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紫世界の魔王様  作者: 阿野根の作者
紫世界の魔王様
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その29 女王陛下の改造記録4

長い絹のような黒髪、キラキラした琥珀の目、典型的なアタランテ帝国の皇子がそこにいたわ、ま、知的な美男子よね、イメージ的に。


「天音・アタランテです、お久しぶりですね、ヤーシュさん。」

天音皇子は甘い微笑みを浮かべ名乗ったわ。

「...ヤーシュ・キャセラです、確か2年ぶりですね。」

ヤーシュ、あんなに朝まで抵抗したのに...絶対に嫌ですって言ってたのに、仕事スイッチ入ったわね...指は握りしめてるけど。

「大変、ご足労いただいたのですが、私、結婚する気ありません。」

ニコニコしながらヤーシュが攻撃したわ。

「何をおっしゃっているのですか?今さら。」

ニコニコと天音皇子が返したわ。


「コノハ准1級守護戦士、この間はお世話になりました。」

ふと、横をみるとピンクの髪の女性がコノハに挨拶していたわ、スゴいわこの人、紺瑠璃の守護戦士の服きてるわ、1級守護戦士なのね。

「今後、こう言うことが無いことを祈っております、マイコ1級守護戦士。」

あの人がコノハをアタランテ奥宮に臨時に行く原因を作ったマイコさんね、美人だわ、あ、こっちはいいのよ別に。


「マイコさんが来るということは、皇太子殿下は、本気でヤーシュさん狙ってるかもね。」

コノハがこちらに来てささやいたわ、そうなの?コノハ?


「天音君は、明正和学園の政治学科を優秀な成績で卒業してるのですよ。」

キノムさんが言った。

「あの、私、一般庶民なので、アタランテ帝国の皇子様と釣り合いません。」

ヤーシュの家は、有名な陶芸家の家よね...納得済みで来てるんだから気にしないと思うけどね。

「私は、身分で大事な人生の配偶者を選んだりしません、ヤーシュさん、あなたを私の妻にしたい。」

天音皇子が微笑んだわ、甘いわ、かゆいわ、色気だだもれよ。

「...そ、その、あの...。」

ヤーシュ、真っ赤ね、乙女だわ。

「なんて可愛いんだ。」

甘い声で天音皇子に言われたヤーシュはますます赤いわ、乙女過ぎよ...落ちたかしら?


とりあえず、見合いのセオリーとして庭に散歩出したわ...整備中なのよね、庭まで手が回らないっていうの?みんな手伝いに来てくれて.......や、ヤバイわ、今日来てるの、赤狼人じゃない、ビルナリードさんがいるわ、絶対!


私があわてて庭にでると案の定、ビルナリードさんが吠えてたわ。


「ヤーシュは、オレのツガイだ、そのいやらしい手を放しやがれ!」

あついわね、ビルナリードさん...ヤーシュ、天音皇子に腰を抱かれてるじゃない、ヤーシュもしがみついてるし...スゴいわ、どんな手を使ったの?

「天音様...。」

何か、ヤーシュ泣きそうね。

「大丈夫だよ、私のヤーシュ。」

あー、かゆいわー天音皇子、甘甘ね。

「ちょっと、ビルナリードさん!見合いの邪魔しないで!」

私は叫んだわ。

「クレハ女王陛下、ヤーシュはこの男と見合いしたって本当ですかい?」

ビルナリードさん、意外と冷静ね。

「ええ、本当よ。」

はっきりと言ってやりました、傷は、浅いほうがいいもんね。

「ヤーシュは私の求婚を受け入れてくれました、あなたは、関係ないですよ。」

天音皇子が微笑んだわ、あおってるわね。

「...このやろう、よくもそんなことを!」

あなたのほうが悪役っぽいわねビルナリードさん。

「ビルナリードさん、私、あなたとツガイになった覚えはありません、天音様に誤解されたらどうするんですか~。」

ヤーシュ、パニクってるわね、大丈夫よ、そんなに泣いてどうするのよ。

「大丈夫だよ、誤解なんてしないよ、可愛いね、ヤーシュは。」

天音皇子がよけい体密着させたわ、甘いわ、かゆいわ。

「コノヤロー!」

ビルナリードさんがつかみかかろうとしたわ。

「コノハ!お願い!」

暴力沙汰はダメよ。

コノハのより、マイコさんのほうが反応早かったわ、一応、天音皇子の護衛もかねてたのね、1級守護戦士スゴいわ。


結局、コノハとマイコさんでビルナリードさんを敷地外に追い出したわ。


守護戦士、やっぱり頼りになるわね。


「天音様。」

ヤーシュ、天音皇子に抱きついたわ、怖かったのね。

「ヤーシュ。」

天音皇子も抱き締めたわ、嬉しそうね。


甘い、甘すぎるわ、もう、この空間いられないわ、うまく落とすのよヤーシュ、私は、戻るからね。

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