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”とあるパーティの野営雑談”

別視点のお話

「え? 消え……何? なんで?」

「ど、どこに行ったので……あるか……?」

「消える魔法……? え? 転移じゃないよね? ……まじ?」

「へ? 寝袋……??」



「ってことだ。」

「……ってことだ。じゃないわよ!! どういうこと? もしかしてレティ子ちゃん転移なんて魔法が使えるの? 大次元魔導師クラスじゃない!」


「あれ、魔法じゃないんだと。スキルなんだとさ。」

「なんと!? じゃあ魔力も使わないのであるか!?」

「……なんのスキル群に属すわけ?」


「知らん。あいつの固有技能らしいからな。」

「え? レティ子ちゃんが防御やらにやたら使ってた透明な壁みたいなの、あれって固有魔法よね?」


「だな。」

「固有技能と固有魔法、特殊能力を両方持ってるの?」


「そもそもその固有魔法ってのが固有技能からの派生なんだとよ。」

「はぁ?! ……規格外すぎて笑えてくるわ……」

「将来が楽しみ……というより怖いであるな……」

「なんでレティーシアちゃん、あんなしょぼい……なんて言ったら失礼だけど、変なおじさん達に囲まれて震えてたのか、今の僕にはちょっと……理解できなくなってきたかも。」

「そ、そんなことがあったのですか!?」


「うん、僕が最初に知りあった時にね。」

「怖かったでしょうに……可哀想。れてぃーしあちゃん。」

「育て甲斐があるってもんだろ? あれでまだ魔法覚え始めて3ヶ月やそこらだぜ?」

「卒業する頃まで学園が残っているといいわね。」


「……なんかありそうで怖ぇことを言うなよ。」





ぱち……ぱち……


焚き火の音が鳴り響く。


フラとアルトが焚き火の周りで解体作業を進めており、他のメンバーは寝静まっているようだ。




「アルト。そっちの解体は終わったか?」

「うん、上半身は肩から上しか残ってないからね。内臓もないしあとは乾かすだけだよ。」


「それにしても綺麗な切り口だよね……。これ本当に初級の槍レベルの切り口なのかい?」

「あ? いくらスキル獲得したっつったって、あいつの槍スキルでヴォルクウルスの皮を、こんなに綺麗に通るかよ。ましてや両断なんぞできるわけねぇだろ。」


「……僕も疑問ではあったけどさ。結果が目の前にあるからね? じゃあどうやって斬ったのさ。」

「斬ってねぇよ。」


「……?」

「魔法使ってただろ。」


「え? 槍の特殊効果のことかい?」

「ちげぇよ。大蜘蛛んときに大爆発させる前、あたしらを守ったあの壁みたいな奴あっただろ? ヴォルクウルス戦で防御にも使ってたあれ。」


「ああ、すごい耐久性が高いね。あれ。あれが固有魔法なんでしょ?」

「あれは単一次元魔法構造なんだとよ。」

「はぁ!? あれ次元の位相面ってこと!?」


テントの向こう側から突然大声が響き渡った。

どうやらメルが会話を聞いていたらしい。


「っあんだよ! 急に起きんな。鬱陶しいな。寝てろ。」


1つの寝袋が急にがばっと起き上がり、テントの位置口からメルが顔だけ覗かせる。


「あんたが気になることばっかしゃべるから寝れないのよ!!」

「いいから寝とけよ。お前朝弱ええんだからよ。」


「私だって寝たいわよ! ああ、確かに単一構造だから魔力消費が少ないとかなんとか……」


ぶつぶつと何かを呟きながらメルが再び横になる。

話が聞こえないようにだろうか。フラたちに背を向けた。




「……ってことは、シュヴァルツ・クラウンウルフを倒した魔法ってもしかして……?」


アルトがメルに気を使ってか、会話のボリュームを下げてフラに話しかける。


「そうだ。あの魔法は攻撃に使っても万能。防御に使っても万能。あれだけ1つとってもやべぇよな。」


フラは音量を下げる気はないらしい。

まぁ彼女の場合、わざとそうしている節もあるんだろうけど。


「なるほど。ヴォルクウルス相手に魔法使うなって、そこまでする必要あったのか疑問だったけど……。魔法を使うとほんとに一瞬で終わっちゃうのか。」

「ああ。それじゃ折角丁度いい相手なのにもったいねぇだろ?」


「あはは……。それにしては一発でもまともに攻撃くらったらやばかっただろうけど……。」

「そのためにお前はウルをわざわざ呼びにいったんだろ? メルだけじゃなくてな。」


「まぁ……そうなんだけど。あの2人がいてくれれば事故なんて起きようがないからね。」

「ありがてぇ話だことで。」


「フラのとこの兄弟が全員仲良くて僕達クランメンバーは助かるよ。」

「ああ? 鬱陶しいだけだろ、あいつらなんて。」


「まぁうちのリーダーも、もうちょっと妹離れしてくれるといいと思うときはあるかな?」

「ちっ。うるせぇよ。」


「ほら、フラだって大概なんだよね。」

「あーうぜ。解体終わったなら寝ちまえ。ホーラントでも蹴りおこして見張りも交代だ。」











「ねぇダイン。本当にここで1日過ごすの?」

「え?だってあのボス、1日でリポップするって情報じゃなかったか?」


「まぁそうだけど。こんな寒い洞窟内で1日もいたら疲れちゃうわ。ただでさえダンジョンに入るのも初めてなのに。」

「大丈夫だろ。ここまでずっと真っ直ぐ歩いてきたけど、大してモンスターもいなかったしさ? ここって初心者も多いんだろ? 俺達はもう何度クエストをこなしてきたと思ってるんだよ。」


「確かに。道中の敵も全然少なすぎてやばかったよねぇ~。最後の方の雑魚はなんかめっちゃ手ごわかったけど。」

「あ~あのムカデな。あいつで下級ポーション何本か消費したのは痛かったな~。」


「でも消耗品の消費ってそんなもんじゃなーい? ほぼ万全でボス狩りできるなんて、あたしらマジラッキーでしょ!」

「今日戦ってるところも見れたしね~。つまりあのボスってあれでしょ?」

「ああ、あの巨体は幻影だろ? じゃなきゃあんな女の子が、あんなに軽がる止められるわけないと思ったんだよ。魔法だつったって限度があるだろ。」


「めっちゃ連発してたからそんな大した魔法でもなさそうだったしねー。」

「明日どうする? ボス沸いたら部屋締めちゃう? 一応、援軍来て貰えるように開けとく?」

「締めちゃってもよくね? 援軍とか後でくるくせに取り分はきっちり持ってかれんだろ? まじずりぃよなぁ。」


「それ狙い専門のパーティだっているんだってぇ~。」

「それいいじゃん。その方が楽だわ~。」

「え~、今日の結果見る限り、ボス終わっても1人分の毛皮くらいしか取れなくない? それを分割とかやってらんないからやっぱ締めようよ~。」

「よっし、じゃあ今日は扉前で陣取っとくぞ。流石にここにいりゃ先はこされねぇよな。」


「よ~し!毛皮と昇格条件のクリア目指してがんばろー!」

「おう!」







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