21-ⅳ)新たな始まり〜悲劇な人々
マルジャーナの悲鳴で駆け付けたのはブランの使用人たちだけではない。周辺にいたカラヤ商店の従業員らや、当主家の使用人たちもブランのテントに集まった。
当主家の使用人の一人はマルジャーナが短剣によって傷を負わされたと知ると、急ぎ、ローゼンのもとへ報告に走った。
テントの中では屈強な人足らが放心状態で無抵抗のブランを取り押さえ、マルジャーナ付きのメイドは急いで傷の手当てを始めた。
「今度は刃傷沙汰か……」
使用人から話を聞いたローゼンは思わず溜め息を吐いていた。彼は今、腹ごなしに倉庫で荷運びの手伝いをしていたのだ。
「いや、全く、ブラン様の所は問題ばかり起きますなぁ」
と、使用人の男も肩をすくめながら呆れ顔で言う。
「さて……」
と、ローゼンは顎をつまんで視線を横に流して、しばし、思案するのだった。
マルジャーナの居住用テントが人足たちの手で解体される。通りがかった商人の男が作業をする人足の一人に訊ねた。
「あれ? そこ、マルジャーナ様のテントだろ。里帰りでもなさるのかい?」
人足は作業の手を止めて振り返ると、「いや…」と、里帰りの事を否定して、意外そうな顔で訊く。
「それより、聞いてないのか? 事件の話」
「俺はついさっき、物流拠点に戻って来たばっかりだから」
「そうか。実はな、マルジャーナ様がブランに斬られたんだ」
「えっ!?」と、商人の男は目を剝いて驚いた。
「幸い、怪我は腕だけで済んだんだが、精神的なショックが大きいみたいでさ。それで、ローゼン様がマルジャーナ様を保護する為に客人扱いにして、マルジャーナ様のテントを当主家のエリアに移す事になってよ」
「しかし、まぁ。なんで、そんな事に。ブラン様とマルジャーナ様は長い間、恋人関係にあった仲だろ?」
「そんなの、俺だって知りてぇよ。ブランの両親のライト様もマンダネ様も泣いてマルジャーナ様に謝ってたよ。可哀想に。あんな出来損ないの息子のせいでよ、犯罪者の親になっちまった」
人足はブランに対して反感を抱いているのか、さっきから敬称を付けずに話している。
「それで、ブラン様は?」
「ひとまず、檻ん中だよ。調査した上で役人に突き出すか、荒野に放り出すかを決めるみたいだ」
「はぁ〜。ブラン様も地に落ちたもんだねぇ〜」
商人は商人で、敬称を付けていても、ブランについては嫌味たっぷりな物言いになる。
商人と立ち話する人足に、仲間の人足が声をかける。
「おい! なに油売ってんだ! 手伝え!」
「あっ! いけね。悪りぃ、今行くってぇ!」
と、仲間の人足に詫びを言うと、商人との話を中断させた。
「じゃあな」
「ああ、邪魔して悪かった」
人足と別れて、歩き出した商人は腕組みしながら思った。
『それにしても、ブランは罰当たりな男だな。あんな美人と結婚はしない。おまけに傷付けるだなんて。なに考えてるんだ』
そして、「ケッ!」と、不愉快げに吐き捨てた。
テントを移設する間、マルジャーナはローゼンの祖父母のテントで休ませてもらう事となった。そこにはマルジャーナを心配して訪ねて来たカリーナの姿もあった。
ソファーを勧められて座ったマルジャーナがテントの主であるローゼンの祖母・リナに礼を言う。
「ありがとうございます。大奥様」
「あら。わたしはもう大奥様じゃないと言ったはずよ? 名前で呼んでくれて構わないから」
「はい」
微笑むリナにマルジャーナは素直に返事をするが、着席前にその目が一瞬、リナの隣に座るサクを見た。それをサクは悪意や敵意の眼差しとは感じられなかったので、普通に受け流した。
カリーナもマルジャーナに続いて座ると、リナに詫びを言う。
