表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ティッシュのついたチンコは無限の宇宙

作者: 英星

 朝、目が覚めるとチンコが朝勃ちで完全勃起していた。

 そっとパンツをめくってチンコを見ると、チンコにティッシュがついていた。


 ああ、そうだ。

 昨日ちょーいい女とやってティッシュでチンコを拭いたんだっけ。


 ベッドを見る。

 ベッドにはもちろん俺以外誰も寝ていない。

 知っていた。

 見栄を張った。

 女とやっていたら、チンコにティッシュがついててもこんな憂鬱な気持ちにはならない。


 もう一度チンコを見る。

 チンコにこびりついたティッシュが龍の形に見えた。

 今にもチンコから離れ、天に飛んで行きそうな気配だった。


「殿! これはまた奇っ怪な!」

 それを見た俺は1人で時代劇ごっこをする。


 そろそろ頭の中を病院で診てもらった方がいいのかもしれない。


 どうしてチンコにティッシュがついているのか。

 簡単なことだった。

 オナニーをした後にティッシュでチンコを拭いたが、それだとまだ残り汁ならぬ、残り精子がパンツにつくかもしれないと思い、パンツにティッシュを入れていたのだ。


 ナイスアイデア。


 同時に他の男性は残り精子をどうしているのだろうかと気になった。


 仕方ないので、亀頭や竿の裏筋についたティッシュをちびりちびり剥がす。

 チンコにこびりついたティッシュを剥がしていく。

 剥がしてはゴミ箱に捨て、剥がしてはゴミ箱に捨てる。


 休日の朝から何をやってるんだ俺は!


 惨めな作業を途中で止めて、昨日誰で抜いたのかを思い出す。


 誰で抜いたんだっけ?


 上原亜衣はメジャー過ぎて抜く気はない。

 モテない俺にもプライドはある。

 誰も抜かないであろうセクシー女優で抜いてこそ至高の自慰行為。


 そうやって俺は他の男を見下す。


『お前らにはデキないだろう』


 俺は優越感に浸り、デキる男だと自分を洗脳する。

 至高の自慰行為がデキない男に完璧な仕事がデキるはずがない。


 ああ、少し思いだした。

 昨日観た作品はセクシー女優よりも男優の方がプリケツだったんだ。


 あれは頼むからやめてくれ。

 どっちで抜いたらいいのかわからなくなる。


 俺の心を惑わすな。

 俺をその道に引きずり込むな。

 イケメン男優を使うのは許す。

 ただしプリケツ男優は使うな。


 俺は女性しか愛せないし、女性を愛し続けたいんだ。


 そんなことよりセクシー女優の名前が思い出せない。


 そうだ、今度からこうしよう。

 抜いたセクシー女優の名前をノートに記録していこう。


 どうだ! 気持ち悪いか幸四郎!

 でも育てるぜいい子!


 ソーダ! 買う時店員と値引き交渉!

 炭酸大好きIKKO!


 突然、韻を踏んでみたくなった。


 ああああああ。


 愛のあるセックスがしたい。

 温もりを感じていたい。

 幸せを感じていたい。



『清潔感のある男性がいい』


 ねえよ、そんなもの。



『イケメンで〜背が高くて〜声がカッコいい人』


 クリトリスに電マを当てて、潮吹かせて寝とけ。



『経済力大事』


 俺はいつもアリエールを使ってるし。



 あー、もうすべてが嫌になる。

 休日の朝にチンコについたティッシュを取る男の気持ちを考えたことあるのか。


 どんな気持ちだ。

 女性にもわかり易く例えるとどんな気持ちだ。


 かわいいと思って買った洋服にうんちがついてたような。


 ……そんな気持ち。


 もうこれ以上何も出てこねえし、面倒くさいから例えねーわ。


 これが男性にも嫌われ、女性にも嫌われ、社会からも嫌われた男の末路か。


 あー、自虐は嫌だ。心が荒んでくる。


 考えよう。

 人間は考える生き物だ。

 考えて成長していこう。


 チンコについたティッシュをどうすれば前向きになれるのか真剣に考えよう。


 俺はチンコにティッシュをつけたまま考える。


 深呼吸する。


 ゆっくり目を閉じる。


 朝勃ちが鎮まらない。


 絶倫過ぎる。


 ぼん、ぼん、煩悩!


 邪魔するな。


 プリケツ。


 あー。


 何が見える。


 プリケツ。


 それやめろ。


 チンコが見える。


 ティッシュのついたチンコだ。


 暗闇になる。


 深い。


 あー、なんだここは。


 俺の部屋が見える。


 俺の街が見える。


 俺の国が見える。


 俺の地球が見える。


 俺のチンコが見える。


 ティッシュのついたチンコが見える。


 チンコ、地球、チンコ、地球、チンコ、地球、チン…………。


 ああ……。


 背後に……。


 無限の……。


 宇宙が……。


 ここが……そうなんだ。


 俺はたどり着けたんだ。


 俺も、ティッシュのついたチンコも、無限の宇宙の一部なんだ。


 これが……大宇宙の真理……。


 時間は……過ぎる……。


 意識が……散っていく……宇宙と……ひとつになる……。


 ああ……俺は……どうすればいい。


 いっそのこと……このまま……。


 そんな……どうした……俺は……泣いている……。


 そうだな……俺はまだ……何も……。


 思い出すんだ……俺は……一体何を……。


 俺は……俺は……チンコについたティッシュを……取っていたはずだ……。


 戻ろう……優しく包んでくれる……あの場所へ……。


 認識して……訪れる……覚悟……引き寄せる……。


 ……再生。


 そう……ここから……俺は……新しく……生まれ変わ……。


 フィニッシュ!


クリスマスシーズンにコイツを推敲してた男の気持ちを考えたことあるのか!


2015年12月26日 野菜苦手なのにじゃがりこはサラダ派の英星

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] こういうのを待ってました。 何故か清潔感が溢れていました。 [気になる点] できれば、ティッシュを剥がす描写をもっと丁寧にして欲しかったです。 [一言] まだ投稿できてませんが、負けず…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