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単純すぎるとか言わないでね??

今……わかっていること。


それは契約が成立してしまったってこと!

理解なんか何っっっにも! できてないけどねっ!


いやね? そうならそうとさ!

契約の時にそうって言ってくれてもよくない!?

自分の心臓まで調理してくれてさぁ……。




……う~~ん……まぁ~……言わないよなぁ。


いやさ、ボクだって例えばね?

もし自分のいる世界が何にもないような世界で。

ずっとただひたすら待つしかない時間の中で。

……誰かがこの世界に召還してくれたんだとしたら?


それで、肉体を与えてくれて

「この世界にいてもいいんだよ」

なぁんて言ってくれたら?


いやぁ~……ボクだって自分の心臓とかおいしく調理しちゃいながら歓喜に震えながら差し出すわぁ~……。そんな時にわざわざ契約の話なんか出す?

出さないよねぇ~……。


ボクだったら契約はしないよ。なんて言われるの怖くてできないもん。




そ、そうだ!

いつもみたいにシルに相談……


なんてできないよなぁ……。


ただでさえ最も信頼しているであろう姫騎士隊の隊長格2人が重体で倒れていて、怪我はどうにか治せるとしても体力が完全にマイナスでダウンしている中で、追い討ちをかけるようにご両親の生存すらわからないようなこんな状況で??


こんな問題をさらにシルに持っていくの??


ダメでしょ。


確かにシルは公爵様でボクは平民だから、階級としては頼る側なのはそうなんだけど、ボクはシルと友達なのよ。友達でいたいのよ。平民であるボク側からシルに対して友達でいたいだなんて言うのは烏滸がましいのかもしれないけど。でも爵位なんか関係なく友達として考えたら、その友達が辛い時にこんな問題まで背負わせるなんてことできないよ。


きっと相談したら乗ってくれるだろうし、もしかしたら答えだって知ってるかもしれないよ? でも、その後でボクはきっと、2度とシルとは対等な友達だとは思えなくなっちゃうから。




……よし、わかった!


思考放棄かもしれないけど、とりあえず契約は済んでしまったんだし、今の所危険な感じでもない。むしろすごい色んなことができるし、数千年の知識だってあるだろうし。


一旦このまま隠し通そう!

今のこのままなら、普通の女性に見え……なくもない……いや無理があるけど、なんか怖い悪魔として召喚された時の容姿はその場にいた人達なら知ってるだろうし、これだけ違えば流石にバレないっしょ!

今抱えている問題がすべて落ち着いたらシルや周りの人には話さないといけないだろうけどね。


自分でできる事は自分でしよう。


そう! ちゃんと話しをしよう。

少しずつでもちゃんと話しをして、この悪魔の人と理解しあう。

それが一番いい道じゃないだろうか。


で、もしも不都合があるなら帰って貰うしかない。

可哀想だけど、そこはしょうがないよね。

それができるのかどうなのかは、わからないけどね。


悪魔の人……名前……名前かぁ……。


人の名前なんて考えた事もないし、ペットだって飼ったこともないのにいきなり名前を付けろといわれてもなぁ……。


赤い……赤……紅……。


「ル……ルージュ……なんて……どうかな?」

「おお! なんと素晴らしいお名前でしょうか!!」


おおう?!

待っていたかのような反応速度で訂正する暇すら与えられなかったよ……。


「こんなに真剣に考えていただけるなんて……。至極光栄にございます。その名胸に刻み、生涯大事に致します」

「あはは……」


喜んでもらえてるようだからいっか……。


とにかく話の第一歩を踏み出さなくては。

すんごい期待されているようだけど、ボクなんて単なる平民の女の子なんだよ?

そんなに期待されちゃって、後でがっかりされるのは流石に嫌だよ。

それで仕えたくない! 帰る! ってなってもいいんだから、とりあえずそこのところは理解しておいてもらわないと困るね?


「あのね、ルージュ」

「はい! なんでございましょう」


年上の女性にめちゃめちゃきらきらした目で見られるってなんかすっごい背中がかゆいんですけど!! なんか騙したみたいで言い表せない罪悪感がハンパないんだよっ!?


「ボ、ボクはね? 単なる15歳の女の子なんだよ? それにこの世界じゃ一番位の低い平民だよ? そんなボクに仕えてもいいの? ルージュは神様みたいな存在の人なんでしょ?」

「おおお!! なるほど、流石は主様!! わたしも長い時間を過ごす中でよくやりましたなぁ……。懐かしくすらあります……」


は? 何が?


「ちょうど受肉量も本調子までとは至りませんでしたし、わたしも肉体を主様と同じ次元へ落とし込みましょう。性能のリセットは長生きの基本でございますれば」

「ええ?! そんなことできるの!?」


「もちろんですとも! ただ、今回は記憶まで消してしまうのはやめておきましょう。肉体や精神体の強さのみに止めておけば、知識は蓄えられたままですから。お役には立てるかと思います」


ま、まぁ……これならいきなり世界を滅ぼしちゃうぞ! なんてことにならなくていいのかな……? 自分で弱体化を解除できちゃうんじゃ、制限の意味がないしね?


「それに、こうして肉体強度を極端に落としておけば主様から貰い受けております魔力供給も少なくすみますし……。ただ、余った肉体は……そうですね。後々有効活用しておきましょうか」


え? 魔力供給??

ボクから魔力が供給されてたの……?


あ!! 魔力回復量が55まで戻ってる!!

……それでも大分減ってるけど。


魔力回復量が少なかったのは料理の後遺症なんかじゃなくて、お前のせいかよっ!!


あれ? ……え?


「魔力量が……えええ?」

「あ、はい。契約が成立すると、わたしの魔力量はすべて主様の権限でお使いできますので。主様の魔力量は跳ね上がったのではないでしょうか?」


「す、すごっ26128!? 10倍近くになってるよ!?」


今ルージュって精神体も弱くしたって言ってたよね?

じゃあ数秒前まではもっとあったってことなのかな……?

どんだけすごいのよ。


「おお、それは主様の元々が多かったおかげでしょう。そもそも、わたしをこの世界に繋ぎとめるほどの魔力量など、普通の人類が保有する魔力量では無理なのです。ですので、わたしと契約が成立する時点で主様は普通の女の子? とやらの枠組みには嵌らないのですよ?」


ぐっ……

グリエンタールのせいと言うか……お陰というのか……。

グリエンタールの魔力増幅スキルのお陰で魔法陣の奪取ができたのだし、魔力増幅のお陰で契約が成立してしまったのか……。


グリエンタールめ……ぐりえんた……


え?


何? この固有スキル……。


なんか新しい固有スキルが追加されているんですけど。

ルージュと契約したせいかな?

まぁそうだよね。それしかないしね。



固有技能”白亜輪廻物語”



ん?……んん??


この名前知ってる……。



ボクが前世でやっていた……



恋愛シミュレーションゲームの一つだ……。





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[一言] お前いっつも恋愛シミュレーションゲームやってんな()
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