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紫世界の魔王様  作者: 阿野根の作者
紫世界の魔王様
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その12 女王陛下の改造記録1

この間会えなかった友達の五十嵐苑夜ちゃんから、夜、電話が来たわ。

『突然、電話してごめんね、クレハちゃん。』

何か、疲れてる?怪我は無さそうね。

「疲れてそうね、苑夜ちゃん。」

私がそう言うと端末の映像の苑夜ちゃんはニッコリ笑った。

『大丈夫だよ、クレハちゃんは大丈夫?』

頑張ってるのね、それに引き換え私は...。

「まあまあよ。」

私はあいまいに微笑んだ。

『ねぇ、クレハちゃん...聞きづらいだけど、その頭どうしたの?』

端末の映像見て気がついたみたいね...最初からでしょうけど、やっぱり、髪の毛短くなってたら聞きづらいわよね、まだ、そろえてないし...。

「緒事情によりよ、何か用があるのでしょう?」

短くなった銀の髪の毛をもてあそびながらきいた。

『...緒事情?...大変そうな時にごめんね、後にしようか?』

相変わらずやさしいわね、苑夜ちゃん

「良いのよ、話してちょうだい。」

私は、苑夜ちゃんの目を見て言った。

『うん、あのね、実は今私が世界魔王している世界事で頼みたい事があるの...。』

苑夜ちゃんの話によると少数の部族、緑竜族

とか赤狼族とかともかく人間がメインじゃない人達を迫害したいる『光の教国』と言う宗教国家があって、そのアホ国家に対向する国組織を荒れ地(といっても手入れすれば農地になるし、海辺もあるそうだけど、部族はこの辺にいるようだし。)に立ち上げたいので代表者を紹介してもらえないかと言う話だったわ。

『そこの部族の長は意地のはりあいで王様とか向かないだって。』

苑夜ちゃんは困ったように言ったわ。

「なんて、バカ国家なのよ、その『光の教国』?...わかったわ、私がするわ。」

なんてタイミングなの...渡りに船ってこの事よね。

『え、クレハちゃんが行かなくてもいいんだよ、忙しいんでしょう、仕事、誰か紹介してくれれば...。』

苑夜ちゃんってちょっと鈍いわ。

「だから、今、と言うか今日失業したのよ、明日からハローワーク通いする予定だったのよ、国組織作り引き受けたわ。」

私はニッコリ微笑んで言ったわ。

『え~失業?、ハトコのブルー・ルリーナ王国の王太子様の執務の補佐で就職してたんじゃないの?』

髪の毛短くなったのよ、理由があるのわからないの?ニブニブねぇ、苑夜ちゃん...ハア。

「ああ、あのバカの所を今日辞めて来たのよ....。」

フ、フフフフ。

『な、何があったのクレハちゃん?』

端末の映像の苑夜ちゃんはちょっとおびえてたわ。

「やっと気がついたわね...実はね。」


今日の午後、私と奴(で充分よ)はブルー・ルリーナ王宮の奴の執務室で一服休憩してた時のことよ。

(あー、いつ見ても、リサって素敵ね。)

私は奴の綺麗な顔を見ながらうっとりしていたわ、その時まで不覚にも私、奴に片思いしてたのよね。

「そう言えば、クレハの友達婚約したそうですね。」

奴は綺麗な動作でルリ茶(ルリの木の葉を乾燥させた物、一般的にブルー・ルリーナで飲まれているお茶、風味がちょっと違う緑茶っぽい味)を飲みながら言ったわ。

「苑夜ちゃんの事?確かに婚約したって聞いてるけど、何で知ってるの?」

リサ、苑夜ちゃんと直接的な接点無いわよね、私、リサに言ったかしら?

「苑夜さんも婚約したんですね。」

あら、苑夜ちゃんの事じゃないの?

「クレハも私も仕事ばかりでそう言う出会いがありませんね。」

リサは微笑んで言ったわ、それだけで私、ときめいたわ、リサがいるから頑張れるのよって思ったわ。

「クレハ・ブルー・ルリーナ・アルファンガス・宇水。」

正式な名前を呼ばれてリサを見ると真剣な瞳があったわ、そしてリサは私の手をとって言ったわ。

「とりあえず、私と婚約してみませんか?」

トリアエズ...?

「とりあえずですって!?」

何よ、その怪しい勧誘みたいなプロポーズ!

私は奴の手から自分に手を引き離し、机の上のハサミを手に取った。

「クレハ?何を!?」

私は、ニッコリ微笑んで髪の毛をつかみぶった切ったわ、膝下まで伸びた銀の髪の毛がバサッと落ちた。

「お断りしますわ、王位継承権も破棄致します、仕事も辞めさせていただきますわ。」

私は、髪を風の魔法で吹き散らしながら言ったわ。

ブルー・ルリーナ王族(私はたいした継承権の順位じゃなかったけどね。)が髪の毛を切ると言うことは王位継承権の破棄を意味すること(正式な場で複雑に髪の毛を結い上げるからなの。)もう、王宮の、王太子の、リサの仕事に

関わらないって意味をこめて切ったの、吹き散らしたのは嫌がらせよ。

「いったい、どこが気に入らなかったんですか?クレハ?」

奴は私の気持ちを全然分かって無いみたいだった。

私は、さっさと自分の荷物をまとめてザンバラの髪をルリ焼きのお店の『ムギット』でもらった手拭いでかくした。

「辞表は、のちほど郵送致します、リサ王太子殿下!」

オロオロしながら、私の髪の毛を拾い集めてる奴にニッコリ微笑んで、奴を残して私は王宮を出ていった、私の剣幕と迫力に負けたのか誰も止めなかったわ、さようなら、リサ王太子殿下、私の元片思いの王子様!と思いながら...このクソバカ王子め。


『そ、そうだったの大変だったね。』

苑夜ちゃんは少しおびえてたけど、優しくそうに言ってくれたわ。

「だから、思いきって、国を出るわ。」

親も何とか元サヤどころか、リサとの縁談進めようとしてるし...昨日までなら嬉しかったけどね。

「クレハ、開けてください、誤解です。」

部屋の扉のまえから奴の声がする。

そうじゃなきゃリサここまでこれないわよね。

『クレハ・ブルー・ルリーナ・アルファンガス・宇水さん、大変な仕事を引き受けてくださりありがとうございます。』

苑夜ちゃんが深々と頭を下げた...世界魔王としてよね、これは。

「精一杯勤めさせていただきます、五十嵐苑夜魔王。」

私、正式な礼をして答えた。

『明日、会社これるかな。』

端末画面に地図が表示されたわ、江木の転位の門近くなのね。

「江木の転位の門使っていくわ、何時までに行けばいいの?」

そうに聞くと苑夜ちゃんは急がしてごめんね、っていいながら10時を指定した。

『本当にありがとう。』

といって苑夜ちゃんからの電話は終了した。

頑張ろう、故郷には、当分帰らないわ。

『クレハ~。』

『リサ王子、邪魔よ。』

あ、コノハ来てくれたのね、うっとうしいリサ、排除してくれたみたいね、多分、コノハも来るはよね、私の妹にして私の守護戦士ですもの、言っておかないとね。

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