「あたしまで押しかけて、すいません」
「心配なのよね。気にしないで。あなたもお茶を飲んで心を落ち着けるといいわ?」
「ありがとうございます」
リナに礼を言った後、
「それにしても、ひどいよ、ブランの奴。マルジャーナを傷付けるだなんて……」
カリーナの視線が隣に座るマルジャーナの左腕へと移る。その腕には白い包帯が厚めに巻かれている。
「ところで、ブランはどうなるんですか」
と、暗い顔のマルジャーナに訊ねられたリナは当主であるローゼンが決定を下すのであろう事を話す。
「さぁ? ローゼンのテントに集まって、どうするのかを決めているのでしょうけど、軽い罰では済まないでしょうね」
「ママも呼ばれてましたね」
話し合いに母カーラも加わっている事を疑問に思ったサクがそう言った。彼女の背後には護衛のカヲルが静かに立って控えている。賢い彼は来客を持て成す主人たちの会話に口を挟まない。
「ほら。あの人は腕が立つから、意見を求められているのよ。傷の大きさや深さとかも判断材料にするのだと思うわ?」
リナの説明に「はぁ…、なるほど」と納得したサクはマルジャーナの怪我を心配した。意地悪な相手とは言え、これほどの大事であるからだ。愉快には思えない。
「それより、傷が綺麗に治ってくれるといいですね」
「そうね」
憂え顔のサクにリナも同調し、カリーナもうなずいた。向いに座るマルジャーナは反対の手で包帯をつかみ、うつむいた。その顔には愛する者に大切にされずに傷付けられた悲しみや、愛する者と分かり合えない苦しみがあるようにも見え、何よりも、その痛々しい姿にサクは
『凄く痛いわな……』
と、心から同情していた。
その頃、当主のテントではマルジャーナの傷の事について、ローゼンたちが話していた。
「さっき見せてもらったけど、あれは痕が残るね」
母カーラに祖父ローキも同意見だった。
「傷が深かったからな。こう、縦に長く入っていたな」
と、彼は自分の左腕を前に出して拳側を上に向けて、右手で左の手首から肘の辺りまでを上から下に斬る動作をして見せる。
「凶器は本当にブランの短剣で間違いないのか」
何か引っ掛かるのか、顎先をつまんで考え込むように訊くサクの兄・レイに弟ルークが答える。
「うん。ブランは剣の他に、いつも腰に短剣を携帯してるからね」
「血は短剣にしか付いていなかったから、間違いないだろう」
と、父カイトも事実を述べる。
彼らは当主家とその縁戚の中でも武術に長けたメンバーだ。しかも、剣の扱いにも精通している。
他には人足頭兼警備隊長が三名と、番頭のトリンタニーやその長男サドリと他の幹部一名の姿も見られる。
『当主家からは剣の扱いが詳しい者を集め、店側からはガナンのようなローゼン様と近しい者は除外したか』
番頭トリンタニーが思うように、この人選にはローゼン寄りでない者も含まれているのだ。
「でもさ、ブランは自分じゃないって言い張るし、マルジャーナの傷はひどいし。どうすんの?」
母カーラが当主である息子のローゼンに訊ねる。皆の視線がローゼンに向けられた。
『これはカラヤ家の身内だけの問題ではない。弱者を傷付けるような事件は店の信用にも関わる』
心中でそれを案じるのは番頭のトリンタニーだけではない。皆が固唾を呑んでローゼンの言葉を待つ。
当主ローゼンが口を開く。
「俺は公平に決める」
そう答えたローゼンはその視線をある人物の方へ向けた。このテントにはもう一人、呼ばれた者がいる。
「その為にキルス、お前の見解を聞かせてくれ」
「へい」
指名されたのはサク専属の護衛隊長キルスだった。彼の後ろ、つまり、腰の所には短剣を装備している。
