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ここはまだダンジョン内なんですけどね。

「あれ? よくメルちゃん起こせたね。結構いつも強引な方法取るまでおきてこないのに。どうやったの?」


ウルさんの朝食の用意もできて、配膳しているとそんなことを聞かれてしまった。

強引な方法ってどんな感じだろう?


……ウルさんのことだから、きっと可愛い強引さなんだろうなぁ……。


ボクみたいなのは、きっと純粋なウルさんには考えつきもしない気がする。


うん、ボクの心が淀んだのは9割方フラ先生のせいだと思う!

少し前までは体も心も純白だったのに!

ほんと、先生にもウルさんの純粋さを見習って欲しい物だよ!


あ、むしろ先生と一緒にいたらウルさんが汚されちゃうのでは……?


クランが同じらしいし、ボクよりは付き合いも長いと思うけど、パーティが違うらしいからきっと今までは大丈夫だったに違いない。

アルト様。ちゃんと守ってあげないとだめなんだからね?


「レティーシア。」

「ん? 何?」


「お前今結構失礼な事考えてるだろ。」


……でたな公爵スキル。ボクの心を読めちゃうやつ。


「え? なんのこと?」

「お前、自分で気づいてないのかもしれないが、結構ストレートに顔に出てるからな?」


「え? なんのこと?」

「大方あたしのせいでいたずらなんか覚えて、こんなはずじゃなかったとか思ってたんだろ?」


大方あたりだよ!


「ウルさんのお料理おいしいね。学園の学食ですらパンは結構固めなのに、冒険中にでてくるこっちのパンの方が柔らかいなんて驚きだよ!」

「けっ。」


あからさまに話題を逸らしすぎたせいで正解だと言ったようなものだった!

まぁ正解だからいいんだけど!!


「うん。パンをふっくらさせるのには、ちょっとコツがあるんだよ?」

「パンをふっくらさせるのって、ちゃんと温度管理をしたり、ちゃんと湿気を保たせたりして置いておいて、菌の醗酵を促すって奴だっけ?」


「そうそう。よく知ってるね? れてぃーしあちゃんもお料理とかするの?」

「え? ……う、うん。」


あ、自分でもわかるくらい眼が泳いだ。


「うそつけ。」


即座に先生が反応する。

すると思ったけど!!


まぁ確かに?ボクの嘘なんかこの程度なんだよ……。


「料理、ママのお手伝いしかしたことないです……」

「あはは。皆最初はそんなものだよ? それに、れてぃーしあちゃんも食べさせたい相手ができたらきっと頑張るよ。女の子だもん。」


「食べさせたい相手かぁ。」


……いないな。


「リンクは基本なんでも食うぞ。」

「リンク様やアレク様は王子様なんだよ?? 舌が肥えすぎてそうだから、ボクの料理なんて流石に食べさせられないよ……。」

「あら? あの噂って本当だったの?」


隣でアルト様とホーラントさんと3人で話していたメルさんが、急にこちらの会話に入ってきた。あの噂とは……あの噂のことですかね?


「ほら、グルーネ国第一王子は平民の女の子に入れ込みまくってるって話。あれレティ子ちゃんでしょ? 特徴が一致するものね。」

「え? な、なんですかそれ……入れ込んで??」


「え? なんか王子がお金全部出して学園に囲ってるとか、国の税金にまで手をだして上級冒険者を片っ端から雇ってパワーレベリングさせてるとか、化粧品や美白アイテムなんかもものすごい額貢いでるせいで異常なくらい白くなっちゃったって噂?」


「な、なんですかそれ……。貢がれた事なんて一度もありませんっ!! 大体ボクは生まれつき真っ白だったんですぅ!」


リンク王子ー!

噂とか諸々尾ひれついてますけどー!

全然回収できてませんけどーー!?


「そこらへんが尾ひれなのはわかってるわよ。そこじゃなくて王子が入れ込んでるって方の話よ。」

「入れ込んでるってのはなんか違う気がしますけど。……告白みたいのは……まぁ。」


自分で言うほど恥ずかしいものってないよ!!


「え?! 王子から!? ほんとに!!?? じゃあ貴女、未来の王妃様じゃない!」

「えぇ!? 本当に?? れてぃーしあちゃんすごい!」

「あ? まじかよ??」


あれ? 先生にも言ってなかったっけ……?


……え? いや、絶対言ったよね?

っていうかリンク王子が自分でボクに振られたって言って笑ってたはずだもん。

もしかして、その場しのぎで本当のことだって思われてなかったの!?


うわぁ。後で絶対リンク様からなんか言われるよ。はぁ。

じゃあ、この場で知ってたのって、もしかしてアルト様だけなのか。


「え? ……い、いえ。あの……断っちゃったので……。」

「はぁ!? 嘘でしょ?! な、何してるの?? 最大級の玉の輿じゃない!? 一生遊んで暮らせるのよ!? 一生寝てられるのよ!?」


いや、王妃にだって仕事くらいあるよ……

一生遊んだり寝てたりはできないでしょ……


「いやぁ、そういう生活は望んでないというか……。」

「あはぁっ……。欲がなさすぎよ。」


そんな演劇みたいなリアクションで天を仰がなくても……。


リンク様との約束はリンク様が卒業するまでの後1年半は続くのだし、完全に話しが終わったというわけではないんだけど、一応言うなといわれてんだしそこまで詳しく説明する気もない。


言っちゃったのはリンク様が噂をちゃんと回収できていなかったせいなので、ボクのせいじゃないんだよ?? リンク様のせいなのでボクは知らないで通そうと思う。


「そっかぁ。第一王子は傷心中かぁ。うふ。」


これが何考えてるかすぐわかる顔か!


確かに判りやすい!!




え? ……ボクいつもあんな顔してるの? 


そ、そんなわけ……ないよね……?





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[一言] 「はぁ!? 嘘でしょ?! な、何してるの?? 最大級の玉の輿じゃない!? 一生遊んで暮らせるのよ!? 一生寝てられるのよ!?」 皇太子妃、幸せそうには見えないもんね
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