うちの○○がヤンデレだった件について
わたしの名前は物見星香。
ちょっとしたことができる以外は、どこにでもいる普通の女子高生だ。
これは、そんな我が家に彼がきたときの話。
「こんにちは、星香。これからよろしくね」
そう言って彼は、わたしに囁きかける。
彼はとても優しかった。
「星香、おかえり」
そう言って玄関先にはいつもいて、わたしが疲れて帰ってきたらうんと甘やかしてくれる。
温かくて優しい彼が、わたしは大好きだった。
だから、気付けなかったの。
「おはよう、星香」
今日も朝、一緒に起きて階段を降りる。
まさか、そのとき。
彼がわたしのことを滑らせるなんて。
階段から滑り落ちたわたしを見て、彼は嬉しそうに言う。
「これも星香が悪いんだよ?
俺はこんなにも君と一緒にいたいのに……いつもあいつに浮気ばかりするから」
でも君は、家の中じゃ俺と離れられないよね?
その通りだった。全て、彼の計画通りだったのだ。
わたしは彼の温もりの虜になっていた。
そして今日も、彼は朝わたしの足元で言う。
「おはよう、星香」
物見星香。花の女子高校生。
物の声が聞こえる以外は、至極普通の女の子。
我が家に来たスリッパは、ヤンデレです……。
タイトル:擬人化してみた。
ヤンデレな○○→スリッパ
彼のセリフのあいつ→ローファー(笑)
※これは作者の実話に基づくフィクションです。