不思議な洞窟
エリザは好奇心旺盛な女の子だった。年でいうと15,6ぐらいで
ポニーテールが良く似合い冒険が好きな女の子であった。なので毎年、
夏休みに泊まりに行くキアラおばさんの家はエリザにとって非日常が体験できる
格好のロケーションであった。
「キアラおばさんいってきまーす。」
「夕方までには帰って来るんだよ、エリザ。」
「はいはい、分かってますって。」
そういってエリザは外に出かけていった。今日探検する場所はおばさんの家の
後ろにある裏山。土の匂い、木漏れ日、時々聞こえる鳥のさえずり、都会育ちの
エリザにとって自然の中に身をゆだねるということが刺激的であると同時に
何か暖かい大きなものに包まれている感じがして心地よく感じた。エリザが
しばらく裏山を探索していると洞窟みたいなものを見つけた。のぞいて見ると
奥から微かに光が見えたのでエリザは近道するために誰かが作ったトンネル
なんだわ、と思った。きっとトンネルを抜けると反対側にいけると思い、
エリザはトンネルに入った。トンネルの高さはエリザの背丈より少し高いくらいであったので少し猫背の格好で先へ進んでいった。トンネルの長さはエリザが予想
していた以上に長くなかなか出口にたどり着かなかった。いつまで続くのかしら
このトンネル、とエリザは思いながらも歩き続け、とうとう出口にたどり着いた。やっとたどり着いたという達成感がエリザの疲れを吹き飛ばした。