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夢が!夢が膨らむね!

競技会っていうのは、つまるところスポーツ大会みたいなものだろうか?

一応ルールはあるし。

けどバトルもあるし、魔法もあるからスポーツと呼ぶにはちょっと無理があるかな?パンフレットにも注意書きがされているけど、Dungeonsみたいな競技はかなり危ない。下手したら死人が出てしまうんじゃないかってくらいだよね。


もちろん前世ほど安全性の求められた競技ばかりじゃないのもそうなんだろうけど、単純に魔法という奇跡はすごいんだと思う。


思い出せばこの学園に入って、最初に冒険者クエストに連れて行ってもらった時。フラ先生とアルト様がめちゃくちゃ物騒な事を言っていた気がする。


五体満足で終わればいいとかなんとか……。

余裕を持ちながらね。


でもあの先生は無茶はさせるけど無理な事は絶対やらせない。

……まぁ実際あの対戦カードは無理だったんだけど。

今はボクの防具として活躍してくれてる可愛い奴ね。


ってことは、五体不満足で終わっても治す術があったってことだ。

思い返せば穴が空いたボクの肩の傷って、アルト様の魔法ですぐ塞がった気がする。


肩に穴が空くって事自体が大怪我ではあるんだけど、あの時腕が無くなっていたとしても大丈夫だったんじゃないだろうか?怖くて実験とかできませんけど。あ、単純に聞けばいいだけか。


クエストなんかとは違い、会場も競技時間もわかっているんだから、そういった治癒魔法士の準備だって万全なんだろう。


ちなみにルールには致死性の高い魔法種の禁止もちゃんと明言されている。

つまり死ななきゃなんとかなるのか。すごいな魔法。

まぁ痛みで死んじゃう事だってあるんだし、痛いのとか絶対にごめんだけどねっ!!!




学祭パンフレットのページを捲っていく。

視線の端っこでは、フラ先生が色々と準備を始めている。

もうすぐ授業が始まる時間だろうか……。


次に紹介されていたのは……。


『WarCraft』

40人vs40人というかなり大きな規模の競技会だね。

用意されているのは、広大で何も無い草原フィールドに無数の拳大のボール。

カラーボールのように、相手に投げつけると割れる仕組みだ。


フィールドの大きさは縦2km横1km。

大きすぎるんじゃないかとも思うんだけど、これくらいはないとすぐ終わっちゃうのかもね。

なんとなくだけど、前世テレビで見た競技雪合戦に似ている気がする。

規模は人数もフィールドも段違いだけど、攻撃手段がカラーボールのみで、被弾したらアウト。相手陣地にある旗を取ったら勝ちって所も似ているよね。

King&Flagsみたいに旗を陣地まで運ぶ必要はなく、取られたら負け。

突貫して一か八か旗を狙うのもありなんだろうけど……。40人の猛攻を抜けるってのは現実的にできるんだろうか?

どう考えてもこの競技の人口を今から集めるなんてできないから、この競技の参加は今年は難しいかな。観戦は是非ともしてみたいところだ。


Craftと言う名の付くとおり、攻撃手段でなければ地形や空間に魔法を使うのはあり。ありと言うかそれが目的の一つで、自軍に有利な地形・陣形・隊形をいかに早く整え、相手を殲滅する、もしくは相手の隙を突いて旗を取るかという戦争系競技会だ。


ちなみにこういう競技のルールとして、当然旗を取れなくするような地形変動や魔法での囲い等は禁止される。もちろん取れるのであれば、迷宮を作ってその最奥に旗があるように作るのは良いらしい。つまり、つまんなくなるようなことすんなよって事だ。


ふんふん……。

なるほどぉ……。妄想が捗るねぇ……。




「おい。そろそろ始めるぞ。」


パンフレットを1ページずつ。どんな競技なのか、どんな事が起きるのか妄想しながら読み進めていると、フラ先生の声で現実に戻された。まぁさっきから暇を潰しててくれたみたいだし、そろそろ始まるとは思ってたけどね。


「じゃあこれに名前記入しておけ。」


そういって何枚かの申し込み用紙と書いてある紙を渡された。


「団体戦用の用紙も一応渡しておくか?出るなら必要だろ?」

「あ、じゃあ……一応……。」


誰を誘えるのか、今の所わからないけどね。

渡されたのは、武道会トーナメントの個人戦の……申し込み……え?