進み出たキルスの眼差しは真剣なものであった。
一方、ブランの両親、ライトとマンダネは夫妻のテントにいた。
「どうしましょう、あなた……」
塞ぎ込む妻のマンダネの肩に手を当てたライト。
「ローゼンは調べが付くまで、ブランを檻に入れておくと言っていたが、おそらくは役人に突き出すか、ハイエナの餌にすると言った意見が出るだろう」
それを聞いたマンダネは恐る恐るライトの顔を見上げた。
「ブランは最悪の場合……」
ライトの口から出たのは、やはり、残酷な予想の方だ。
「死ぬ事になる。娘を持つ親の処罰感情を考えれば、ローゼンも役人に突き出す程度では軽いと考えるかも知れない」
「あぁッ……!」
絶望の声を上げて両手で顔を覆ったマンダネに対し、ライトはマルジャーナの両親への罪悪感を口にする。
「しかし、ただハイエナの餌となる程度ではマルジャーナの両親に顔向けが出来ない。それに、荒野に放り出すだけでは、わたしたちがこっそりブランを助けたと疑われかねないからな。どのような決定が下されても、ブランをわたしの手で始末させてもらえるよう、ローゼンに頼むつもりだ。もちろん、マルジャーナの両親の前でだ……!」
ライトの決意は固い。その証拠に拳が固く握りしめられている。さらに、ライトは不肖の息子への怒りを露にする。
「あいつはつまらぬ女と結婚したかと思えば、それを用済みと切り捨て、叔母の実家に義理を欠き、仕事でも軽率に動き、ことごとく、わたしの期待を裏切った。その上、ずっと尽くしてくれたマルジャーナを気に入らないと言って、斬り付けるとは!」
マンダネもこれまでの息子の行いを振り返ると、諦めが付いた。
「……そうね。ブランの事は諦めるわ」
ポツリとつぶやいたマンダネにライトは提案した。
「なぁ、マンダネ。向こうのご両親の許可を得られたら、マルジャーナを わたしたちの養女としよう。出来れば、結婚相手も見つけてやりたい」
「そ、そうね。その方がいいわ」
マンダネはライトの両手を握って賛成した。それに、ライトはうなずき返す。二人とも、その方がマルジャーナへの罪滅ぼしになると思ったのだった。
ほどなく、専属のメイドに呼ばれて、マルジャーナは移設された自分用の居住テントへ向かった。
移設作業に携わった人足たちの姿はすでにそこにはなく、彼らは当主家からの臨時手当をもらいに行っているのだが、そんな人の労力や人の懐具合の事は彼女たちにはどうでもいい事だった。そういう所がお人好しなサクや、義理堅いレイとは大いに異なる所であり、ローゼンのような人間はとっくにそこを見透かしている。
ローゼンは傷の手当てを終えたばかりのマルジャーナに対して、当主家の客人扱いとして保護する旨を申し出て、彼女のテントを当主エリアに移設する事を提案したのだが、
『テントの移設を受け入れたか』
と、マルジャーナがすんなりと受け入れた事に内心では呆れつつも、予想はしていた。
マルジャーナのテントを出て早々、ローゼンは思わず頭をかいて思った。
『これがサクやレイなら断っただろうな。ブランは捕縛してあるし、テントの移設までする必要はないと、レイは判断するだろう。サクは人の労力を考えて遠慮するに違いない。ああ! やっぱり、厚かましい女だ!』
ローゼンにそのように思われているとは露ほども思わず、わざわざ当主家のエリアに移設された自らのテントの前に立ち、思わず「フンッ」と鼻息を出して、一瞬だけほくそ笑んだマルジャーナ。
『同情で旨くローゼンの気を引けたわね』
そんな主の思惑など知らずに、専属メイドがさっそく自らの手柄を誇るように得意げな顔でテントの扉を開けた。
