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知ってる顔に一瞬ほっとした自分を呪いたいっっ!!!

「あら! なんですかこれ? ずいぶん便利なものがあるじゃない。」


あ、さっき聞こえた声の人だ。

でもさっきの大声とは雰囲気が全然違う……。

同じ人……だよね?


殲滅を一通り終えたティオナさんが、ボク達に合流したのだ。


黒い姫騎士隊の鎧。

シルと同じ黒い瞳に漆黒の長髪。


「おお、ティオナ。紹介しよう。姫様のご学友でレティーシア殿だ。その足場、すべてこの方が設置してくださったのだよ。」

「……これ、単一次元魔法ですわね? と、いうことは、あなたが姫がご執心してた方ね?」


「あはは……ご執心かどうかはわかりませんが、レティーシアです。よろしくお願いします。」

「あらあら。ここまでの大魔法が使えるならとてもありがたいわ! ここからが正念場よ。期待させてもらうわね。」


「ご、ご期待に添えられるように頑張ります……。」


正直この人たちについていける気がしないけど。


「フィリシア。M2の航空戦力にも応援要請を。超級危険種の1匹は空を飛びそうですわ。(わたくし)達だけで戦うには確実性にかけますから。下はもう姫の掌の上。(わたくし)共はあの超級危険種共を排除にあたりますわよ。」

「了解、ティオナ様。どうみてもあそこにいる魔人もこっちで処理になるけど、M2だけで大丈夫?」


「ええ。それ以上の戦力低下はあちらも大変でしょうしね。」

「戦力低下って……。こっちは5人で超級危険種と魔人の難易度ZXを2匹。下は残り約8万の兵と各部隊の戦術兵と残りの遊軍で超級危険種2匹と残存モンスター軍。はぁ。どうしてこうなったのかしら。」


「あら、フィリシア。腕の見せどころで嬉しいでしょ? よかったじゃない。」


あ、この人性格がめちゃくちゃフラ先生に似てる。

言葉使いが丁寧なフラ先生だ。


「はーいはい。じゃ、姫様のとこに救援伝えてくるわ。」


そういい残し、自由落下でフィリシアさんが下に落ちていった。


こ、怖くないのかな?

何のブレーキも経由せずに着地したように見えたけど、やっぱりあの人もおかしい人だったのね。


しばらくするとシルの指示が入る。


《M2航空戦闘が可能な戦力は制空部隊に合流。他M1,M2,M3遊軍全軍は一度本陣へ。部隊を再編する。》


しばらくも経たないうちにフィリシアさんと空に上がってきたのは、見たことのある顔だった。

ああ、噂をすればなんとやらってやつかなぁ。


「おお、やっぱりお前だったか、レティーシア。夜の空にお前の白さは目立つな」

「ええ……先生。今までどこ行ってたの? 研究室の先輩たち、心配してたよ?」


白さって……。

ボク一応これでも黒い装備の面積の方が肌の露出よりも遥かに広いんですけど?


「ああ? あいつらは自分でなんとかすんだろ。まさか今日来てねぇとかいわねぇだろうな?」

「来てるよ? 右翼のどこかに編入されてると思うけど。」


左翼と右翼の部隊の大きな違いは、左翼側は国軍とラインハート家直属軍が殆ど。

右翼は冒険者や、義勇兵、募集兵が半分ほど組み込まれている。


左翼の方が明らかに危険性の高い作戦が多かった為、極端に配置が分かれたのだ。

まぁそのせいで右翼側の伝令がうまくいっておらず、さっきみたいに右翼側に指揮との乱れみたいなのが発生しやすくなっちゃってるんだろうけど。


「レティーシアちゃん! 1週間ぶり、元気してた?」


フラ先生の後ろから顔を出したのはウルさんだった。

小さいのでフラ先生の腰辺りに顔があり、後ろにすっぽり隠れてしまう。


「ウルさん! ウルさんも空に?」

「う、うん。私は戦力と言うかヒーラーかな。」


確かにサポートも必要だよね。


「あー欲言やぁメルも欲しかったけどなぁ。」

「はぁ? メルみたいな広範囲魔道士が空に来てどうするのよ。まだ地上にはモンスターの群れがいるのよ?」


まぁそりゃそうだろうけど、ティオナさんとフラ先生も知り合いのようだ。


「あいつの音魔法は空でも有効だからなぁ。フリス、お前だっていたらありがたいだろ?」

「それはそうだけれど。こっちには貴女と(わたくし)、それにヴィンフリーデで固めているのよ? これ以上は姫に怒られるわ。あ、後今の(わたくし)はティ・オ・ナ! 間違えないでくれるかしら?」


「ああ、結婚して名前変えたんだっけか。別にどっちでもいいだろ? 後な、こいつはあたしより使えるぜ?」


そういいながら頭をぽんぽんされた。

ああ、違う。いい間違えた。ぽんぽんじゃない。べちべちだ。痛いわ。


結婚したら性だけじゃなくて名前まで変わるの……?

