紫世界の子供達6(五十嵐玲夜)
ねー、どうしてなんでナミちゃん?
なんでさ、どうしてそんなことするの?
優しいナミちゃんに戻ってよー。
ナミちゃんとラシュルドのキールナーザ温泉に来たよ。
桜狼亭、老舗の旅館らしく
立派だったよ。
「お茶セットもある~、アメニティも充実?」
すごいな~♪
「そんなに喜んでくれるならとったかいあったな。」
ナミちゃんが微笑んだ。
今日も美青年風だな?
ナミちゃん女だよね?
「あー、露天風呂付すごいな。」
バルコニーっぽいところに竜の形をした湯船があった。
ラシュルドは竜騎士がいる国だから竜なのかな?
「先に入ったらどうだ?」
ナミちゃんが言った。
「ナミちゃんも一緒に入ろう♪」
同性だし良いよね。
「先に入っててくれ、あとから入る。」
何か準備あるのかな?
「温泉気持ち良いなぁ。」
私は温泉に浸かりながら言った。
「玲、入るぞ。」
ナミちゃんの声だ。
「うん、良いよ。」
私が言うとナミちゃんが腰にタオルをまいて入ってきた。
「.........ナミちゃん?.......男の子だったの?」
私はすっとんきょうの声をあげた。
筋肉質な男の胸が見えるし。
だって、ずーと女だと思って来たんだよ。
「昔から男だが...。」
ええ?じゃあ私、男に寄せてあげてブラとかムネプリンとかいってたよ。
「玲、もちろんオレの嫁になってくれるよな。」
ナミちゃんが湯船に入ってきた。
「で、出ようかな?」
私が言うとナミちゃんは妖しく微笑んだ。
「何を今さら。」
ねー、せっかくのキールナーザ温泉の高級宿が気がつけば朝ってなに?
「私、なにされたの?」
動けない私を優しく膝の上に抱き上げて食事介助してたナミちゃんに聞いた。
「現実逃避しても変わらないぞ、玲はオレのものになった。」
....え......いや、思い出したくない。
そのあとナミちゃんに新婚さんみたいにお姫様抱っこされてチェックアウトした。
「今度は、ムーラアの歓楽街いこうか?」
そういってナミちゃんは私に口付けた。
ついでに首もなめたよ。
次はキスマーク胸元につけるし。
嬉しそうに覗くほど胸ないよ。
なんでムーラアの歓楽街なのさー。
デートならロマンチックなホテルとか。
....どこいっても食べられちゃうよー。
ナミちゃんのバカ~。
「その前に婚約指輪買わないとな。」
私の指を嬉しそうに口付けながら言った。
「やっぱり、結婚?」
そうだよね、プロポーズされたし。
「もっとオレの愛を知りたいのか?」
ナミちゃんが妖しく微笑んだ。
もう良いよ。
私、誠実に対応するからさ。
ってそれ男のセリフじゃん




