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4.第一異世界人遭遇

やっと人が出てきました(笑)

3日目、4日目と特に何もなく相変わらずテクテク歩いて町を目指す。


うっうっ。お風呂入りたい洗濯したい!

絶対、体臭凄いことになってるよ~。


町の位置を探索したら視界のはしっこに至る町って文字が表示されたけど、距離はまだまだありそう…


どんなに疲れても一晩休めば体力全快になるから歩くのそんなに苦じゃないのはいいけど、いい加減に飽きた!


黄昏ながら焼き栗を頬張っていたら頭の中にパトカーのサイレンが鳴り響いた。


「うわ~なになに‼」

『アンリ様、後ろ。魔物に襲われてる馬車が来る』


ファイガの声に慌てて後ろを振り向けば土煙が見えた。


よく見えないな~なんて思ってたら急にズームアップしてハッキリクッキリ一台の馬車が狼の様な魔物の群れに襲われているのが見えた。


うん!双眼鏡いらなくて便利♪

なんて感心してる場合じゃない。


馬車には何人か乗ってるらしく弓で応戦してるみたいだけど動いてるから当たらなくて威嚇にもなってない。

どうしよう。こっちにくるよ~。


『アンリ様。麻痺草を風にのせて魔物の群れに振り撒いて』


ミントの提案になるほどその手があったかと急いで鞄から麻痺草を取り出し風の精霊にお願いして魔物の群れまで麻痺草を運んでもらい呪文を唱える。


「粉砕」


固い胡桃の殻も粉々にってイメージで唱えれば粉末になった麻痺草が風の精霊の機転で魔物の群れに満遍なく降りかかりバタバタと倒れていく。


よし!いけるって油断してたら効かなかった何頭かにロックオンされちゃって猛然と向かって来られた。


「うそ‼」

『アンリ様、私を使って』


シーが私の前に躍り出たとたん右目の中に呪文が浮かび上がる。


「スプラッシュ」


どこから出たの?ってツッコミいれたくなるぐらい大量の水が魔物の群れを押し流していく。

うん。スプラッシュなんて可愛いもんじゃないな。

津波って改名すべきじゃない?


『アンリ様の魔力が高いから思わぬ効果が出たようです』


あっ!私のせいですかスイマセン。

馬車が止まって中から剣を持った人達が飛び出して麻痺している魔物を倒していく。


『魔物の体内には魔石があって人間たちの生活を助けるんです』

と、ミントが説明すれば

『毛皮とか肉も貴重らしいよ』

と、ファイガが付け足す。


お肉…こっちに来てから食べてないな。美味しいのかな?

なんてボンヤリ考えていたら馬車の中から飛び出して来た一人が私の方に近づいてきた。


「いや~助かったよ。すごい魔法だね」

「へっ?あっ!ダメです。それ以上は近寄らないで‼」

「えっ!?」

「2~3日、歩きどおしで汗かいてるし…くさい…から…」


うん絶対、汗臭いと思うの。

わざわざお礼を言いに来てくれた爽やか系の笑顔を振り撒くお兄さんには悪いけど近寄らないで。


「えっと…あんな凄い魔法使えるのに『洗浄』の魔法使えないのかい?」

「せんじょう…ですか?」

「そう2年ぐらい前に開発された魔法なんだけど君ぐらい水魔法を使いこなしているなら使えるはずだよ。助けてくれたお礼にスクロールをあげるよ」


はいっと言ってお兄さんは懐から一本の巻物を取り出して私にくれた。


「スクロール…」

「資質さえあれば読むだけで使える様になるから」


読めるのかな?

言葉は通じるようにするって言われてたし実際、普通に話せてはいるけど…

読めなかったらその時はその時だ!と覚悟?を決めて巻物を広げてみたら、あら不思議。

まったく知らない文字なのに上に片仮名でルビがフラれていた。

読めるって言うのかな?これも…

とりあえずルビを目で追っていくと巻物から文字が浮かび上がり右目に吸い込まれていった。

何よこれ!


「無事、修得出来たみたいだね」

「えっ!今のがそうなんですか?」


うわっキモい!


「試しに使ってみたら?体と服の両方をイメージしてね」


えっと体はお風呂上がりで服は洗濯したてのイメージで…


「洗浄」


呪文を唱えると体がポカポカして次にサッパリした。

あっ!顔突っ張ってるイメージ通り?


「どう?うまくいった?」

「はい!スッキリサッパリしました。ありがとうございます」

「じゃもう近づいても大丈夫だね?」


言うなりお兄さんは目前まで迫ってきて私の顎を掴んで顔を上にあげさせる。


「ちょっ!いきなり何を」

「やっぱり見間違いじゃなかったか。左右の目、色が違うのは生まれつき?」

「いえ…最近です…」

「名前、教えてくれるかな?あ、俺はフラルカ・ドーチェ。商人だ」

「アンリです。瀬谷アンリ」

「…もしかして異世界人?」

「もしかしなくても異世界人です」

「あっさり認めるね」

「保護してもらえると聞いたので…もしかして認めない方が安全?」

「聞いたって精霊に?他には何か聞いてない?この世界のう~ん…常識とか、成り立ちとか…」

「特には」

「そうか。取り敢えずその目は隠した方が良い。異世界人だって認めるのは危険では無いけど、その目は駄目だ。今時、一人も居ないから危険だ」

「危険って…」

「詳しいことは後で教えてあげるよ。ところで君の目的地は王都で良いのかな?」

「最終的には…」

「俺も王都に行く用事があるから一緒に行こう。道々、色々教えてあげられるしね」

「えっと…」


付いてって大丈夫かな?


『大丈夫ですよ。悪い人ではありませんから』


うん。まだ思考駄々漏れだね。シャインの言葉に検討違いな事を考えてしまう。


『瞳の色が問題だと言うなら左と同じ色に擬装してやろう。少し我慢しろ』


我慢って?返事を聞く前にダーク何かをしたらしく右目に痛みが走った。


「痛い!!なにこれ」

『色を変えて右目の魔力も漏れないようにした。余程、力の持つ者でなければ擬装を見破る事はできない』


それは、ありがとうございます。ものスッゴック痛かったけどね!!


「だ…大丈夫かい?」


フラルカさんの心配そうな声に現状を思いだし慌ててしまった。


「あっ!すみません大丈夫です…えっと目の色はこれでどうですか?」


コンパクト出して確認するより手っ取り早いとフラルカさんに訊ねると少し驚いたあとすぐに「問題ないよ」とニッコリ微笑んでくれた。

後で質問攻めにあいそうな予感…

フラルカさんに会えたお陰で町まで馬車で移動できて、大助かり。

その日の内に町にたどり着く事が出来た。

はぁ~長かった…

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