その17 闇の魔王の後始末レポート6
クレハちゃんに『光の教国』の表敬訪問に付いて来るように脅された。
守護戦士2級とったのがアダになったよ~。
ああ、瑠璃色の作務衣...じゃなくて守護戦士服が重い...。
「五十嵐魔王、五十嵐2級守護戦士よろしく頼むね。」
クレハちゃんの妹のコノハさん...准1級守護戦士が言った、クレハちゃんと似てるけど眼光鋭いな、紺色の守護戦士服が良く似合ってる、確か、クレハちゃんの事、守護戦士が一生に一人だけ定められる『護るべき人』にしてるんだよね、コノハさんなんてうらやましい、2級以上だから、私も定められるけど、現れたらいいなそんな人が。
「私が指揮を取ります、五十嵐守護戦士はその上の自己判断で行動を頼むね...でも。」
コノハさんは私の後ろの水色の守護戦士服つまり、准2級の服を着たラームヘルトさんと宇水の妖怪師匠の若い頃みたいな男性に目を向けた。
「役に立ちそうにないね、二人とも。」
コノハさんはため息をついた。
「僕は、役にたたないよ、ラーム君がこの訪問が実務経験になるかどうか調べるためだけに来た、宇水 蒼の若い頃のカケラっていうだけだしね。」
そうなんだ、さすが宇水の妖怪!
「オレは、師匠に言われて来ただけだ、役に立つかわからない、すまない。」
ラームヘルトさんは困惑しているらしい。
「後ろの代表者殿達、いざとなったら五十嵐守護戦士を頼って欲しいな。」
わかりました、コノハ隊長。
「おら達、足手まといにならないように頑張るだ。」
可愛い虎族の女性が言った、あのフワフワの耳さわりたいな...何か私見て目が潤んでるよ...自制しよう。
「そちらの准2級守護戦士は、当てにしないで欲しい。」
ラームヘルトさんはチーム守護慣れてないからね。
「私は女王陛下をお守りすることに専念するね。」
『護るべき人』持ちの守護戦士としては当然だよね。
「やっぱり、役にたたないか。」
ラームヘルトさんはため息をついた。
「自分だけ、守れればいいからね。」
とコノハ隊長が命じた。
コノハ隊長のやさしさ、わからないだろうな。
でも、出るわ出るわ刺客、襲撃のオンパレード...詳細は言いたくないけど、仮にも表敬訪問を容認しておいてこの攻撃なんなの?
「馬鹿過ぎてはなしにならないわ。」
ってクレハちゃんが呟いてたけど、本当だね
謁見室には小さな男の子が光の象徴の彫り込まれた豪華な椅子に座っていたけど...ま、この子はたぶん『光皇様』だからいいとして、隣に座った、さらに偉そうにギラギラ飾りつけた男は何様さ、嫌な目でクレハちゃんみてるな。
「けがれた亜人の女王は美しいですね。」
ギラギラ男は言った、ま、今日のクレハちゃんは、ブルー・ルリーナ時代の正装アレンジに瑠璃の髪飾りでいつもの格好から想像つかない位綺麗だけどさ。
「お初におめにかかります、私はクレハ・ブルー・ルリーナ・アルファンガス・宇水、ここにいる『人』達の国...ルーリーナの女王ですわ。」
クレハちゃんはギラギラ男を無視して男の子に向かって言った...国名、今きめたでしょう?
「なんと、無礼な、私を無視するとは」
あー、邪魔この男、わ!コノハさん怒ってるよ。
「ようこそ、光皇カリィンです、その人達は、誰ですか?」
成熟度が明らかに、小学低学年の男の子は目をキラキラさせて聞いた、部族の代表さん達、気になるよね。
「この『人』達は私の国に住んでいる人達ですわ。」
クレハちゃんはギラギラ男をまた無視して光皇に視線を会わせて言った。
「光皇様、この女はきっと皆を惑わす、闇の魔王の配下に違いありません、捕らえて詰問しなければ!」
わー下心丸見えー、捕らえて何するのさ、闇の魔王、ここにいるけどね、配下じゃないよ~、クレハちゃんはレーホさんの配下?