マルジャーナが先に入り、それにカリーナが続く。メイドは最後に入り、扉を閉めると、指先を揃えた手で中の様子を指し示す。その手は『さぁ、ご覧あれ!』と言わんばかりだ。
「中の家具の配置も何も彼も、全てッ元通りでございます!」
わざわざ「何も彼も」と「全て」という同じ意味の言葉を重複して言うほどに自己満足に浸っている。だが、そんな彼女の心理に誰も気付かない。そもそもテントの移設も家具の設置も人足らのお蔭だ。彼女は家具の配置について口出ししただけである。
「ありがとう」
マルジャーナがいかにも品良く、主の顔で礼を言う様子を鼻に付くともなんとも感じぬカリーナは彼女にただ単に
「良かったね」
と、声をかけた。そこへドアノックの音がした。訪ねて来たのは当主家の最年長の女中だった。
当主家から怪我をしたマルジャーナが不自由しないようにと、メイドが増員されるのだ。
「まぁ! わざわざ、わたしの為に?」
当主家の女中から話を聞かされたマルジャーナが嬉しさのあまり、驚きの声を上げた。
「はい」
「シューカーがわたしに付いてくれるだなんて、なんて光栄なのかしら! さすがリナ様だわ」
と、マルジャーナは女中の名を呼び、喜んだ。当主家の古参の使用人であるシューカーはそれだけ当主家からの信任が厚い。その彼女を付けてくれるという事はかなりの厚遇であるからだ。
「いえ。わたくしではございません。担当は外で控えている者たちです。彼女たちがマルジャーナ様にお仕えする事となります」
終始澄まし顔で説明する最年長の女中・シューカーが手を叩いて合図した。扉の外で控えていたメイドたちを呼ぶ。
「あなた達、お入りなさい!」
呼ばれて中へ入って来たメイドの顔触れを見た途端、マルジャーナの笑顔が凍り付いた。
マルジャーナが去った後、リナは立ち上がって伸びをした。そして、振り返って忌ま忌ましげな顔でサクに言った。
「あの人、やっぱり気持ち悪い人ね」
「え…?」
思わぬ言葉に「ぱちぱち」と瞬きさせて驚くサク。リナが誰の事を言っているのか分からなかった。先程まで怪我人を前にしていただけに、人を悪く思う気持ちがなかったのだ。
リナが再び座り、声を潜めて、その名を言う。
「マルジャーナの事よ」
「はぁ……」
サクにはその理由がピンと来ない。そこでリナは理由を伝える為に質問をする。
「もし、サクちゃんがマルジャーナのように恋人が結婚してくれないってなったら、どうする?」
「うーん……」
と、上を向いて少し考えた後、リナの方をまっすぐに見て、
「別れますね」
と、ハッキリと答えるサク。そんな彼女に「あら、どうして?」と訊くリナの顔はどこか嬉しげだが、サクは真面目に理由を述べる。しかも、リナが孫であるブランを快く思っていない事もあるので、遠慮なく本音が言える。
「だって、本気じゃない人を相手にしたって、先は見えてます。そんな誠実でない人とは別れて、さっさと他の人を探した方が賢明です」
誠実かどうかを重視する、そんなサクにリナは
『やっぱり、ローゼンが連れて来るだけの事はあるわねぇ』
という感慨から目を見開いて驚くと、すぐに目を細めて笑顔を見せる。
「あらぁ、気が合うわねぇ。わたしも同じ選択をするわ?」
そう言うリナと微笑み合ったサクだが、ふと、指であごをつまんで考え込む。
「でも、なんで、マルジャーナさんはブランさんにこだわったのかなぁ? わたしだったら、好きになれないタイプだけどぉ……、それでも、優しい所もあるからとかで、よっぽど好きなのかな?」
理解できない他人の感情に首をひねる若いサクに、年長者のリナが言った。それは彼女がマルジャーナを気持ち悪いと思う理由だ。
「きっと、欲があるからよ」
「欲ぅ……」
