その14闇の魔王の後始末レポート5
会社でクレハちゃんと雇用契約結んで(会社の管理者がね)光の神殿に行くと、何故かレーホさんの他にラームヘルトさんがいた。
クレハちゃんを見たラームヘルトさんは、固まった。
「...美しい...なんて綺麗な女性...現実とは思えない。」
一目惚れしたらしいラームヘルトさんはうわ言のようにつぶやいた、一瞬たりともクレハちゃんから目をはなさずに...。
「...誰よ?、仕事の話しをしに来たのに。」
確かに絶世の美女だけど、中味、知ってるしな、レーホさんは別にうっとりしてないしいいや、ラームヘルトさんがどうして来たかも教えてくれた。
「ごめんね、クレハちゃん、この人、私が選んだ国の代表にどうしても会うって来たんだって、ラームヘルトさんです、こちらは光の神のレーホヘルトさん。」
ラームヘルトさんはやっぱり私をあんまり信用してないみたいで、来る予定じゃ無いのに飛んできた、とたんこれだよ。
「レーホヘルト様、よろしくお願いいたしますわ、私はクレハ・ルリーナ・アルファンガス・宇水ですわ、そちらの方は何の仕事をしてますの?」
クレハちゃんは攻撃モードに入った、軽薄なラームヘルトさんタイプきらってるからな。
「オレは光の精霊王をしている。」
ラームヘルトさんは甘い微笑みをうかべて言った。
「そうですの。」
クレハちゃんは素っ気ない口調で切った。
「今のところは、光の精霊王なの、光の精霊王が生まれるまでの仮の地位よ。」
レーホさんはそう言った、じゃ、本当はどんな地位の人なんだろう。
「私には関係ありませんわ。」
そうだよね。
「...クレハちゃん、その頭...。」
それより、布でおおってる頭が気になるよ...端末でみたけどさ。
「あ、髪揃えてる間がなくて。」
そう言うと思い切り良く布を取った...痛々しいよその肩までのザンバラ髪。
「ごめんね、布取らせて。」
私は長い髪のクレハちゃんしか見たこと無かったから...辛いのに取らせてごめんね。
「その髪はいったい...。」
ラームヘルトさんがつぶやいた、ザンバラだから、ショックなのかな。
レーホさんには話してある、今朝のうちに。
「ラーム、後で私が話すわ。」
とレーホさんはあわてて言った。
「この髪の毛は、私が自分の尊厳を守る為に自分で切ったものですわ。」
クレハちゃんはさっぱりした顔で言った。
「尊厳を守る?」
ラームヘルトさんは聞き返した。
「ええ、『とりあえず』のプロポーズなんてお断りですもの。」
爽やかに笑ってるよ、大丈夫そうだね。
「ラーム、後で私が説明するから黙っていてちょうだい、ごめんなさいクレハさん。」
レーホさんがあわてて言った。
「ごめんね、クレハちゃん」
私も言っとかないとね、布取らせちゃったし。
「私も強く言い過ぎたわ、ごめんなさい、ここに来る途中で例のストーカーに、髪を切っても『クミ王子様』は美しいって言う迷惑メールが来てたのよ。」
それなのに、ラームヘルトさんに美しいって言われれは引くよね。
「あの、女性の考古学教授だよね、『クミ王子様』研究者の変態の。」
その人、有名人なのに、クレハちゃんの事『クミ王子様』って呼んでストーカーしてるって、最初の調査の時に対応したら『クミ王子様』って不気味な迷惑メールが来てるって言ってた。
「ストーカーだと...。」
ラームヘルトさんは顔をしかめた。
本当のライバルはその人じゃ無くてとりあえずプロポーズの『リサ王太子様』ですよ...本当にクレハちゃん吹っ切ったのかな?
「ラームヘルト様には関係ごさいません、レーホヘルト様、こちらの国組織作りはおまかせください、精一杯頑張りますわ。」
クレハちゃんは艶やかに微笑んだ。
「美しい...。」
ラームヘルトさんはうっとりつぶやいた。
「よろしくお願いいたしますわ、女王クレハ・ルリーナ・アルファンガス・宇水」
レーホさんが言った、女王クレハ、あってるよ頼むね。