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愛すべき阿呆にお別れを  作者: 佐藤
第一章
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小学校

そんな、園児時代も次第に終わりを告げ互いに小学生になった。

私たちは運良くなのか悪くなのか分からないが同じ小学校に入学した。

合いも変わらず、私たちは一言二言交わす程度の仲であったが、

それが次第に変化していったのは小学校に上がってからだ。


園児までなら気にも留めなかったその人間を周りの人間が 認識 し始めたのだ。

人間は「変わり者」俗に言う「変人」と呼ばれた。


呼ばれるだけであったのなら良かったであろうが、皆も小学生。

ゆっくりと知恵がつき、所謂 いじめ の標的になった。


かくいう私は元々人間関係を築くのが上手かったらしく友を引き連れ遊び回っていた。

その人間がどんないじめを受けていたかは知っていたが今の自分の状況を壊してまで

止める程の仲でも無かったし、助けを請われてもいなかったので法っておいた。


よく私の友が「一緒にどうだい?」等と声をかけてきたがそれも気乗りせず

「興味がない。」と突っぱねっていた。



そんなある日、私は帰り道友と帰っていたがふと忘れ物をした事に気づいた。

友は、「あいつどんな顔してんのかな」「泣いてんじゃね?」等と下等な会話をしていたので

雑にあしらいながら私は、来た道を戻った。


学校に着き少しばかし夕日に染まる廊下を何となくゆっくり歩き

教室へ向かった。


教室へ向かう途中、何か変な音に気づき一度止まって聞いてみた。

それはまだ遠くから鳴っているらしくだが確実に廊下に響いている。


ガリ…ガリ…ガリ…


何かを引っ掻くような、縋る様な音だった。

私はその音を意識しながら再びゆっくりと教室へ向かい始めた。


教室へ近づけば近づくほどに大きくなる音。

私は少し畏怖していたが、幼いながらの好奇心のが勝り

ゆっくり教室へとたどり着いた。


その音は、教室から鳴っている。

そう理解した時は、流石に帰ろうかと思ったが

ふと、帰り道話していた友の話を思い出した。


もしかしてあの人間が…?


そう頭を過ぎった。だとしたならば一体何をしているんだ。

覗こうにも、扉はきっちり閉まっている。覗き窓まで顔は届かない。

覗くには、この扉を開けるしかない。開けては音が立つ。

バレてしまう。どうしたものかと思っていたが意外と結論はすぐに出た。


あの人間が何をしていようと関係ない。

ならばそしらぬ振りをしていいだろう。

気付かぬ振りをし、忘れ物を取り気付かなかった様に帰ればいい。

あの人間のことだ。話しかけてなど来ないだろう。


そう思い、少しばかし勢い良く扉を開けた。




そこには、動作を止め静止しているあの人間が居た。


ビンゴ。


私は、気付かぬふりをして自分の机に向かった。

忘れ物を取り後は気付かぬ振りをして帰るのみ。


私は時間が、自分の動作がまるでスローモーションの様に感じながら

振り返り、歩き出した。



教室はもうすっかり夕日色だった。

その人間も夕日色に染まって、何だか

血を浴びている様に一瞬見えた。



帰るだけ。帰るだけ。帰るだけ。

そう何度も念じ、扉に手をかけた。





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