守るべきものは・・・
最終話 守るべきもの
自衛隊が設立してから、はや56年の月日が流れた。
自衛隊は、諸外国からは軍隊として認識されているが、日本では憲法9条の
交戦権の放棄などから、法令では軍隊として規定されていない。
この事が、自衛隊を専守防衛という鎖にくくりつけてきた。
幸いなことに、56年の間これといった事件と言えば、「能登半島沖不審船事件」ぐらいの事で済んだ。
その事も踏まえて、続きを書こうと思います。
▣ 2010年3月18日 10時35分 ▣
▣ 東京 首相官邸 ▣
首相官邸で、鳩山氏が大きな決断をついに下した。
自衛隊法76条に付け加える形で、国際法で定められる自衛権を可能にする法案改正を国会の後承認という形で、可決させたのだ。
もちろんのこと、社民党・日本共産党などの野党が猛反発したが、鳩山氏が
「自衛権なくして、国民の命や財産を一つも失わずに守れるというのだ!!」と
発言した。
もちろん、これに言い返せる議員など一人としていなかった。
この自衛隊法の改正により、急迫性などのない場合は「専守防衛」を尊守しなければならないが、急迫性が強いられた場合は「専守防衛」に縛られる必要はない。
この法案に一番喜んだのは、他ならぬ自衛隊であろう。
可決されたことにより、大切な隊員を殺さなくて済むのだから…。
▣ 防空指揮旗艦 こんごう ▣
ついに、この日が来てしまった。
北朝鮮が、日本へ向けて弾道ミサイルを発射した。
この事態に備えて日本海に待機していた、「こんごう」「きりしま」「ちょうかい」
の3隻が即座にレーダにてミサイルを感知、スタンダードミサイルを発射し迎撃に努めた。
3発の弾道ミサイルの内、2発の迎撃に成功したが1発の迎撃に失敗。
後方に待機していたパテリオットミサイルで無事、最後の1発を迎撃した。
世論調査では、95%の国民が自衛隊を支持した。
しかし、自衛隊法の改正で近隣諸国の目が若干厳しくなった。
先のミサイル迎撃で、否が応でも自衛隊の練度を認識しなければいけない。
北朝鮮も、先のミサイル攻撃を受け日米共同で集団的自衛権を発動し、主要都市への攻撃を仕方なく敢行した。
鳩山氏も後日の会見で、「非常に遺憾であるが、我が国に非はないと思う。」とこのように語った。
しかし、自衛隊法自体可決はされたものの、まだ反発する勢力は根強い。
この状況をいかに打破していくかが、日本の今後を決める事になるだろう・・。
▣ 最後にご拝読の皆様へ ▣
短い期間ではありましたが、本作品をご拝読頂いた事を心より感謝いたします。
日本ではあまり触れられることの少ないご法度的な存在になりつつありますが、僕自身そのような事をうのみにしてはいけないと思っています。
56年の間、憲法は一度も改正されることなく平和憲法を尊守してきました。
確かに、僕は戦争が嫌いです。口で言うのは簡単ですが・・・。
しかし、抑止力と言いますかそれがなければ防衛など成り立たないと思います。
実際に、アメリカの核の傘が十分な抑止力となり平和を保つ事が出来ていると思ってしまいます。
しかし、アメリカがいなければどうでしょうか?
平和を永久に保つ事ができますか?
答えはおそらく、NOでしょう。
その時、日本を守れるのは自衛隊しかいないのですよ。
そう、自衛隊しか・・・。
一部的なところで、自衛隊に対する偏向的な報道・差別が実際起こっています。
そのような問題が解決される日は、来るのでしょうかね?
最後に、最終話までご拝読頂いた読者の皆さま方に心より感謝して完結とさせていただきます。
本当にご拝読いただきありがとうございました。
とても難しいジャンルで、はじめのうちは僕みたいな若造が書いてもいいものなのかと悩んだりもしましたが、無事完結することができました。
この話に関する質問や意見などがございましたら、感想欄やメールボックスまでお願いたします。
ありがとうございました。




