弱点だらけの体だけど、結構気に入ってはいるんだよ?
「うぅ~~~~~。ううう~~~~……あ゙たまいったぁい……っ体中もいたぁぃ……。ひりひりするーー! う~~布団と服が邪魔っ! あぅ~っ」
「自己治癒魔法も神聖魔法に慣れていないと内部快癒は難しいのよねぇ……。」
「ほら見ろ姉ちゃん。毎年毎年こりねぇなぁ。」
違うし! 今年はちゃんと考えてたのに!!
なんかルールの事とか色々聞かれて長時間外に出てたあれが原因だもん!!
「うぅ~~……。」
「今日はお姉ちゃん私達の宿題、見れそうにもないね……。」
「しょうがねえよ……。」
「あら?なら私が見てあげましょうか?」
「「え?いいの?」」
「ええ、貴方たち子学校には行ってないんでしょう? それなら授業についていくのでやっとなんじゃない?」
「……は、はい……。恥ずかしながら……。」
あ、そうか……。
ボクは前世の知識のおかげでいきなり魔法学園に入学できたけど……。
弟と妹はそうはいかない。
少しずつ一緒に暮らしてきた間に勉強は教えてあげてはいたけど、とはいえ義務教育のようにちゃんと教えていたわけじゃないし、2人だってまさか自分達が学校に行くなんて思っていなかっただろうし、ボクだってそう。
正直ボクが魔法学園に入学が決まった段階からは、ボク自身が前世の知識では対応できないような教科……。例えば社会とか歴史みたいなね?……の勉強をしなくちゃいけなかったから、あんまり2人の勉強を見てあげたりはできていなかったんだよね……。
だから、ちゃんとした教育課程なんて踏んで教えてなんていないし……。
そりゃ大変だよね……。
ご、ごめんね。お姉ちゃんそこまで気付いてあげられなくて……。
うぅ……。
でも今はつらいから、シルに教えてもらって……ね……。
……すやぁ。
……
……
……
「レティ。起きなさい。」
「……。」
「レティ。」
「無理だよシル姉ちゃん。姉ちゃんはいつもの時間以外で寝込むと起こしても起きないんだ……。」
「…………レティ? 貴女いつからアレクとリンクを呼び捨てにするようになったの?」
「ふぇっ!?」
「「あ、起きた。」」
「特にリンクとは今まで少し間を置いてたのに、随分仲がよくなったじゃない。」
「ふええぇぇ!?」
ちょ、ちょっとシル!?目覚めて突然何を言い始めてるの!?
「レティは朝はちゃんと起きるもの。起きられないんじゃなくて起きないのよ。」
「お姉ちゃんまさか……。」
「狸寝入りだったのかよ……。」
「ちち、違うよ!?体内時計はちゃんと管理してるから朝は起きれるけど、そうじゃない時間に寝ると起……ね!?なんか起きない事があるみたいで!?」
「へぇ。そう……。まぁ貴女の場合眠りはそこまで深くないのだから、起きられないわけが無いでしょ?」
確かにそのはずなんだけど、なんでだろう?今まで弟達が起こしてくれてたらしい時は全然起きられなかったって2人に言われたことは、それなりにあるんだけど……
「どう? 体調は。よくなった?」
「……あれ? ……あれれ? 全然痛くない……。治ってる……?」
いつも日焼けの時は何日か苦しいのに……?
「それはよかった。おはよ、レティちゃん。」
「イオネちゃん! いつきたの?」
「さっきだよ?そしたらレティちゃん、具合が悪くて寝てるって言う話だから……。」
「イオネちゃんが治してくれたの?」
「うん。」
「ありがとう!」
「えへへ、どういたしまして!」
「ふぁぁ~っ……んん~~~!!」
寝てる間に治癒を受けるってすごい気持ちいいのかも。
寝覚めもすっきりしてるし、疲れも抜けたみたいで清清しい。
「貴女も用意しなさい? イオネもきたんだから、馬車が着いたら出発するわよ。」
「あっ、わかった。2人はもう準備できてるの? パパとママは?」
「ああ、うん。イオネさんが来てから、シル姉ちゃんが皆に用意するように言ってたから。」
「楽しみだね! レティちゃん!」
よく見たら、皆もう出かける準備ができているようで。
ここからだと王都に行くのに比べてラインハート領に行くまでは倍以上の時間がかかる為、数日間の宿泊と行きと帰りの馬車の移動時間を含めて、それぞれの荷物は結構大きな荷物になっていた。
シルとイオネちゃんは自分の、ママはお土産のお洋服の内の一枚で、ユフィとジークもどこで手に入れたのか王都ファッションを着ている。
まぁどこで手に入れたのかは大体想像できるけどね。新品で着慣れていないようだし、あの服はものすごい高いので冒険者ギルドに登録して、ある程度収入のあるボクとは違って自分で買えるわけがないしね。
……そうなると可哀想なのはパパだ。
着飾ってる他のメンバーに、一人ぽつんと農民服……。
「いいさいいさ、俺なんて……。」
「パパ、元気だして? パパにはボクから仕送りがあるんだよ?」
「娘に仕送りしてもらうのもなぁ……。」
……珍しい事じゃないと思うけど……。
「はい! とにかくこれ。ね?」
「あ、ああ……。」
小さな袋を強引に渡す。
ボクは学生だし、大した金額だとは思っていないのだろう。
パパはそのままポケットにしまいこんだ。
「温泉旅行楽しみだね、パパ! 背中とか、流してあげようか?」
「だ、男女一緒なのか!?」
「ううん、基本は別なんだって。でも家族風呂っていう一緒に入れるところもあるんだよ? ……あっ、残念だったね? シルとは一緒に入れないから。」
「ばばっ馬鹿かお前!! そんな事したら即首を刎ねられるだろうがっ!!」
「その通り! 犯罪はだめだよ? シルのあられもない姿を見られるのは、家の人以外ではボクだけなんだからっ!」
「違うっ! リルにだよっ!!」
「ああ、ママにね……。ご愁傷様です。」
「だから入らないって!」
「ざ~んねん! 折角娘が親孝行してあげようと思ったのに。」
「……馬鹿。親を旅行に連れてってくれる事が何より親孝行じゃないか。畑仕事の事まで面倒みてもらって、仕送りまで……。ありがとうな。」
と、突然素に戻られるとこっちが恥ずかしくなってしまう。
「えっ!? あ、あ……うん……。ど、どういたしまして……?」
ぽんぽんを頭を撫でられた。
今までは頭に魔宝珠と言う名の髪飾りをつけていなかったから撫でやすかったんだろうけど、今は後頭部の中心という撫でるにはとても邪魔な所についているせいで、とても撫でにくそうだったけど。
「えへへ。」
「大きくなったなぁ……。お前は女の子なんだから、危ない事はあまりしちゃだめだぞ。」
「うん、気をつけるよ。」
自分から危ない事に首なんて突っ込んでないけどね!!
とある脳筋ドS講師がスパルタすぎるだけなんだけどね!!!
「ちょっと!!!」
パパに甘えすぎたのか、ママが怒鳴り込んできた。
そそそっとパパと離れる。
「あなたっ!! 私のレティを返して頂戴!!」
パパを返してと言われるのかと思ったら、ボクがぐいっと引っ張られてしまった。
ええ……。
またパパが悲しい顔をしているよ……。
か、可哀想に……。
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