表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫世界の魔王様  作者: 阿野根の作者
紫世界の魔王様
33/66

その23 火の女神の攻略日記1

世界に力が満ちはじめ、われは、目覚めた。

最初に思ったのじゃ...。

可憐で可愛い、レーホヘルトに会いたいのう...と。

「うむ、では、会いにいこうぞ。」

ルーネーアス火山の火の神殿の寝床より身を起こし、われは光の神殿のある太陽に飛んだのじゃ。


「ルーネ?ルーネリスか?」

途中でラームヘルトに会ったのじゃ、レーホヘルトに似てるのに雰囲気が全然違う、男って感じじゃ、われは好かぬ。

「ラームヘルトか、懐かしいのう。」

じゃが、懐かしいのはたしかじゃ。

「もしかして、兄ちゃんに会いにいくのか?」

そうじゃ。

「...行かない方が良いよ、さっき、見かけたし...当てられるぞ。」

?何を見かけたのじゃ?


結局、振り切って、レーホヘルトに会いにいったら、あの女がいたのじゃ。


なんじゃ、先代世界魔王のひ孫で、現世界魔王じゃと信用できぬ!それに、レーホヘルトはわれと婚姻を結ぶのじゃ...。


あれが今、流行りのらぶらぶと言うものか...嫌じゃ、われは認めぬ。


「あのー、ちょっと、大丈夫?」

われが落ち込んで、海辺でたそがれていると綺麗な声がして振り向くと、レーホヘルトより麗しい...男子(オノコ)じゃった、われの落ち込み具合が見てられなかったと言っておったのじゃ、クレハは...。


「どうして、そなたは女子(オナゴ)なのじゃ。」

われは、クレハに一目惚れしたと言うに、クレハは女子(オナゴ)だそうじゃ。


「何、グジグジ、いってるんですの?ルーネ様、私が女なんて、私の身体をみた瞬間にわかったでしょう。」

クレハ、そなたに失恋した方がきついのはどういうことじゃ


「しかし、もし、そなたが男子なら離さぬ自信はあるのじゃが...。」

そんな、自信要りませんっとクレハに言われたのじゃ

「レーホヘルト様は良いんですか?」

そうじゃな、良くはないな、先代世界魔王のひ孫など、レーホヘルトにふさわしくないと思うのじゃ。


「オーイ、クレハ、あらし、来たぞ。」

ラームヘルトがにやにやと締まりのない顔でやって参った。

「ラームヘルト、何ようじゃ。」

われとクレハの時間を邪魔するなど許せぬ。

「何って、おれは、クレハとの愛の結晶!あらしに会いに来ただけだぞ。」

愛の結晶じゃと?

「違いますよ。」

クレハは否定したが誰なのじゃ、あらしとは。

「ラー、来た?」

可愛い4才くらいの男子が奥から出てきたのじゃ。

「あらし、おきたの?」

クレハが慌てて抱き締めたのじゃ、可愛い。

「クー、あらし、目覚めた。」

ニコニコしながら言ったのじゃ。

「その子は誰じゃ。」

クレハの子ではないようじゃな、腹が膨らんだところは見ておらんし。

「...嵐と海の魔王、もう一人の世界魔王だよ。」

ラームヘルトが言ったのじゃ、なんじゃと。

「それでは、あの女は、もう要らぬのではないか?」

われは言ったのじゃ。

「五十嵐苑夜を補佐するために、この子は、生まれた、世界の意志によって。」

ラームヘルト、何をいっておるのじゃ。

「世界の意識は、五十嵐苑夜世界魔王に執着している、彼女がもし、先代のように逃げ出してても、連れ戻されるだろう、それ以前に界渡りすら逃げる意識があれば、させないな。」

あの女にそこまでの魅力など、どこにあるのじゃ。

「苑夜ちゃんは逃げないわ、責任感がありすぎよ、この間も倒れたし。」

そのようじゃな。

「オレ、なんでこんな事知ってるんだろうな。」

ラームヘルトが遠い目をしたのじゃ、知らんわ。


「先代のせいで世界は乱れたがのう。」

奴が界渡りせねば、われとて、レーホヘルトの側で、起きてられたわ。

「次代を生み出す為にかけたんだよ、世界の意志は、故意に先代世界魔王を逃し、見事に日本の霊山富士山の魔王、御不二魔王の血筋を釣り上げた。」

オレ、今日はおかしいぞってなんじゃ、そなたが言ったのじゃないのか。


「ラー、お腹へった。」

あらしがおねだりした、可愛いのう。

「よし、飯にするか。」

そなたが用意するのか、ラームヘルト。

「私も手伝うわよ。」


クレハとラームヘルトはあらしをまとわりつかせたまま立ち上がった。

「ルーネも食っていくか?」

邪魔のようじゃな。

「いや、もうおいとまいたそう。」

どこも春なんじゃなと思いながら、われはルーネーアス火山に帰ったのじゃ、一人身はさびしいのう。


いつか、レーホヘルトやクレハより麗しい、男子とめぐりあえるとよいのじゃ...もちろん、レーホヘルトと婚姻を結ぶ事もあきらめないのじゃ。

あの、海辺で拾った卵からあらし君は生まれました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