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3.いざ町へ

森の出口まで二人に案内してもらって、町の方向は左へ真っ直ぐと言われて見てみたけど…

町らしき影はない。


歩いて何日かかるのかな?

水とか食糧とかどうしたらいいんだろう?


ってか精霊が普通にいる異世界って事は、もしかして魔物とかも居たりする?

って思ったらあっさり『居るぞ』って返事もらっちゃいました!!


無理!無理!!大事な事だからもう一度言います。

絶対、無理!!


町にたどり着く前に魔物に殺られるか、野垂れ死ぬって必死に訴えたら、色んな精霊が私の中に溶け込んでいるから普通に魔法が使えるのでよほどの事がない限り死なないって…

不死身?


『いいえ。死ぬ時は死にます。打たれ強いって言えばわかりますか?』


ああ、納得。


でも知らない異世界でいきなり一人旅って乙女にはハードル高いです…

って愚痴ってたらティンカーベルタイプの精霊が三人、着いてきてくれるってラッキー。


髪も衣装も背中に生えてる蝶々の様な羽も緑色の子は草木の精霊。

名前はミントってつけた。


精霊は個別の名前を持ってないんだって。


髪も衣装も水色で背中にはカゲロウの様な羽を持つ子は水の精霊。

この子にはシーって名付けた。


髪も衣装も燃え盛る炎の様な色にトンボの羽を持つ子は火の精霊。

思わずファイガって名付けちゃった。


某ゲームの火の最上級の呪文。


この子だけ他の二人よりレベルが高いって聞いたからついね。


別れる際にシャインからは竹製の水筒を貰った。


シーがいるからいつでも水の補充は出来るけど自分の力を使いこなす為に、水筒の中に飲み水を補充する事と夜、魔物避けに薪に火を着ける事だけは自分でやるようにって…


シーとファイガが力のコントロール方法を教えてくれるから町に着くまでに頑張ってくださいねってニッコリ微笑まれて腰抜かしそうになった。


超絶イケメンの微笑みは破壊力抜群です…


ダークからは鞄の中身はむやみに見せるな出すなって言われて、鞄の中を異空間に繋げてくれた。


けっこう大きな物も収納可能でしかも重量は増えない、中に入れた物は時が止まるから食糧入れておけばいつでも新鮮、賞味期限?なにそれ状態。


入る量は私の魔力で決まるとかで現在、私の魔力は世界一だからとにかく入る。何でも入る。

ただし生き物は駄目。入れると死んじゃうって。

入れないよ!怖い事言わないでって涙目で訴えたらオロオロしてた。

うーん、可愛いかも…


とにかく町に着くまで何日かかるか分からないから、この森で手に入る物は鞄に放り込んでおけと言うので、枯れ枝や木の実を無造作に放り込む。


中で勝手に識別されてまとまるんだって!


取り出す時は欲しいアイテムを思い浮かべながら鞄に手を突っ込むだけでOK!


某ネコロボットの四次元ポケット?


この鞄を使えるのは私だけだけど、この世界にも数えるほどしかこういった鞄は存在しないので人に見られても分からないように普通の鞄機能も付いている。


異空間に入れる時は上の口から普通の鞄に入れたい時は横のチャックから入れる。


ちなみに私が持ってるこの鞄は3WAYバックだからもともと、そこそこの量が入る。


水筒はチャックとは反対にあるポケットに入れて万一の為に、薬草とかも採取。


私は治癒魔法使えるし高い魔力のおかげで即死状態でない限り自己治癒力のスピードも早いらしいので薬草を使う様な事態にはならないだろうけど、王都に行くのにお金が必要かも知れないから売れる物を採取してみた。


保護してくれるって言うけど迎えにくるか分からないしね。


そんなこんなで森を出るのに二時間ぐらいかかったかな?やっと行くぞって気合い入れたとたんにダークから待ったがかかってちょっと挫けそうになった…


『その格好では悪目立ちする。これに着替えていけ』


悪目立ちって…

ただのワンピースなのに?

それともワンピースが無いとか?

差し出された服はごく普通の真っ黒なローブ。


可愛いくない…

でも仕方ないって着替えようとして自分が着てるワンピース見てびっくりした!!


うん確かに悪目立ちするわ…

血痕がべったりって言うか血で染まっている。

私の死因って出血多量?


ローブを頭からすっぽり被って手触りで脱いでいく。

今日の為に買った下ろし立てのワンピースなのに、二度と着れないなんて悲しい。


でも元の世界の思い出として鞄の中に封印。


王都に着いてから洗ってみよう。


そうしてやっと町に向かって出発。

馬車道らしき跡を見つけたので、そこにいればヒッチハイク可能かもなんて期待してみたけど何も通らない。

通る日が決まっているのかな?


