その27光の勇者の空回り冒険記5
昔、人間が今より、力をもっていた頃、自分たちこそ世界の支配者だと世界戦争をおこした。
蹂躙される他種族達、そして人間同士で争い。
世界の乱れに神々は憂いた...闇の魔王が一人いた。
彼に世界の嘆きが聞こえた。
うるさい世界を一つしかない大陸を魔王はうっとうしがり砕き3つの大陸と無数の島が出来た。
それでも魔王はおさまらずもっと破壊しようとしたので『光の女神』が光の剣で闇の魔王を倒した。
「なんだ、これは?」
オレは、古い書物のコピーから顔をあげた。
「だから、光の大神殿でコピーしてもらった、『闇の魔王』の記述のある神話、神々はその出来事を最後に力を失い眠りについたと言われてるわ。」
ミルヌさんが言った。
「今の魔王の情報は?」
オレが聞くとミルヌさんは頭を横に振った。
「ないのか、大神殿にも...。」
オレは後ろから抱き締めようとするザッダをよけながらいった。
今、オレ達は王都レーリィンシアムに戻っている...大神殿の駐車場にキャンピングカーをおきそこで話してるんだ。
光の剣は実在する、レーホヘルト様にもらって、オレが持っている...ただし、闇の魔王を守る為だけどな。
「レーホヘルト様、ほんとう守るのでいいですか?」
オレは、少し恐ろしくなって呟いた。
「ま、魔王がどんなのかわからないけどね。」
ミルヌさんは言った。
「王宮に行きましたが、特に魔王の目撃情報はないそうです、変な活動中してる連中が各地に出没しているそうですが。」
とマリアーヌさんは言った。
この間の連中なのか?
オレが考えてると、オレを抱きしめようとしていた、ザッダがマリアーヌさんに車の外に放り出された。
「トゥーリア、メルミル教授から、なんか聞いた?」
ミルヌさんが聞いた。
「あの、クラゲのおかげか、あの沼、綺麗になってきたって言う情報しかないよ。」
トゥーリア姉ちゃんが言った。
戻ってきたザッダがオレの髪にキスした、馬鹿。
「本当に、魔王なんているのだろうか?」
ジオさんが淡々と言ってたけど、レーホヘルト様が言った以上いると思う。
「ま、マメに情報集めるしかないよ。」
ミルヌさんが言った。
「そうだよね。」
トゥーリア姉ちゃんも言った。
「そういえば、亜人達の住んでる、荒れ地辺りに新しい国が出来たそうですよ。」
マリアーヌさんはザッダをけりだしながら言った。
「私も聞いたわ、ルーリーナと言う国でそこの女王が光皇様の後見人になったそうよ。」
ミルヌさんも言った。
「行って見るか。」
この時期に新しい国なんて不自然だ。
「そうね。」
ミルヌさんは言った。
みんな(いないザッダ除く)もうなずいた。
「グラーノ、あの女強すぎ~。」
ザッダが戻って来た。
「あなた、案外頑張りますね。」
マリアーヌさんが眉をひそめた。
おい、早速、腰さわってるんじゃない、ザッダ!オレは男だ!