そんな話もそんな人も見たことないけど。

まぁ今考えることでもないか。


「そう。なら貴女に預けるから、その方がレティーシアちゃんも動きやすいでしょ?」

「あ、はい。わかりました。」


それにしても姫騎士隊って、ヴィンフリーデさんが隊長だよね?

ティオナさんがかなりの割合仕切ってるけどいいのかな?

フィリシアさんも、ヴィンフリーデさんも全く違和感を覚えていないさそうだし。いいのかな?


「ああ、そうだな。ではレティーシア殿はフラ殿に任せよう。……にしてもまだ動いてこないか。ここで我々が足止めをくらうのも痛手だな。」

「あーそうだな。じゃあ、あいつら動かしちまっていいか? ヴィンフリーデ。」


「フラ殿、何か策があるのか?」

「お前らに見せといてやるよ。」

「……?」

「……?」

「うん?」


ボクとウルさん以外、ヴィンフリーデさん、フィリシアさん、ティオナさんが三者三様の形で”何を?”と訴えているが、流石はフラ先生。説明が足りない女。


「ヴィンフリーデ。一番最悪なのはあのでっけぇの3匹が1箇所で暴れられる事だ。ティオナもわかってると思うが、分断はお前らの仕事だからな。頑張れよ。」

「フラ? 貴女何をしようとしているの?」


もちろんそんな疑問に答える人じゃないのはわかってるんだけどね……?

うん? なんでしょう?? そんな無言で近づかれても困りますけど?


「……。」


わき腹に抱えられてしまった。

あまりの出来事に文句を言う暇もなかったんだよ。


「ちょ、ちょっと先生? 何するの?」

「じゃ、行くか。」


「……え?」


ま、待って……? い、いや、そこから先は足場敷いてませんよ?

見えてますか? ねぇ見てるよね……?


体をバタつかせるが左腕のロックが一向に外れる気配がない……っ!


先生……? せんせい!?

ちょ、ちょっと!! 落ちる! 落ちるってば!!!!!


「よっと。」

「えっ……? え……ええぇぇぇ…………うひゃあああああああああああああ!!! ぎゃあああああああああああああっ!!!!」


紐なしバンジーかよっ!!! 馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁあ!!

こ、声っ!叫ぶ声すらもうでっなっいっぃぃぃぃ……!


ドンッ!


「うべぇ……」


この人の頭のおかしさマジやばいって!

人をわき腹に抱えて空中から紐なしバンジーって!!

もう頭沸いてるでしょ!


着地の衝撃が左腕を伝ってモロに鳩尾に入った。

違う意味で息ができない。


「げほっ……ごほ……う……うぅ……。」

「おい、着いたぞ。」


「……着いたぞ……じゃないわっ! センセイコロス……。」

「馬鹿っ! 相手はあたしじゃねぇ。こいつらだ。」


なぜ耐えられたのか意味のわからない着地の衝撃で舞い起こった砂埃が晴れて行く。

モンスターと目が合った。


……あはは。パッチリお目目が可愛いですね。目、真っ赤ですよ? 目薬……いる?


場所。敵地最後方。

状況。大音量の着地音とともに爆撃かと思われモンスター軍数万に睨まれております。


あ。魔法飛んできました。

いいや、先生に直撃コースだからそのままにしとこ。


「ちっ。」


……。


この先生、魔法を腕で振り払いました。

なんかおかしくないですかねぇ?


「よし、やれ。」


……やれじゃないよ! やれ。じゃ!


はぁ。


「砂埃と混戦で味方がどこにいるかわかんないよ?」

「グリエンタールのソート条件を外せ。人とモンスターの区別できるだろ?」


ああ、そういえば好感度が変動していない人とボクが認知していない他人は全員表示しないようにしたんだった。

なるほど、表示すればどこに人がいるかわかるね。確かに。


「砂ぼこ……」

「転移眼があるだろ。」


ああ、もうこの先生にボクの固有魔法を見てもらってるのが、正解なのか間違いなのかわかんなくなってくるよ!!! 使い方がいちいち理にかなってるから正解なんだろうけども!!!


ムカツクッ!


「あーはいはいっ!」


範囲を設定する。

何すればいいかなんていわれなくてもわかりますよ。




ばーーーーかっ!!!




白虹暴風(レーゲンヴィント)っ!!」


ギルド昇級試験で登録しておいた魔法を使う。

文字通り規模も次元も違う必殺魔法。




味方がいる境界までのモンスター群を後ろからナマス切りにして白い虹が広がった。




戦場が、静まり返る。


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