いつまで待ってても埒があかないから、そうそうに諦めて歩き出す。

暗くなったら少し道から外れて焚き火の用意。

ミントに言われて採取しておいた魔物避けの草も一緒に火にくべる。

これで一晩ぐらいは、なんとかなるらしい。夜中に強風が吹かない限りって…おいおい。


ゲームとか小説なんかには結界の魔法ってあるんだけど使えるかな?って思っていたら使えるけどまだ早いってシャインにダメ出しくらった。


えっ!近くに居るの?って思ったら右目を通して見たり聞いたり出来るから距離は関係無いって…

お風呂上がりとか鏡に気をつけようと心密かに誓った。


夕飯は焚き火で焼いたキノコと木の実を食べる。

お茶が無いから水で我慢。


小さい筒の中に水を満たす魔法ってコントロールがシビアで面倒くさいけど慣れればシャワーとかお風呂が自前で出来るなんて言われたら頑張るっきゃない!

町に着いたらヤカンとか鍋が欲しい。


キノコの味付けに塩は飽きる。

醤油かバターが欲しいな~って呟いてたらお供の精霊達が顔を見合せて『なんですかそれ?』って言われて地味に凹んだ。


人間と違って食事をしないから知らないだけって可能性があるけど…


止めとこう。変に期待して本当に無かったらダメージが大きすぎる…

こういう時は寝る!寝るのが一番!

現実逃避とも言いますけどね。


二日目。

まだ町は見えない。

誕プレの中にあったチョコチップクッキーをかじりながら、精霊達に金平糖を振る舞う。


街道らしき道をとぼとぼ歩いてたらミントが柿の木を見つけて教えてくれた。

木の下まで行ってから一個だけ枝に着いてる実を狙って風の魔法で実だけを落とす。


うん!外れた。

二度目は当たったけど枝ごと落としてしまった。


コントロールがまだ甘いってファイガにダメ出しくらいました…

これからこれから!


新鮮な内にいただきますってかぶり付いたら渋柿でした!うげー!!

干し柿にすれば食べられるなって考えてたらミントがお手伝いとか言って柿を落としはじめた。


いやいやミントさん何してんの?


そうしたらシーとファイガまでお手伝いって言いだして…

よくわからない内に干し柿が出来ていた。

何故に?

どうやら私が思い出していた干し柿の作り方をダーク、シャイン経由で受け取って、これなら出来ると力を調整して作ってくれたようだ。


色々ツッコミたい事はあるが魔法は偉大って事で済まそう。その方が精神的に楽だし(笑)


干し柿も精霊達に上げて大丈夫との事なので、皆で美味しくいただきながら再び歩き出した。

しばらくして栗の木を発見!

今度こそと風の魔法で実だけを落とす。

うん!栗のイガという存在をうっかり忘れてました!!

痛い!痛い!!地味にケガして痛い!!


ソッコーで治ったけどね(笑)


精霊達がイガの中から実を取り出してくれたので鞄に放り込む。

今夜は焼き栗。一品追加。

しかし主食が無い!!


せめて芋でもあれば良いのになんて考えてたら右目がチカチカして目の前にスクリーンの様なものが現れ芋の位置が表示された。

何これ?


アワアワしてたらダークが教えてくれた。

「探索」の魔法だって!

色々頑張っているからご褒美に解放してくれたみたい。

これがあれば町の位置とかだいたいの距離も分かるし、土の中の食材とか鉱物なんかも分かるんだって!まあ便利!!


「気配察知」も使える様にしておいたから常にかけとく様にって…


人は青、獣は黄、魔物は赤で表示される。

先ほどのスクリーンに…


視界が被るから慣れるまでが大変だけど、便利だから慣れろって命令されちゃった。


慣れる為にもって食材で検索かけたら、土の中にけっこう色んな物があってウハウハ。

一番嬉しかったのは大豆を見つけた事。

やった!お味噌とお醤油が作れるって喜んでみたけど、作り方がいまいち分からない!

ダメじゃん!!orz


『お前が今、思い出した物ならドーチェ商会にあるぞ』


えっ!マジ!?


『…何か分からず保存の魔法かけたまま封印されているが、多分間違いないだろう』


ドーチェ商会ですね。忘れないようにメモっとかないと。

なんとしてでもお知り合いになって譲って貰うぞ!

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