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紫世界の魔王様  作者: 阿野根の作者
紫世界の子供達
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幕間 闇の魔王の後始末レポート(紫世界の子供達7)

ねえ、玲夜。

お母さん、頭痛くなってきたよ。


「お母さん、私、ナミちゃんとこれからどうしたらいいのかな?」


玲夜が紫世界の光の神殿(ワガヤ)に戻ってきた。


「...玲夜、ナミちゃんの事好き?」

私は聞いた。


私は玲夜の母親でこの世界の世界魔王

五十嵐苑夜だ。


「好きだけど...女だと思ってたんだもん。」

玲夜が言った。

「結婚したくないの?」

私はナミちゃんが玲夜のお婿さんになるものとばっかり思ってたけど。

そういえば、宇水の妖怪のクレハちゃんへの代償が有ったよ。

ラームヘルトさんの最高神としての押さえきれない力を半分、クレハちゃんに引き受けてもらったんだよね。

「もうすぐ、領域魔王の資格試験あるしそれどころじゃないの。」

玲夜が言った。

「そう、じゃあそれ終わったら答を出しなよ。」

私と同じで不器用なんだから。


「玲夜、帰ってたの~?今日は玲夜の好きな、キムチ鍋にしようかしら♪」

すっかり主夫のレーホヘルトさんが言った。

玲夜のお父さんで私の夫なレーホさんは相変わらず美青年だ。

女言葉は変わらず。

いいけどね。


「姉ちゃん、いつ頃ナミさんところ嫁いくの?」

冬休みで帰っていたエイタヘルトが言った。

エイタ、なんでその情報知ってるのかな?

「私、誠実に対応するから。」

玲夜がわけのわかんないことを言った。

「そうじゃなくて、ナミさんと温泉旅行いったんでしょう?」

エイタ、どこまで知ってるの?

「行ったよ。」

いつもより元気のない声で玲夜が言った。

「じゃあ、ナミさんの嫁になるしかないじゃん。」

エイタが鍋をつつきながら言った。

「...ごちそうさま。」

玲夜は箸を置いた。

「あれ?何か不味いこと言った?」

エイタはのんきに言った。



「苑夜ちゃん!いつ頃結婚式する!」

ニコニコしながらクレハちゃんが乱入したのはその直後だった。

「レーリィンシアムの高級ホテルを押さえておくか?」

ラームヘルトさんまできた。

「.........私、部屋帰るね。」

玲夜はそういって席を立った。


「何か、嫌そうね?」

クレハちゃんが言った。

「嫌っていうか戸惑ってる?」

あのこ乙女チックだし。

「まあ、玲夜ちゃんはうちに嫁に来ることが決まってるんだし。」

決まってるんだ。

「それって代償?」

私は聞いた。

「宇水の妖怪がね、絶対に嫁入りさせるからねって連絡くれたから安心ね。」

う、宇水の妖怪じゃあお母さん勝てないよ。

玲夜ごめんね。

「宇水の師匠じゃあ覆せないわね。」

レーホさんがため息をついた。


玲夜、こっちはもう固まっちゃったよ。

あとは玲夜次第だからね。

どうしても嫌なら私頑張るからね。

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