「.........クレハ女王は、光の神レーホヘルト様に信頼されてるのですね、『信じて良いのよ』と言う言葉が降りて来ました。」
この子、スゴイ『キユリ』並みにすごいよ、レーホさん言葉聴いてるし。(キユリは明生和次元のキユリの町、最高位の占い師で指導者です、守護戦士もキユリの町に本部があります。)
「光の女神様はレーリィンシア様です、光皇様。」
ギラギラが慌てて言った、こっちは交信できないらしい、当たり前、欲深そうだもん。
「僕は、現在、光の神様はレーホヘルト様とご本人より聴いていますが?」
ちょっと、戸惑ってますね。
「光の神様はレーホヘルト様ですわ、良くご存じですわね。」
クレハちゃんはニッコリとした、そうだよね♪将来有望の光皇様だよね。
「私には、何も...!」
能力不足だよ、ギラギラ男。
「ええい、者共、この無礼な女達とけがれた亜人を捕らえよ。」
アンタは悪代官ですか。
「ケガさせてもよいが。」
私達を傷つけられると思ってるの?
「あの女は傷つけるな!私が直接聞く!」
わー、クレハちゃん狙われてるよー、下心全開?
「大司祭様は、我らを殺す気だな。」
道中戦った刺客連中は顔色をなくした。
「ハァー、あほらしー。」
コノハ隊長は心底嫌そうな顔をした。
「守護戦士は強いのだな♪」
ニコニコして光皇様は言った、男の子ってそういうことの好きだよね。
もちろん勝ったよー、刺客の10人+大司祭1人ぐらい守護戦士が二人(ラームヘルトさんは自分守ってくれたしね。)で充分だよ、しかも一人は准1級だよ、負ける分けないじゃない、光皇様の目の前で暴れた連中と命じた大司祭は逆に捕まった、光の教国の光皇様の前で暴れたたんだよ、申し開きできるかい。
「.....レーホヘルト様が『クレハ女王陛下に成長するまで後見になってもらったらいいわ』といってる。」
カリィン君、光皇様はまたレーホヘルトさんと交信したようだ、光の精霊王(仮)とも交信できるのかな、あ、目の前にラームヘルトさんいるわ。
「お受けいたしますわ、光皇様の様に皆さんも、きっと私の国の『人』達をいじめたりせず、仲良くしてくださいますわよね。」
クレハちゃんは笑顔で謁見室にいた人達を脅した、そうだよね。
光皇様、赤狼族の若長に肩車してもらってニコニコだもん。
「皆、仲良くしてください。」
ニコニコの光皇様に光の教国の連中折れざるえなかったようだ。
部族のみんなへの虐待は減った、不心得者がたまにして『自信』を持った『人』達に撃退されるようになったっていってた、よかったね。
「自分守れたから、実務経験に入れとくね♪」
ラームヘルトさんを採点してた、宇水の妖怪師匠のマイナーバージョンはそう言うと
「マッハ2!」
グギュイーンと凄い勢いで空飛ぶ人参になって去っていった、ソウトントンだったんだ、あれ?何でソウトントンが宇水の妖怪師匠の代役してるのかな?良くわかんないや。
「ねぇ、クレハちゃん、男女問わず、ファンレター?ラブレター?みたいのがきてるよ、変な手紙もあって怖いよー。」
私は守護戦士していらいなぜか来ている手紙をクレハちゃんに見せた。
「五十嵐さんも?私は女性からきてるよ。」
コノハさん格好よかったもんね。
「...『私の緑の王子様、あなたは私のモノよ、あの男はなんですの、この浮気者。』...ごめんなさい、不気味ね、私もこの間、生まれる前から愛してるって言ってきた変な男に求婚されたわ、コノハに撃退されたけどね。」
はぁってクレハちゃんはため息をついた、今日はいつもの明正和学園のTシャツ、ジーンズだけど綺麗だもんね。
これから変な人に付きまとわれたらどうしようかな。