と、サクがリナの言葉を鸚鵡返しするのは、それがどんな欲なのか、想像が付かないからだ。
リナが理由を掘り下げて語る。
「誠実ではない相手にしつこくこだわるのは、何かしらの目的があるのね。例えば、顔がいい男を離したくないとか。他には、良家や裕福な家の男と結婚して、そこの奥様になりたいとか」
それを聞いて、サクは目を一度、強く瞬きさせると、信じられないという顔をして、現実を確認するように言葉にする。
「確かに見た目とか、良家とか、裕福な家とか、誰でも憧れはするけど…。でも、結局は相手への愛情とか、相手と自分が合うかどうかを心配したりとかするのが、普通なんじゃ……。それ以上に地位が欲しいってゆー事? 今まで我慢して尽くしてきたのは、その為 !?」
それにリナはうなずいた。
「だから、あの人は気持ち悪いのよ。妾扱いにされても、いつまでも尽くし続けて健気な女に見えるけど、実は欲の塊。欲望の為に、しつこく尽くしているだけなのよ」
「えー……!」
啞然とするサクにカヲルが肩をすくめながら
「欲の無いサクには想像が付かない人種だよね」
と笑うと、すぐに笑顔を収めて、懸念を示す。
「しかし、あのマルジャーナって人、善人ぶって世間を騙してるんでしょ? なかなか手強いですね」
「そうなのよ。だから、こっちも下手に騒げないの」
と、困った顔で腕組みするリナ。
ふと、サクの頭にまた疑問が湧く。
「あれ? でも、今回の事件で、こだわっていたブランさんとは縁が切れますよね? マルジャーナさん、ブランさんを許してほしいと、庇う様子もないし」
「そうね。本当に愛があるなら、いえ、盲目的な愛があるなら庇うかも知れないけど、あんな大怪我させられたら、普通は庇う気にもなれないかしら」
と、リナは一般的な考えを巡らせた後に、マルジャーナの思惑を想像する。
「普段が地味な装いのローゼンに比べれば、派手な出で立ちのブランは見栄えがいいし、カラヤ家の商売の規模からして贅沢な暮らしが出来ると思っていたのが、当てが外れたわね。……!」
そう口にするうちに、彼女の頭の中で一つの結論が出て、軽く目を見張った。ちょうど、そのタイミングでカヲルが何気にリナに向けて訊く。
「大人しく実家に帰りますかね?」
「それはないんじゃないかしら。たぶん、標的を変えたんじゃない?」
そう答えるリナの目が鋭くカヲルの方へ向けられた。だが、その眼光の鋭さは目の前のカヲルに対してではない。今はこの場には居らぬ腹黒いマルジャーナに対してだ。
『標的を変えた?』
と、懲りずに画策するマルジャーナの欲深さと執拗さに驚くあまり、それを口に出せないサクのまぶたが「ぱちっ」と動いた。
「誰にです?」というカヲルの問いに、リナはこう答えた。
「このカラヤ家の中で、ブラン以外に姿形が良い若者で、なおかつ、一番お金を持っているように思われがちな人と言ったら?」
カヲルにはピンと来たが、サクには『誰ぇ〜?』と、ピンと来ていないのは、自分と他人では美の基準が一致しているとは思っていないからだ。サクの中では、見てくれの良し悪しについては、人は自分よりは良いだろうという程度の認識でしかない。それに、ブラン以外のカラヤ家の人々は地味な服装なので、金持ちには見えない。
リナが人差し指の先を上に向けて言う。
「つまり、今のカラヤ家で一番偉い人」
そして、その指先はサクのお人形のような顔に向けられた。
「あなたの旦那さんよ!」
指差すリナの顔は可愛いイタズラを思い付いたイタズラっ子のような笑顔だ。
「……………」
サク、頭が付いて行けず、しばしの沈黙の後、
「えぇ───ッ!?」
ほほに両手を当てて驚いた。




