その7光の勇者の空回り冒険記2
「グラーノ?大きくなったわね。」
ミュラーサ姉ちゃんは随分子ども産んだね。
豪華な応接室でオレは思った。
列車に乗って、ルムルム村から3日も掛かった。
光の神レーホヘルト様のご要望だしかたないな。
ザッダも一緒にきたが、寝台車で襲われそうになったり、他の男もオレを抱き締めようとしたり、襲われそうになった、さらわれそうになったとき、ザッダが助けてくれたはいいが、助け賃に押し倒そうとしたので急所蹴って難を逃れた。お前ら、オレは男だぞー!そう言うことは女にやれー!
「グラーノ君、綺麗になったね。」
義兄のこのレーリィンシア王国の王太子がオレに妙な色気を向けつつ言った。
一番上の姉は父と逆方向の道のりを進んでいる、つまり父を連れ戻しにきた王太子をどうやってか落とし超玉の輿に乗ったのだ。
「グラーノ叔父様よ。」
と姉は子ども達に言った、男の子ばかり8人もいる、今、姉ちゃん妊娠してるしな。
「おじさま?」「おじちゃん?」「おいちゃん?」「おじ?」「グラ?」「おーちゃん?」「おったん」「じー?」
まだ、小さい王子達がバラバラと寄ってきて、まだ話がすんでないからとそれぞれの乳母に回収されていった。
本当に結婚14年間で良く産んだね、11才から3才まで、双子も2組いるし...また産むんだね。
「大変だね、光の勇者だなんて。」
義兄さんはさりげななくオレの座るソファーの隣に座ってオレの手を握った。
ザッダ、対抗してオレを膝に乗せようとするな、やめろよ!
「グラーノ、なんで抵抗するの?おれとお前の仲じゃないか。」
ザッダも妙に甘い声で言った。
「やめろ、ザッダ。」
「グラーノ、照れてるの可愛い♪」
だからそう言うことは女にやれー!
オレはザッダを無視して義兄さんに話しかけた。
「魔王は確認されているのですか?」
「う~ん、噂はねあるんだよね、闇の魔王が戻ってきたって...。」
義兄さんはさりげなくオレの肩を抱いた。
「でも、実害は出てないと?」
肩から腕をはがしながらオレは言った。
「そうだね、古代遺跡の放置された森で怪しい活動してる団体は報告があるんだよね、少し変な格好と特殊な術を使ってる連中が怪しいって報告も有るけどねぇ。」
さすが、腐っても王太子だ情報量が多い。
「でも、心配だなぁ、グラーノ君は、綺麗で色気があるからね、こんな野獣と一緒に旅に行くなんて...。」
今度は尻触ったよ、おい!
「野獣って、おれの事ですか?」
ザッダは不満そうに言った。
「アルデミルト、あなた、グラーノに何してるのよ~。」
アルデミルトは義兄の名前です。
妊婦を興奮させるなよ。
「ごめんよ、ミュラーサ、グラーノ君が君に似てるので、つい。」
絶対、ウソだミュラーサ姉ちゃんの手を握りながら、オレの手も握ってるし。
「さあ、君は疲れてるよ、グラーノ君は直ぐに出かける事はないし、休んでおいで。」
王太子は、姉をさりげなく追い出した。
「おれが、グラーノを守り抜くから大丈夫ですよ。」
確かにザッダは強い。
「野獣1人では心配だ。」
確かにザッダ1人じゃあな、う~ん...そうだ!
「ドロンにいってトゥーリア姉ちゃんにでも応援頼みますよ。」
トゥ姉ちゃんは魔法使いだしね。
「騎士は、いい人材がいるよ、呼んできてくれ。」
王太子が御付きの男性に言った。
「かしこまりました。」
男性は部屋の外へ出ていった。
「後は、神官かな、誰がいいか。」
う~ん
「ミラヌに頼めば良いじゃないの。」
あ、姉ちゃん帰ってきた。
「ミュラーサ、大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、ミラヌなら准神官の資格持ってるし、王都の光の大神殿の大神官の孫娘だし、力強いわよ。」
ミラヌさん、単なる農協職員じゃあなかったんだ。
「では、私は光の皇王様に話しを通しておこう、光の教国はうるさいからな。」
神殿とまた違った方面の宗教でやっぱり光の女神レーリィンシアを信仰してるらしい。
「お召しにより参りました。」
その時、御付きの男性につれられた、若い騎士の格好をした、長身の女性が切れのいいみのこなし入ってきて、王太子の前に膝まずき騎士の礼をとった。
「ごくろう、グラーノ君、彼女は近衛騎士のマリアーヌ・ラリートだ、マリアーヌ、彼は、光の勇者のグラーノ・バリルだ。」
王太子が紹介した。
「光の勇者グラーノ・バリル様、マリアーヌ・ラリートです、よろしくお願いいたします。」
涼やかな声に聞き惚れた。
「よろしくお願いします、コイツは、狩人のザッダです。」
「よろしく、所で騎士ってバイクにのって剣で戦うんですか?」
ザッダ、男の子スイッチ入った?
「ええ、私は、槍隊なのでエモノは槍ですが。」
槍なんだカッコいい!
「マリアーヌは近衛の中で1、2を争う実力だよ、マリアーヌ・ラリート、光の勇者の護衛を命じる。」
義兄さんは
カッコ良くいった、でもオレの手をはなさない、ハァ~。
「勅命承りました。」
カッコいいなぁ…。
「只今より遂行致します。」
オレの尻をなで回してた、ザッダは排斥された。
マリアーヌさんは、頼りになるけど情けないなぁ…オレ。