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いやいやいや、冗談はよしこさんですよ・・・?

「うへぇ。これは大変だねぇ……。」

「……感想はそれだけか?」


「うん……?武道トーナメントとやらに出ればいいんでしょ?」


「ああ、まぁうちの研究室の課題はそのくらいだな……。」


研究室の課題とか言われても、正直なところボクって研究室に入ってる訳じゃないんだけどね……?特殊魔法課の担当講師がフラ先生ってだけで、兵科の必要単位数を取ってこの研究室の入室試験とやらを受けたわけじゃないし。


とは言え、ボクがこの学園に来てから半年。

その成果の殆どはフラ先生の教えに拠るものであることは確か。

色々大変なこともあったけど、いち平民でしかなかったボクがたった半年で戦争に借り出されて勲章を3つも授かるなんて、どう考えたってボク一人の力じゃ無理だっただろうし。

もちろん周りの環境に恵まれたってのもあるだろうけどね。シルがボクの事を拾ってくれた事とか。


でも実力面で言えば先生のおかげでしかない。

上級冒険者になれたのだって、きっと初めから受かるだろうからって上級試験を受けさせてくれたに違いないし。それを本人に確かめたら多分間違えただの、よく受かっただのとか言ってごまかすだろうから……。確認なんかしたって意味はなさそうだしね。


そもそも冒険者ギルドで活動できたのって、先生や先生のクランの人達、そして一緒にクエストをこなしてくれた研究室の先輩達のおかげで……。それも皆、先生あっての物だ。ボクが一人で何かしようとしたって、さんざん泣いて帰ってきてはシルに慰められる始末……。


まぁその先生がやれって言うんだから、やればいいんじゃないのかな。

ボクだって今まで知らなかったにせよ、こんな面白そうなイベントがあるなら見てみたいし、参加だってしてみたいしね。

どうせなら競技会のほうにも興味があるので、そっちにも出てみたいな。

スケジュール的にそういうこともできるのかな?




「なぁ。色々妄想が捗ってるところ横槍を入れるようで申し訳ないんだがな?」

「……うん?」


「学祭の準備っつーのは、普通前期から始めてるもんなんだぞ?知らなかったってことは休み中も何もしてないんだろ?間に合うつもりでいるのか?」

「…………え?」


「まぁあたしも前期の最後には色々あってお前らのこと放置しちまったのはわりぃとは思ってるがよ。確かに結構大変な事が起こったからな。例年に比べれば他のやつ等の準備も終わってねぇとは思うが……。お前おかしいとか思わなかったのかよ?やけに忙しそうにしてる同級生見ててよ……。」

「……え?え?だって皆、戦後処理とかで忙しそうにしてたんでしょ?そんな学祭の準備?なんてしてる暇なんてあったの???」


「はぁ?そりゃ手伝いくらいしてただろうが、ここにいるのは学生だぞ?戦後処理で忙しくて2ヶ月潰れるような学生なんて、シルヴィアと王子共と……、後他に数人くらいなもんだ。子供がそこまで働かされてる訳ねぇだろ。」

「え?どういう事?!まさかもう間に合わないとかないよね?!」


「まぁ研究関係の参加は確実に間に合わんだろうな。つってもお前の研究課題である特殊魔法は突拍子もなさ過ぎて発表するまでのレベルにゃ全く至ってないわけだがな。つかよ、ここまで研究室に入り浸ってるくせに研究室の奴等見ててなんとも思わなかったのか?」

「うっ…………。ぶっ、武道トーナメントと競技会ってやつは?!」


「武道トーナメントの個人戦なら受付はこれからだから問題ないが……。団体戦はパーティ戦だぞ?連携の練習はどうするんだよ。言っておくが団体戦に出てお前が個人で無双しようもんなら、他のパーティメンバーに大迷惑だからな。絶対やるなよ。」


ああ、なるほど……。

団体戦で見られるのは個人の能力なんかじゃない。協力した成果なんだ。

……そんなもの今から間に合うわけないじゃん!?


「競技会の方はなぁ……そもそもお前、伝手はあんのか?競技会の参加は武道トーナメントの団体戦よりも人数集めねぇといけねぇんだぞ?」


「……さ、誘われたりしないかな!?人数集めとかで……。」


「あーあー。これだから戦果をちょっと上げちゃった奴はいけねぇんだよなぁ。言っとくがお前を誘うメリットは他の生徒やつらにはねぇからな。」

「え?!なんで……っ!?ボクが平民だから!?」


「いや、お前もう平民じゃねぇから。……そうじゃねぇよ。どう見たってお前を倒したほうが箔が付くだろうが。”戦争で突然頭角を現した期待のルーキー”なんて国中で噂になってる奴を、一目見ようと国中……ましてや国外からもスカウトやらお偉さん方が目を光らせて見に来てる中で、お前と組んで成果を挙げてもお前の手柄にされかねないからな。それよりもお前を倒したほうがアピールできるだろ?俺はこいつより強いだろ?ってな。」


「う、うそ……でしょ……?」

「実際お前、誰にも誘われてないんだろ?今日まで知りもしなかったくらいだからな。」


え……?嘘でしょ?……え?信じられないんですけど……。

あれ?シルは?イオネちゃんは?ボクを誘ってくれなかったの?

それとも運営側で忙しかったり、武道会や競技会に興味がないの??


じゃあリンクは?アレクは……?忙しかっただけだと思いたい……。

イリー達はきっと、競技会と武道会には参加しないだろうけど……。


そういわれてみれば、他にボクを誘ってくれそうな人って……?


「あっ!先生の研究室の先輩は!?まだ空きとか……ないの??」

「あいつらが?お前を?……入れるわけねぇだろ。一緒になったら倒せねぇだろうが。」


「……。」


くぅ。この先生の研究室に所属してる先輩は皆、戦闘狂の気がありすぎるんだよ……

そもそもボクが頭角を現したのって戦争でって言われてるんじゃないの……?


先輩達とは普段からクエストとか行ってるんだから、ある程度ボクの実力は知っててくれるはずじゃん!じゃあ前期のうちに誘っておいてくれててもいいと思わない?!




もう……。

なんだか切なくなってきた。


ボク泣くよ……?

泣いてもいいかなぁ……


はぁ……。



……


立ち上がり、怨みがましく兵科研究室との扉まで歩いていく。

ノブを握る手に力が入った。


がちゃ。



「先輩達のバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカッ!!!」



ばたんっ!!!!



「うをっ!なんだ?どうした?」

「癇癪でも起こしたか?」


「……さぁ?」




うぅっ!



ボクは……友達が少ないっ!!






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