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ラインハート家の家紋って、花だけどかっこいいんだよね。

煌びやかで豪華な馬車がマーデン村にやってきた。

余りに場違いすぎて、村の人達が総出で外にでてくるくらいには目立っているよ……。


ボクの家族5人と、シルにイオネちゃんの7人で乗り込んでもかなり余裕のある馬車で、馬2匹で引くような大型の馬車だった。


ボク達家族は村の人達の目線に、若干の恥ずかしさを感じながらも乗り込んでいく。


「うわぁ! 何これすごぉい!!」

「見ろよ椅子がふかふかだぜ!」


「こらこら! はしゃいで壊さないでね!? 弁償なんてなったらうちは……。」


ママの脅しにびたっと双子の動きが止まった。


外見以上に煌びやかな内装は、天井は高く立っても大分余裕がある。

2人がはしゃいだように、両端に備え付けられていた朱色の椅子はふかふかで、色の無い透明で綺麗な窓に、紅色の内装とワンポイント程度に煌く金色の内装が豪華でも落ち着いた雰囲気を演出してくれている。


透明で綺麗な透き通った窓というのは、それだけで超高級。

これを割ったら白金貨くらいはいっちゃうのだろうか……。


「ほら、レティ。後ろが詰まってるんだから、早く入ってくれる?」


内装に驚いて足を止めていると、後ろからシルにせっつかれてしまった。


馬車は普通に街中を走っているものよりも長めで、縦の長い側の真ん中にある扉を入ると、左右の壁に張り付くように椅子が備え付けられており、向こう側の壁一面にも同じ椅子がある。扉を入った先だけが通路となって開いていて、その通路になっている場所を除き、真ん中にはテーブルが備え付けられている。


奥の長椅子にはボクの家族が。

扉から入って右側にシルとイオネちゃん、そしてボクが3人で並んで座った。


奥の長椅子は4人で座っても倍くらいの人が座れそうなスペースがあるので、3人が片側に座ってもなんてことはない。ちょっと隙間すら空いてるくらいには大きい馬車なのだ。


「旅行用の馬車なの。途中で馬も交換しながら進むから普段より時間もかかると思うわ。」


そういいながらシルが座ると、後ろから御者の人が扉を閉めてくれる。


「それでは皆様、出発致します。揺れたり致しますのでお気をつけてくださいませ。何かございましたら、私の方へお伝えください。それではごゆるりと。」




「すごい内装よねぇ……。」

「わっ!あ、あんまし触って壊すなよ……?」

「大丈夫よ、ユフィじゃあるまいし……。」

「なぁっ!! ママァ!? なんで私なの!? ジークじゃなくて!!」

「あら……。ごめんなさい? じゃあジークも追加しておくわ。」

「ついでかよっ!!」



……


普通こんな豪華な馬車に乗せられたら、パパみたいにがっちがちになるのが当たり前だと思ったんだけど……。

自分で言うのもなんだけど、この娘にしてあの親ありか。

ボクはまぁ……、どちらかというとママ似かな。

ユフィは丁度半分くらいで、ジークはパパ似。

性格はね。


ボクは外見もかなりママ似だけど、ユフィとジークはどちらかというとパパ似だと思う。

ユフィの毛色は、茶色なんだけど薄すぎてちょっとピンクっぽく見えるし、ジークはパパと全く同じで濃い目の茶色。

ママはちょっと垂れ目っぽい感じだけど、双子の2人に垂れ目っぽい感じは一切ないし。

どちらかというと、ボクの方が垂れ目っぽい。

ママ程じゃないから、そこまでそうは見えないけどね。


普通、男女の双子の場合ここまで似るって事はないらしいんだけど……。

染色体異常で、似ている男女の双子もいないわけではないらしい。

その場合、異常が見られるのは女の子の方で、発育に障害が出る事がよくあるんだそうだ。


身長が伸びなかったり、ユフィが気にしている部分が大きくならなかったり……ね。


確かに、ユフィは同年代の子と比べても身長は低め。

ジークも小さい事には小さいけれど、男の子はこれから伸びるだろうから、それほど気にする事ではないだろうしね。


「これ、好きに食べていいわよ?」


シルがそういいながら、机の上にあった箱の蓋を開けると、お菓子がつめられていた。

豪華な箱で、一目見ただけでも高級品なのが伺える。


「うわぁ。これ、いくらくらいするの?」

「え? 知らないわ。(わたくし)あんまりお菓子って食べないじゃない? これも頂き物だもの。頂き物のお値段は見ないのが礼儀よ?」


「そ、そうなんだ……。」

(ウチ)でも見た事ないくらいのものだとは思うよ……」


と言うのはイオネちゃん。

ってことは、男爵家でも見る事のないような高級品ということか……。


ってことは……食べておかなきゃいつ食べられるかわからないよね!!


そう思ったのか、弟と妹の手もボクと一緒に向こう側から伸びてきた。

流石兄弟。考える事は一緒ね!!


「ふふふ。沢山あるのだから、そんなに慌てる必要もないわよ。」


「お、おいしい!」


かりっとした焼き菓子の香ばしさと、程よい甘みが口の中いっぱいに広がっていく。

食べる毎に変わる味が、飽きを感じさせてくれそうにも無い。


「こ、こんなの止まらないよ!?」


「レティ、貴女お姉ちゃんなんだから……。もうちょっと慎みを持ちなさい……。」

「……お姉ちゃんには負けちゃいけない時があるんだよっ!!」


「確実に今じゃないわね。」

「……」


「ぷぷっ。」


「ほら、イオネちゃんも笑ってないで食べてご覧って!! おいしいから!」

「はいはい。じゃあ頂くね。……あ、ほんとだ!おいしいね!」


「でしょ!?」


「姉ちゃん!箱毎持ってくなよ!!」

「お姉ちゃんずるい!!」

「箱は他にもあるでしょ!!」


「こらこら……喧嘩しちゃだめじゃない……。」

「お前等なぁ……。ああっ、貴族様の前で粗相だけはほんと……やめてくれよ……。」




ジークも大人になったらパパみたいに苦労性になるのね。


頑張れ、ジーク。




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