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意世界へようこそ  作者: ギガざむらい
カキネ村編
6/13

不穏な影

今回から、かなり話が重くなります。

今日中にもう一話は更新予定です。

「戻ったぜ!」そう言って二人のもとへ戻る。「どうだった?」とヨルが聞いてきたので、「ふ、大人になったかな」とカッコつけてみると、「あははは、ホムラ君やっぱり可愛いね!」と馬鹿にするヨル。解せぬ。


そんなことを話していると、アンセムが呼ばれる。「あっ、僕呼ばれたみたいです。行ってきます!」と笑顔で駆けていくアンセムに、「おう!頑張れよ!」「頑張って!」と二人で声をかける。


「どんな意能力に目覚めるのかな?アンセム君」


「わからねぇけど、あいつらしい力なんじゃねぇか?俺たちの心から生まれる力なんだから」


「そうだね。そういえば、ホムラ君はどんな意能力なの?」


「まだ使ってないし、わからないけど、多分使えると思う。後で見せてやるよ」と言うと、ヨルが少しむっとした顔でこちらを見てくる。


「なんだか、ちょっとお兄さんっぽくなって嫌だなー。私がお姉さんなのに」


「大人に近づいたからな」


「やっぱりいつものホムラ君だ」


その言葉に少しガクンときてしまう。やはり解せぬ。


「アンセム君戻ってきたよ!」


「ほんとだ!おーい、どうだった?」と聞くと、興奮気味に「なんだか今日、二度目の誕生をした気分です!」と答える。


「わかる!すごい、なんかぶわぁーって感じだよな!」


「分かります!分かります!」


「なんか二人だけしか分からない世界って感じで少し悔しいー」ヨルがそう言うと、アンセムと顔を見合わせて笑い合う。


すると神父さんが「ヨルさん」と呼ぶ。「ほら、行ってこいよ」と背中を押すと、「うん!行ってきます」とヨルは神父さんのもとへ向かう。そして数分後、「なんかぶわぁーって感じで凄かった!」と、ヨルもこの感覚を共有して戻ってきた。


そうすると、パン!パン!と手を叩いて、神父さんが「皆さん、名前を呼ばれていない者はいませんね?」と確認する。「はーい!」と全員が声を上げると、「では、生意祭はこれで終了です。気を付けて帰るんですよ」と神父さんが言い、一人一人教会を出ていく。


「俺たちも行くか」


「うん!」「はい!」と二人とも立ち上がり、教会を出ようとする。すると、教会のドアの前で、先に出ようとしていた子が立ち止まっているのに気づいた。


「どうしたんだ?ドアが開かないのか?」と聞くと、「そうなんだよ、ドアが開かないんだ」と返ってくる。ドアの鍵が閉まっているのかと思い、「神父さん、ドアが開かないみたいだ。鍵がかかってるんじゃないか?」と尋ねる。


すると神父さんは、「そんなことはないと思いますけど?鍵は元々閉めていませんし…。少し待っていてください。今そちらへ行きます」と言い、速歩きでやってくる。


神父さんがドアを押したり、鍵を確認するが、それでも開かない。「おかしいですね…。少し待っていてください」と言うと、神父さんの手が光り始めた。そして、ドアを押そうとした瞬間、グサッという音が響き、神父さんは血を吐いた。


「え?」


声にならない声が口から出る。神父さんの背中から胸へと剣が貫いている。


「なんだ、これ…?」


わからない。ヨルやアンセムも、何が起きているのかわからない様子で、顔が不安に歪んでいる。そして一人の子が「キャー!!」と叫ぶ。その瞬間、皆がパニックになる。血を流して倒れる神父さんを揺さぶりながら「大丈夫ですか?」と聞く者、ドアを必死に叩いて外に出ようとする者、泣き出す者…パニックが連鎖し、どうしたらいいかわからなくなる。


その時、「うるせぇ!じっとしてろ!」という鋭い声が響いた。すると不思議と誰も声を出せず、動ける者は誰一人いなくなってしまった…。






設定資料

この世界には王と呼ばれる者が、四人いる。


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