実は忘れていたんだけどね。。。
「あ、後そうそう。戦時中の支給食は1日1食しかでないわ。それじゃ流石に足りないだろうから、もし1日3食か、それ以上にちゃんと欲しければ自分で支給金から用意しないとだめよ?」
「はーい……。あ。そういえばあれ、どうなってるかな?」
次元収納から3つの冷凍品を取り出す。
そう。冷凍保存しておいた蜘蛛肉だ。
急速冷凍・飽和水冷凍・磁気急速冷凍の3種方法でそれぞれ冷凍してあり、どうせ捨てるからとかなり大量のお肉を保管してある。
容量としては足4本分と、胴体分全部。
胴体分は、そこまで可食部がなかったので足2本分くらいだろうか。まぁ言ってしまえば足6本分くらいはあって、足1本分はボクの体くらいはあるので、結構大量なのだ。
電子レンジみたいなものなどまさか無いので、魔法で種火を作ってそれぞれを少量解凍してみた。
食べられなさそうになっていたら、もったいないけど捨てちゃうし、食べられそうなら少しずつ解凍してボイルして食べようかな。
この蜘蛛肉で保存食とか作ってみてもいいかもしれない。
ジャーキーみたいなやつ。作れるかな??
ゆっくり解凍していくが、特に見た目腐ったようなものは見当たらない。
ベッドのある部屋に、一式の調理具やお皿が置いてあったので、少しボイルしてみる。
少しずつそれぞれをかじってみたけど、どうやら食べられそうだ。
まず、単純瞬間冷凍したお肉。
魔法ってすごい。
科学を超越しているだけはあって瞬間冷凍だけでかなりの保存品質。
普通に味がそこまで落ちているとは思えない。
まぁ。流石に取れたて鮮度に適うか?
と言われたら、そりゃ少しはね。落ちてると思うけど。
次に飽和水冷凍。
これまた普通に美味しい。
塩で飽和水を作ったので、お塩の味が染みてしまっているけど、これはこれで全然あり。むしろ味がついて美味しいと思うくらいだ。
最後に磁気瞬間冷凍品。
最初の瞬間冷凍品と、そこまで差は無いだろうと思っていたけど……
これまたびっくり。
これは普通に獲れたてレベルのおいしさだった。
うんうん。ひと手間かけただけはあるってものだよ!
総合的に言えば、やっぱり単純に保存するのであれば磁気瞬間冷凍が一番。
今回のように塩の味がついても大丈夫なら、飽和水もあり。
単純瞬間冷凍も、磁気コーティングがめんどくさければ全然ありかなって感じ。
そんなことをやっていたら、一通り仕事の終わったシルが部屋にやってきた。
「何をしているの?」
「うん。食品の保存実験。」
「食品の保存……?」
「ロカスエロの50層ってどんなとこか知ってる?」
「えっと……あ……あぁ。く、蜘蛛……みたいなモンスターが多いところ……だったかしら? 実際に行ったことはないけれど。」
そういえばシルって蜘蛛が苦手なんだっけ。
単語を口にしただけなのに鳥肌が立ってる。
……う~ん。シルの目の前でこんなことし始めたのは失敗だったかなぁ。……とは言え食品の保存に興味があるみたいだし、話を反らすわけにもいかなくなっちゃったんだけど。
「そうそう。50層のレアモンスターって、その……蜘蛛モンスターの大きい奴なんだけどね? あれって美味しいんだよ? 食べた事ある?」
あるわけないよなぁ。
「ええ。あるわよ。高級料理店でよく見かけるもの。」
あるんかい!
「……う、うん。それがこれなんだけどね?」
シルの前に解凍した蜘蛛肉を見せる。
調理されちゃえば大丈夫なのかな?
まぁ確かに、蜘蛛肉を食べている誰しもが少なからず蜘蛛を好きか嫌いかで判断したら、嫌いに入る部類だとは思うけど……。
「あれ? でもあれって日持ちしないのよね? 確か2日もしたら食べられるものじゃなくなるんじゃなかったかしら? レティがロカスエロに行ってたのって1週間も前じゃない。」
「そうなの。そう言われたから保存の実験をしたんだよ。」
「その結果がそれってこと?」
「そゆこと。1週間経つけど、ちょっとこれ食べてみてよ。」
一番加工にうまくいった磁気瞬間冷凍品をシルに食べてもらう。
シルは舌が肥えているだろうから、これで味が保証されればボクの食料品保存実験は成功といって大丈夫でしょ?
「え? 全然おいしいわ。どうやったの?」
「うん。瞬間冷凍法っていう保存方法なんだけどね? こういう鮮度が必要な食品を急速に冷凍させて、そのまま保管しておくだけなんだよ。簡単でしょ?」
「へぇ……それだけでこんなに日持ちするのなら、色々食に関する常識が変わりそうね。」
「うん。大儲け間違い無しだよ!」
「ふふ。それならこの戦争は乗り切らないと意味がないわね。」
「はりきっちゃうかも!」
「期待しているわ。……ま、今日はそれくらいにして休みましょう。隣にシャワー室があるけど、レティ先に入る?」
「あ、ううん。ボクは寮に戻って入ってくるから、シルが使っていいよ。」
「……つくづく便利ね。それ」
「ふふん! 寮にはイリー達に貰ったいい匂いの石鹸とか置いてあるからね!」
「私のも持ってきてくれてもいいのよ?」
「あ、じゃあシルの奴持ってきてあげるね。」
そう言うやいなや、すぐに寮に戻ってシルのお風呂セットをとってくる。
転移眼を使う際、転移先に光源がないと全然見えないので、寮の部屋には薄暗くずっと明かりをつけている。常時光り続ける魔道具を置いてあるだけだけどね。
「はい。とってきたよ?」
「あ。ありがとうレティ。そうだ。寝る前に渡すものがあるから、シャワー浴びてきたら覚えておいてね。」
「うん? おっけー。じゃ、ちょっと行って来るね。」
再度寮に戻ってきた。
日中誰も出入りしない寮の部屋はとても寒く感じる。
シャワー室なんて部屋よりもさらに寒い。
「なんかこういう温度感じるのって寂しいよね。」
ボクって1人暮らしとかできそうにないかも。
そんな事を感じながらシャワーを浴び、シルの部屋に戻ると先に上がっていたシルからイヤリングを渡された。
何のプレゼントだろう! ボクの誕生日は確かに近いんだよ?
「それ、高いからちゃんと戦争が終わったら返してよ?」
プレゼントじゃありませんでした!
「これなに?」
「テレパス用の魔道具よ。」
「テレパス用ってことは、しゃべれるの?」
「いいえ、流石にそこまで高性能じゃないのよ。一方的に私の声が聞こえるだけ。」
「指揮用ってこと?」
「そうよ。」
「ふうん。」
後でちょっと埋め込まれてる構造陣見ちゃおうかな??
……壊さなければいいよね? 大丈夫かな?
声を送って、それを受信する機能がそれぞれにあるなら、お互いにつければいいだけじゃん? って思うのは簡単すぎかな。
魔導具作ってる人だって、そのくらいの事わかってるはずだもんね。
まぁすべての状況でお互いしゃべれる事がプラスに働くとも限らないだろうから、用途によって使い分ける事にはなるだろうけど……。
でも、それが出来たら便利じゃない?
魔道具の知識は全く無いけどね。
ボクには電話っていうこの世界には無い発想があるわけだし。
う~~~ん。……壊したら怖いし、この大規模戦闘が終わったらにしたほうがいいか……
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