この瞬間。最大の戦果を出す為には?
ごめんなさい。今週忙しくて改稿前投稿になります。
ちょっと土曜日曜で見直して修正入るかもしれません。
メートル表記をmに直してみました。
どちらの方が読みやすいかな?しばらくcm.m.km表記にしてみます。
「ええ、実はわたし共は悪魔と申しましてもそれは種族としての名前。根源を辿れば精霊種と同義ということになります。」
「うん。」
それはなんとなく教えてもらったから知ってるよ?
「それでは精霊と人間の違いは何かご存知でしょうか?」
「え?」
「そ、そうね。何かしら? 精霊は肉体がないわよね?」
「そうですね。正解です。人種を例に挙げるとすれば、人種は肉体、エーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体の5種のエネルギーを持ち、さらにその外側にあるマギカというエネルギー体を幼少時より活性化させていると魔法が扱えます。」
突然ルージュの講義が始まった。
と、いうのも。シルがその粉塵爆発の効果や規模を知りたいとなったところで、ルージュが持っている科学の知識がどのようなものなのか。それをすり合わせる為の話だ。
もちろんボクは科学者だったわけでも、ましてちゃんと前世の世界で授業を受けたことすらない。通信教育で高校卒業認定は貰ったけどね。
そんなボクが、そんな詳しい所まで知っているはずもないんだけど。
でも科学を知らない魔法の世界で、科学の知識を得た経緯には多少なりとも興味はあるよね。
実は今、準備中ではあるけどそこまで時間がないと言う状況ではない。
実際モンスターの群れは絶賛城壁前に待機中だけど、崖の上に城壁が立っている状況からして、すべてのモンスターが簡単に乗り越えられるわけではないからだ。
正直今の状況で梯子みたいなものでも持ってこられたら一気に突入されるんだろうけど……。そこまで知恵の回るモンスターはいないらしい。統率が切れたモンスター群は、自分の欲望のままに、それぞれが自分で城壁を乗り越えようとしていた。
それにしても……。エーテル体やアストラル体っていうのは、霊体や精神体みたいなものでよく使われるね。本当にあるんだ。
「え、えーてる? あすとらる……? どこかの神教にそんなようなのがあった気はするけれど……。私、勉強不足で……ごめんなさい。」
「いえ、知らなくても全く困りませんので。”肉体”以外のものは、精神体や霊体と呼ばれるエネルギーですね。今は特に必要ないので説明は省きますが、精霊にはそのうち、肉体とアストラル体がありません。」
「受肉するって言うくらいだしね。」
「左様です。わたしを召喚していただく際、魂と肉を集めていただいたのは、魂はアストラル体に、物理的な肉片が肉体に。変換しやすいからにございます。」
「ふんふん。」
「な、なんか難しい話になってきたわね……。」
「すみません。そんな大した話ではないのです。つまりですね、肉体を持たない精霊は、この世界を観測することができないのです。肉体の機能である目を持たないのですから。」
そういわれてみれば確かに。
目に光が入る事で人は景色を見る事ができるんだよね?
そう考えると、光を透過してしまう霊体に世界が観測できるっていうのはおかしな話だ。
「そ、そう……ね。」
科学の知識が全くないシルにとって、いきなり科学の授業をしたってそれは酷というものだろう。論点は、何故ルージュが科学の知識を持ち得たのか?なのだから。
まぁ、ルージュは数千年を生きているわけだから、魔法が無い世界で科学は発展するもので、魔法が無い世界にはマナがないから精霊は行けないのだとしても、全く科学が発展しないわけじゃない。少し位知ってたって不思議でもなんでもないんだけど。
突然詳細を説明しだしたって事は、何か伝えたい事があるのだろう。
今の状況は、城壁部分にボクの設置盾がまだ効力を持っており、これはまだ破られていない。
その為、モンスター群からの遠距離攻撃は続いているが、城壁上部にて対応していた兵士が全員後退したものだから、基本はモンスター側のやりたい放題だ。
しかし。
城壁内側にてシルの姫騎士隊である、あの筋肉質な女性が一人で航空戦力を落としており、今だ城壁が落ちる気配はなかった。
……そういえばあの人の名前、まだ聞いてないや。
既にヴィンフリーデさんやティオナさんも全快とまではいかずとも復調しており、他のここにいる姫騎士隊総出で、粉塵爆発を起こすための準備に取り掛かってもらっている。
粉塵爆発という物の効果や恐ろしさをシルは知らない。
知らないのでは、指揮の執りようもないのだ。
「つまり?」
「思わず長い説明となってしまいました。すみません……。精霊には精霊にしか見えない情報があるのです。つまり、魔法で起きた結果と、そうでない現実世界の”何か”が起因して起きた結果。それがわたし共精霊には区別がつくのです。」
ああ、だから粉塵爆発が魔法で起きたものでない事を知ってたって事ね。
「そ、それにしては随分長い説明だったね……。」
時間は確かにあるし、準備中なのだから別にそこまで急ぎはしないけど……。
今必要ではない話を、わざわざこの状況でする必要があるのかな?
「申し訳ございません。ついでに。と思いまして。」
「ついで?」
「つまり精霊種であるわたしにはモンスターに干渉していたマギカの力。つまり魔力の供給が断たれているのが見えるのです。」
「あ! なるほど。粉塵爆発の知識をどうやって知ったかっていうのと同時に、今本当にモンスターの統率が切れているのかを理論的に説明したかったってことでいいのかな?」
「流石主様。左様にございます。」
「それが確定しているなら話は簡単ね。モンスターの統制が取れていない状況で、もし1箇所の城壁が崩れでもしたら?」
「モンスターの群れは何の作戦もなくこの砦の中に流れ込むでしょうな。」
「袋小路とは知らずにね?」
……。
なんでそのタイミングで2人してこちらを見るのかな?
「レティの魔力はある程度回復してるでしょ?」
「まぁ……。今の説明聞いてる間だけでも大分時間はあったしね?」
「じゃあ、今の魔力で出口を塞げるとしたらどのくらいの範囲を塞げる?」
袋小路ね。
統制も何も取れていないモンスターをここに引き込んで、一気に殲滅。
山脈防衛戦のときにも思ったけど、シルの立てる作戦ってかなり大胆。
でも防衛線の時は1週間用意しただけなのに、かなり緻密に計算されていたと思う。山から流した水の氾濫箇所が殆どどんぴしゃで計算どおりだったし。
1つの行動で、いくつもの結果を出して。
さらにその結果を繋げて結果を作っていく。
それが戦略。
そして、その戦略を成す為に必要な力。
それが戦術。
シルの姫騎士隊もそうだけれど。
まぁよく出来た構成だよね。
シルを中心に、色んな戦術を持った騎士が周りにいるんだから。
よし!ボクも頑張ろう。
「高さが2メートルくらいでよければ全部塞いで見せるよ。」
これが戦術兵として、ボクの今持っている力なのだから。
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