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紫世界の魔王様  作者: 阿野根の作者
紫世界の魔王様
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その3光の勇者の空回り冒険記1

なんで、オレが勇者なんてやらなきゃいけないんだ。

あの『ルムルム村農協主催旅行』さえ回避出来ればこんな厄介なことにならなかったのに。


「グラーノ君、今度の農協主催旅行いくよね」

ミラヌさんが言った。

オレはグラーノ・バリル、ルムルム村のごくごく普通の農家の青年だ、親父がちょっとばっかし規格外だが。

「おじ様も参加してくださるっていってたわよ。」

親父いくならオレは行かなくてもいいんじゃないか。

「オレは行かない。」

「なんでよ、バリル家最後のフリー男」

悪かったな女でよければトゥーリア姉ちゃんもフリーだぞ、村には居ないが。

「弟君にも先越されたクセに。」

デルスに彼女が出来たってオレは別にうらやましくないぞ....どこがいいんだ女なんて、人で妄想しやがって、なんだよ、ウケ?セメ?なんでオレが狩人のザッダ(男)とくっつく小説なんて書くんだよ、ザッダ本人はセクハラしてくるし。

「グラーノ君が来るんと来ないんじゃ参加人数変わるから絶対参加してね。」

「親父が行くんなら大丈夫だろ。」

親父はこの国の王太子だったクセにどこに会ったか、うちのお袋を追っかけてこんな辺境まで来た男だ、もと王子様のせいか上品で色気が半端無いと大人気だ。

オレの兄弟は男9人女2人もいる一番上の姉ちゃんは王都に嫁ぎ(親父と逆パターンで玉の輿乗った)四男のオレと次女のトゥーリア

姉ちゃん(魔術師の塔に入っていて学びの都ドロンにいる)以外は結婚してたり彼女がいる。

「今度の旅行はガルヴァスの街のパワースポット光の女神様の神殿で恋愛成就と言う企画なの、いくわよね。」

所詮3才年上のミルヌさんには逆らえませんよ...ワカリマシタ。

「行きますよ。」

「良かったわ~女の子は希望者多いんでけど、男子が少なくてね~グラーノ君が行ってくれれば男子の参加者倍増なのよね。」

オレは男ホイホイっかてーの。ハアー

「何が不満なのよ、中身は田舎もののクセにその妙に色気のある顔整った顔立ち、手入れなんかしてないくせにフワウワの茶色の髪、茂みみたいにワサワサあるまつげ、紫の瞳、そんだけ恵まれてればいいじゃないの、男に狙われても。」

よくねーよ。


はーガルヴァスの街はにぎやかだな

チャーターしたバスから降りたって思った。

「まず、光の女神様の神殿いくわよ。」

ミルヌさんの先導で神殿までの道いったけど縁日かってぐらい店があった。

「グラーノ」

ザッダが嬉しそうにオレにくっいてきたついでに腰に腕を回された、尻なでるな。

「ずるいぞ、ザッダ」

トマト農家のジョールがオレの手を握った。

「おまえら、オレは男だぞ。」

「グラーノ君におさわり禁止ね、やぶったら罰金とるからね。」

ミラヌさんが言ってくれたけど誰もききゃしない。

なんで男がオレの尻だの肩だの胸だのさわりたがるんだ、気色悪い。

本当にミラヌさん罰金とってるな。


光の女神様の神殿は紫の石造りの神殿で細かい彫刻で飾られていた。

『商売繁盛守り』『子宝祈願符』『恋愛成就ストラップ』だの宣伝が貼ってある通路を抜けると巨大な光の女神レーリィンシア様の像が...無いじゃないか。

そこには天上界の庭園と言うのにふさわしい庭が広がっていた。

「あなたがグラーノ・バリル?レーリィンシア王家の末の」

紫の長い髪、紫の瞳の美しい...女装男がたっていた。

「あなたは誰ですか?」

「私は光の神レーホヘルトよ。」

レーホヘルト?聞いたこと無い。

「レーリィンシアの息子よ、信じたくなければ信じなくてもいいけど。」

信じますよこんだけ変な事されれば。

「レーホヘルト様はなぜオレのような田舎者をおよびになったんですか?」

「あなたに戦闘能力が無いからよ。」

無いけどな、なんでだ。

「これから、たぶん闇と空間の魔王が現れたって言う噂が流れるわ。」

魔王?子供のゲームとか物語の世界だな。

「倒せと?」

無理だろうオレには軍隊とか兵器とか使えばともかく。

「逆よ、あなたは討伐するふりをして各国の攻撃から、えん...闇と空間の魔王を守ってほしいの」

なんでだ?

「世界魔王は世界の自然を管理するもの、人間達の権威を示す為の標的にされたらこまるわ。」

「事情を説明すれば...。」

本当に納得するか?

「分かると思う?」

「わからないかもしれません。」

そうだよな。

「私は光の神よだから全てのものに平等に光の力を与えないといけないわ。」

確かにそうしてもらうのが一番だけど。

「だから、苑夜いえ、闇と空間の魔王を助けに動けないわ。」

憂いにみちた顔が綺麗だ。

「分かりました、光の神様の...」

なんの名称で動けばいいんだ?

「あなたを光の女神レーリィンシアの勇者と任命するわこの剣を証となさい。」

そう言うとレーホヘルト様はキラキラ輝く金の剣をくれた。

「光の神レーホヘルト様の勇者では無いのですか?」

「私の名前は知られていないから、お母様の権威を隠れ蓑になさい。グラーノさんよろしくお願いいたしますわ。」

光の神様に丁寧に頭を下げられてオレはもとの神殿に戻された。


「ちょっと、大丈夫?」

ミラヌさんの顔が目の前にあった。

オレはレーリィンシア様の像の前で倒れたらしい

「あれは夢か?」

手元を見ると例のキラキラ輝く金の剣しっかり持っていた。

ちょうど様子を見に来てくれた親切な神官さんが騒いだ。

「そ、それは光の勇者の剣!?」

他の神官さんが急いで持ってきてくれた『光の勇者の剣』ストラップとそっくりだった。

オレは『光の勇者』に祭あげられた。


レーホヘルト様

お願いです、オレに静かな農業ライフを返してください。

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