ちょ、ちょっと待って!?理解がおいつかないよ・・・?
「お待たせいたしました。」
「ふぁっ!?」
突然耳元で響くような男性の声が囁かれた。
めっちゃびびる。
「も、申し訳ございません。主様……。」
「ふぇっ!? ……あっ悪魔の人……!」
シル達がこちらの砦に合流して、混乱していた現場が一気に落ち着いてきた。
戦況が好転したわけでは決してないけど、ティオナさんとヴィンフリーデさんの奮闘のお陰で今すぐにここが陥落という事態は避けられたと思う。
完全に閉じてしまった城門にも設置盾で強化を施すと、地上戦力は一旦せき止められた。
魔力が殆ど回復しない現在、城壁面に沿って強化を施すのが精一杯で、空を飛んでくるモンスターからは未だに攻撃を受けているし、城壁の上を越えてくる遠距離攻撃も防げるわけでもない。
モンスターの戦力を減らせているわけではないので、このまま時間が経てば城壁面で潰れていくモンスターの肉塊がそのうち足場になって破られてしまうだろう。
そうなるくらいの数が砦の屋上から見る限りの景色を埋め尽くしていた。
白け始めてきた空には大小無数のモンスター群。
今はその対応に完全集中している。
魔法を使える者が交代で対空射撃を行い、残弾数が目に見えて少なくなってきた魔道兵器が支援射撃を行っている。
どうしても数で押され討てないモンスター群は地上戦で。唯一の救いは危険種に飛べる種類が少ないことだろうか。
ボクは砦の屋上でそんな戦況を眺めている所だった。
あ、え? サボってるわけじゃないよ!?
ちゃんとシルに言われてここにいるんだからね?
「魔力が回復しないのなら、レティの出番はここではないのよ。まずは保持できる量まで魔力を温存なさい。その間何もしないのももったいないから、戦況を見ていて頂戴。もし戦況が変わったらすぐに私の所へ来て。転移に魔力は消費しないんでしょ?」
って。
砦の最上階で見張り中だよ。
たまにこっちに向かってくる飛行モンスターなんかも、折角生成した槍で相手して魔力は温存しているところ。つまり一人……でした! さっきまではね!!
「驚かせてしまったようで……申し訳ありません。」
「あ、いえ……大丈夫です……。」
だ、誰も周りに人がいないのに、怖くて大きくて厳ついおじさんと2人……。
まぁ人間じゃないんだけど……。
「こちら、冷めないうちにどうぞ。」
そう言って悪魔の人に差し出されたのは、綺麗なお皿に盛り付けられたお肉だった。
調理されており、野菜が色とりどりに添えられていて、かかっているソースがなんとも言えない食欲をそそる香りを際立たせている。
ぎゅぅ。。
そういえば今日、ウルさんに料理を作って貰ったのにお腹に何にも残ってないや。
緊張や戦闘でものすごいカロリーを消費したらしい。
思わずお腹が鳴ってしまいました。
顔が火照ったのがわかります……
「あ、ありがとう……。」
確か、この戦争が始まる前にシルは1日1食の支給はあるんだって言ってたよね。
今日食べたウルさんの料理はボクの持込だから違うよね?
ってことは、これが支給食なのかな?
支給食にしてはものすごい高級そうだ。量は少ないけど。
まだ暖かいのだろう。湯気がでているし、料理として綺麗に盛り付けられていて、支給用に大量生産した食事とは全く思えない。
王家のパーティ会場にでもありそうな料理だよ。
ラインハート家ってすごいんだなぁと改めて思うんだよ。
でも、何で悪魔の人がお料理を持ってきてくれたのかな?
報告ついでに誰かに頼まれたのだろうか。
もぎゅもぎゅ。
……うっ……うまっ! 何これ! お肉に筋が全くないし、油が全然ない!!
ぎゅむっていう噛み応えの後、ぶちんっと切れて喉を通っていく。
ソースは酸味が少しあって、お肉にめっちゃ合うし。
……あ。……あぁ……。無くなっちゃったよ……。
ちょっと少なすぎだよ……。
こんな量じゃ戦場の兵士のカロリー補えるわけがない。
っていうか、こういうところって、本来お肉より主食の方が必要なんじゃないのかな?
美味しいから許すけど!!
「もうあっちは片付いたの?」
「ええ、すべて片付いておりますよ。」
「そ、そっかぁ……。」
じゃ、じゃぁお帰りくださいとは怖くて言えないけど、その言葉を待っているんだよ?
「……。」
「……。」
あれぇ。ここには報告にきたんですよね?
あ、料理の感想?
でも作ってくれた人でもないのに必要なのかな?
まぁいいか。
「すごいおいしかったよ! ありがとう。」
「それはそれは! 至極光栄にございますれば!!」
え? 何でそんなに嬉しそうなの?
も、もしかして悪魔の人が作ってくれたの!?
なに……? え? ……なになに?
もしかして今のって食べたら何かさせられる奴!?
「う、うん……。」
「して、いかがいたしましょうか?」
え? いかがって?? 帰ってくれるんじゃないの???
何?! 何をすればいいの!?
「え? ……えっと……?」
そんな執事みたいな畏まったポーズをとってないで?
ボクの困った顔に気づいてよ……。お願いだよ……。
「はい。私の命を食べて頂いた事により最終契約が済みましたので、これよりわたくしめは貴女様に仕えさせて頂きますこと、心より感謝申し上げます。」
……はい?
「い、命?」
「はい、先ほど私の心臓を。」
心臓!? 心臓って何!? なんのこと……!?
え?……う、嘘?
嘘でしょ……?
も、もしかしてさっきお皿に盛り付けられてたお肉って……????
……ええ?
どういう……こと……?
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