。

にしてもカレーがここにあるっていうのは賢王が広めたんだと思ってたんだけど、よく考えたらシルが知らない時点でその可能性は低いのかもしれない。


ってことは、賢王以外に転生者か転移者がいたって事だろうか?

まさか違う世界で同じ料理ができ……なくはないだろうけど……。

まぁもしかしたら出てくる料理が、ボクの知ってるカレーじゃないのかもしれない。名前が同じだけでね。


そう思いながら出てきた料理は、まさにボクの知ってるカレーだった。

ご飯タイプじゃなくて、ナンタイプ。

ふわっふわで大きなナンだけでもものすごく美味しい。


カレーはめちゃくちゃ辛かった。


「カレー食って汗から不純物をどんどん出すんだ!そうするとすぐに体調なんてよくなるんだから!」


カレーの辛さにある程度知識的な耐性のあるボクでも辛い。

シルとイオネちゃんはめちゃくちゃ苦戦している。


「からっ……いけど、おいしいわ……ね。これ。ふぅ。」


カレー食べててもお上品なシルは置いといて。

涙目のイオネちゃんが可愛い。


「わ、私辛過ぎて食べれないかも……。」

「あらら、そうかい?じゃあ甘口に変えようか?そこまで辛くないから。」


「い、いいんですか?」

「もちろん!料理は美味しく食べられなきゃね!」




まさかこんな所に来て、懐かしい料理に出会えるとは思ってもみなかった。

もしかしたら、こういう発見ってもっとあるんじゃないかな?


また、ここら辺をぶらついてみるのも面白いかもしれないかも。




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