その8光の女神(元女装)の世直し手帳2
「この間から悪いわね、服用意してもらったり...今日は来てもらったし。」
服は光の精霊に持ってきてもらったから、直接会うのは120年ぶりかしらね。
「別にいいけど、外に出たいなんて引きこもりの兄ちゃんが珍しいな,服もちゃんと用意したの着てるし。」
弟は私と違って外回りしている、世間も知ってるしちゃんと男してるわね。
「ちょっと、心境の変化があったのよ、それに、お母様の格好だと、レーリィンシア降臨とか言われるし、この間なんて光の勇者もその格好で会っちゃったわ。」
男の格好してると苑夜が意識してくれるのよね。
「兄ちゃん、闇の魔王のひ孫と婚約したって本当?」
あら、どこで聞いたのよ、それ?
「苑夜ちゃん、可愛いわよ。」
私は、少し顔が赤くなった。
「えー、あの無責任男のひ孫だよ、騙されてないよ!?」
騙されて無いわよ、疑り深いわね。
「こんにちは。」
不味い、苑夜が来たわ、でも今日も可愛いわ~。
「いらっしゃい、苑夜ちゃん。」
私は、嫌な顔する弟から隠すように苑夜を脇に引き寄せたわ、今日はシャンプーの匂いがするわ。
「あ、お客さまですか?すみません、お話お邪魔してしまって。」
いやん、可愛いわ~。
「これはご丁寧に、はじめましてレーホヘルトの弟のラームヘルトです。」
弟は不機嫌そうに言ったわ。
「私は、五十嵐苑夜です、お兄様にはいつも大変お世話になっております。」
そんなこと無いわ、可愛いくていつも癒されてわよ。
「お世話してるの?兄ちゃん。」
弟はますます、不機嫌そうに言ったわ。
「あのね、苑夜ちゃん、今日のデート、人間の町に行って見ようとおもってるんだけど。」
私はまだ、ラームヘルトの方を見ている可愛い顔を見て少しニヤケながら言った。
「わかりました、でも、お忙しいのなら、無理に出かけなくてもいいですよ、弟さんがいらっしゃるみたいですし。」
苑夜は残念そうな顔をして言った...健気だわ。
「良いのよ、弟には、私が外に出る為に来てもらったのよ。」
私は苑夜を抱き寄せながら言った、柔らかい...ウフフ。
「えっと、あの...その。」
何か、モゾモゾしていて可愛いわ~。
「ここで、イチャイチャされても、見苦しいので、留守番しててやるから、さっさと行ってください。」
弟がめんどくさそうに言ったわ...良かったわ、私の変わりに光の制御しないってごねらねたら、デート行けないもの。
「ありがとう♪ラーム、お土産買って来るわね。」
私は苑夜を抱き上げようとした。
「あ、歩けます。」
そうなの?残念。
「五十嵐苑夜さん。」
何よ、ラーム馴れ馴れしいわね。
「はい。」
と苑夜は可愛い声で返事したわ。
「兄の事、不幸にしたり、裏切ったら許しません。」
弟は恐い顔をして言ったわ。
「ちょっと、やめなさいよ。」
私は、あわてて言った...おびえちゃうじゃない。
「あの、確かに私はひい...先代世界魔王フェレスのひ孫で信用と思います、必ず幸せにするって断言出来ませんけど、レーホヘルトさんに誠実に対応すると約束します。」
苑夜はラームの目をしっかり見つめて言ってくれたわ。
「...まあ、あの馬鹿のひ孫と思えないほどばか正直ではあるな。」
さっきより柔らかい表情で弟は言ったわ。
「すみません、家のひいお祖父ちゃんのせいで...。」
苑夜は凄く申し訳なさそうに言ったわ。
「本当だよ。」
プイッと横を向いた弟が少し可愛かったわ。
「しばらく留守番していてやるから、一週間でも、一月でも好きなだけデートしてこいよ。」
まあ、大盤振る舞いね。
「ありがとう♪ラーム。」
嬉しいわ。
「ち、ちょっと、それ困りますよ。」
苑夜はあわてて言った...あわてた顔も可愛いわ。
私は嬉しさのあまり苑夜を抱き上げて、人間の住む国に降りたわ。