その38 光の女神(元女装)の世直し手帳6
ラームヘルトが苦しんでいるのに、私は何もできない、せめて見守ろうときめて、光の神殿から出て、真っ黒闇の森まで来たわ。
「兄ちゃん、オレ....どうなっちゃうんだろう。」
ラームが不安そうにつぶやいたわ。
「確かに........やくめ......欲しかったけど。」
ラームが不安そうに言ったわ.....確かにラームヘルトはいつも、何か探してたわ、神力は私よりあるのに、つく神格が与えられず、いつも子どものころ不安そうな顔していた、双子なのにどうしてなのかしらって思っていたわ...光の精霊王(仮)は光の女神だったお母様がつけたのよね。
「ラーム、そばにいくわ。」
そばに行って背中を撫でてあげたいわ。
「兄ちゃん、来ちゃ.....いけない、さっき、男の闇の精霊と子ども作っちまった。」
男も作れるって凄い力だわ...兄弟で子どもは不味いわね、それに子どもは苑夜としか作りたくないし。
「ラーム、死なないで。」
私は指を組んで拝んだわ。
「......死なねーよ.....縁起でもない。」
そうなの?ごめんなさい、ラームヘルト。
「ラームヘルト!レーホヘルト!」
次元が歪んで助けの声がしたわ。
「宇水の師匠!ラームヘルトをお助け下さい!」
私は叫んだわ。
「うん、任せてよ!創造の力をもちし最高神ラームヘルト!」
宇水の師匠、何かかっこいいわ。
「レーホさん。」
苑夜も来たのね、そっと手を握ってくれたわ。
「宇水の師匠...。」
苦しそうにラームヘルトが顔をあげたわ。
「世界の意思は、君のためにいくばくかのこの世界の魂を明正和次元に譲った....その約定により、最高神ラームヘルトを助けよう。」
世界の意思が動いたのね。
不謹慎だけど綺麗だわ......宇水の師匠がラームヘルトの額に手をかざして何とも言えない力の塊を引き出したわ。
「大丈夫ですよ。」
苑夜が私にそっと身を寄せたわ。
「...で、どうなのさ、半分抜いたけど、僕の弟子ならそのくらい制御できるよね。」
いつものニコニコ顔で師匠は言ったわ。
ラームヘルトは、ゆっくりと木につかまりながら立ち上がったわ、よかったわ。
「ありがとうございます、宇水の師匠。」
ラームは深々と頭を下げる日本式の礼をしたわ。
「うん、よかったね、引き出した力は、少し苑夜とレーホの分取っておいて...。」
私達の分?私と苑夜は顔を見合わせたわ。
「宇水のおじいちゃん、私達の分って?」
苑夜が聞くと師匠は笑って言った。
「だって、君たち、後押しないと本当の意味でくっつかないでしょう?」
........つまりそう言う事ね。
「大丈夫、苑夜が管理魔王位取るまで渡さないから、残りは、クレハちゃんにでも渡すか。」
ニコニコしながら師匠は言ったわ。
「クレハちゃん、大丈夫なの?」
苑夜は心配そうに言ったわ、ラームヘルトはまた、木の下に座り込んでるみたいね、息は楽そうだけど。
「そこで、へたれてるラームヘルトより、彼女よっぽど、ハイスペックよ、ブルー・ルリーナの守護神白銀おじさんの血を引いてるし、なんていっても明正和次元人だもん、紫世界の人より、力耐性ありだよ。」
そうなの?と言うことは苑夜もよね、確かに仕事してる時かっこいいけど。
「行こうか?レーホヘルト、苑夜。」
師匠はそういって両手を私達に差し出したわ、そうね、渡すからにはお願いしないとね、ラームヘルトの兄だものね。
「ラームヘルトは休んでてね。」
宇水の師匠がそう言うとラームヘルトはやっと手をあげたわ。
「じゃ、いこっか。」
そういって、師匠が力を使って次の瞬間、ルーリーナ国の謁見室の扉の前にたってたわ...どうして謁見室なのかしら、いつもクレハさんって事務所みたいなところが多いのに...声がするわ、先客がいるみたいね。




