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新しいダンジョンって、どうやってできるんだろ?

「もちろん、君一人でってわけじゃない。うちでお抱えの冒険者クランがあるんだ。そこと一緒に行ってくれないかな?」


なるほど。退屈もしていたし、それは是非行ってみたい。


行ってみたいけど……。

お抱えの冒険者クランがあるなら、何故ボクを誘うんだろう?


「い、行ってみたい……ですけど、なんでボクを?」


ボクはフルスト領の冒険者ギルドになんて顔を出した事すらない。

つまり知っている人など1人もいないのだ。


クランに依頼を出すのであれば、クランメンバー内で完結するのが普通。

もっと大事になるのであれば、クランとクランが協力すればいいのであって、態々クランにボクが1人入っていく状況とか、連携の取り方もわからないし邪魔でしかないんじゃないかなぁって思うんだけど……。


「……帰ってこないからさ。」

「え?」


「うちが抱え込んでるクランはね、トップクランに比べれば劣るかもしれないけど、中堅が大勢集まっているいいクランなんだ。それに対して若いダンジョンっていうのは、まだそこまで成長していないから、モンスターの質も低いはずなんだよ。罠やダンジョン構造は完全に新規だから気をつけないといけないんだけどね。」

「そ、そうなんですか……。」


罠と言われてちょっと引いてしまう。

罠の感知スキルとか持ってないし。


《わたしめが問題なく。》


あ、ルージュが持ってるなら問題ないか。


「そういう事情もあってね、クランの引率が2人とこれからのルーキーが16人。かなりの大部隊で調査をしていたんだけどね。もう4日……戻ってこないんだよ。」


4日というのは長いのだろうか?

奥の深いダンジョンであれば、それくらい戻ってこれないのは当たり前だと思うけど。


「4日?」

「ああ、そう。4日なんだ。本来調査は2日以内に戻ってくる予定だったからね。」


あ、なるほど。もう2日も過ぎているってことなのね。


「もし何かあったのなら、すぐに助けに行かなくてはならない。だけど行方不明になっている引率の2人って言うのが問題でね。」


まぁ……そうなるよね。

ルーキーつれてダンジョン行くクランの上位陣と言ったらクランリーダーか、それに近いランクの人である可能性が高いんだから。


「クランの中じゃ、魔法が使えるのはその2人だけなんだ。」


その2人が帰ってこれないレベルのダンジョンかぁ……。

ボクが行っても大丈夫なのかなぁ?

いつもは、なんだかんだフラ先生や先輩達がついて来てくれていたので安心だったけど。

フラ先生なんてトップクランの中でも更にトップの人なんだし。


今までは恵まれた環境の中、ボクは育てられていた立場だった。

確かに一度、新米冒険者さんとパーティを組んだけど、あれはフィールドワークでダンジョンではない。ダンジョンとフィールドは根本から危険度が違うのだから……




「……やっぱり、俺がどうかしていたかもしれないな。まだこんな小さな女の子に、そんな危険な事を依頼するなんて。……すまない。忘れてくれ。」


どうしようかと迷っていると、ご子息さんにそう頭を下げられてしまった。

行きたくないわけじゃない。

でも不安がないわけでもない。


《どうぞ。御心のままに。》


心を先に読まれてしまった。

ま、ルージュ達をあてにさせてもらえばいっか。


「あ、いえ! ボク行きます!」


くるっと回って帰って行きそうになる領主の2人を慌てて呼び止める。

執事さんだけはボクの方を向いたまま、にっこりとしてくれていた。


「だ、だけど……。」

「その代わり両親には内緒で。後、報酬もいっぱいお願いしますね?」


「ははは、先の戦争で相当稼いだはずの君に、沢山の報酬とは中々にハードルが高いね。」


いえ、まだその戦争は収拾がついてないので功績とかの報酬とか、そういうのはまだ貰っておりませんが……。あれぇ?皆もう貰ってるの……?もしかして、どっかに貰いに行かなきゃ行けない……とか?


「ちなみに、今回の依頼は準備金に銀貨50枚。成功報酬が銀貨74枚。合計金貨2枚を予定していたが……。なぁ親父。」

「うむ。そうだな……それではこういうのはどうかな?……依頼報酬にプラスして君のご実家の徴税を、今後10年間免除する……。」


「!」


おお!金貨なんかよりも直接親が楽になってうれしいかも。プレゼントは贈れるけど、大金を娘のボクが親に渡すのって……。ちょっと抵抗があったし。


「……でも、それってご近所さんと確執とかできたりしちゃわない?」

「ほほほ。ならこれでどうだ?マーデン村の徴税すべてを50%免除する。」


「乗った。」

「ほほう。君は魔法が使えるだけでなく、頭も随分回るようだね。」


マーデン村の徴税を免除する際、期限を設けなかったのは聞き間違いじゃないよね?


まぁ、いざ期限があったとしても……。


親が楽になる以上に、今後マーデン村は多大な発展を迎える事になるだろう。

それがいいことなのか、悪い方向に向かってしまうのかは村や領主様の手腕にかかっている。


でも、その手腕はあるはずなのだから……。


ま、長閑な田舎でもボクは好きだからよかったんだけど。

できれば、そういうところはちょっと、残しておいて欲しいなぁ。




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