「あれ?待って先生。魔法種禁止単騎戦トーナメントの申込用紙が混ざってるよ?これ必要ないよね?」

「はぁ?何言ってんだ?それも出るに決まってんだろ。」


「はぁ!?先生こそ何言ってるの?ボク魔法がなければ、ただのか弱い女の子ですけど!?」

「はぁ?槍スキル取ったんだから、ただのか弱い女の子じゃねぇだろ。」


「ま、待って!?その程度であの先輩達とやり合ったらぼっこぼこにされちゃうんですけど!!」

「1回戦敗退は単位を認めねぇって言っただろ?魔法ありの単騎トーナメントでお前にそんな課題出すかよ。」


「……え?ちょ、ちょっと待って?どう……いう事?」

「1回戦敗退を認めねぇのは魔法種禁止単騎戦トーナメントの話だぞ?全兵種解禁単騎トーナメントの最低ラインは1次トーナメント勝ち抜けだな。」


「……1次トーナメント?」

「武道大会の方は全生徒の半数以上が参加するからな。1次トーナメントとして30人毎区切られ、そのトーナメントが例年通りなら5つか6つ開催される。多い時は8つある年もあったがな。」


30人のトーナメントが5つってことは150人も参加するって事?

この学園の在校生は約400人だから、半分に近い。

半数以上って言ってるってことは、7つ以上のトーナメントが行われるという事だろうか……。そう考えてみたらかなりすごい。


「現状の申し込み状況的には多分今年のトーナメント数は6つか7つって所だろ。」

「その1次トーナメントを抜けたらどうなるの?全員優勝?」


「んな甘い訳あるか。1次トーナメントが7つであれば、そのトーナメントを抜けてきた7人でランダムに決勝トーナメントが組まれる。7位までは全順位を決定するからな。」

「じゃあ抜けたら大変じゃん。」


「大変じゃん。じゃねぇよ。目指すんだよ。」

「えぇ……。勝ったらなんかいいことあるの?」


「魔法学園の武道トーナメントで優勝、もしくは決勝トーナメントに残るって言うのはすげぇ名誉な事だし箔が付くぞ。」

「……う~ん。名誉……」


「来年度のトーナメントでシード枠が貰える。」

「うっわ、いらな。」


「後は……あ~……賞金……が」

「うん。頑張ろうかな。」


「……」

「いくら貰えるの……?」


「……はぁ。少なくとも優勝すれば金貨30枚は下らん。」

「30枚!?金貨で!?」


「少なくともだ。3桁近く行く年もあったがな。」

「学生の大会賞金にそんな額が出るの!?」


3桁!?金貨100枚って銀貨6400枚だよ!?

ボクの金銭イメージが、幼い頃に頭の中でレート換算してしまったせいか、前世の円換算してしまう癖が未だに抜けない。

銀貨1枚1万円だよ?やっば。


「お前この学園がどういう学園か忘れてないだろうな?世界で一番魔法学の進んだ所だぞ?それくらいの金額は集まるんだよ。あたしも正直、まだ子供なお前等にその金額はどうかと思うんだがな。」

「うへへ、ここで優勝すれば一生働かなくてもよくないかなぁ……。」


「お前みたいなのが優勝するのが一番やっかいだわな。……全兵種解禁単騎トーナメントの方は出さねぇでもいいか……?」

「え!?ちょっ!それ出なきゃ意味なくない!?」


「……こないだの戦争での活躍を見たって、お前の魔法技術はこの学園でも頭3つ分くらい抜けてんだよ……。お前の場合金を渡したら田舎に引きこもりそうでいい事無さそうなんだよな……。」


お金が出来たら悠々自適にってすごいいいよね!

できれば自然の多い所で暮らしたいなぁ。


「う~ん、確かに。でもたぶん引きこもりはしないと思うよ?」

「そうかぁ?」


「うん。だってボクは冒険がしたいんだもの。」

「そうか。なら頑張れよ。」




一通り武道トーナメントの申請用紙に記入をした後、ルールブックやガイドブックに目を通した。今の所ボクが参加できるのは、この魔法種禁止武道会と、全兵種解禁武道会の個人戦2つのみ。

手元に残った用紙には、それぞれの団体戦の申込書がある。

魔法種禁止団体戦の方は、正直足を引っ張るだけだろうからあまり参加したくはないけど……。全兵種解禁の団体戦は出てみたいなぁ。


1人探せばいいんだから!


誰を誘ってみようかなぁ?




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