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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

俺達は何をすりゃあいいんだよ?金を払う以外で

作者: 孤独

「そう仰られても、あなたはご本人様ではないんでしょう?」


……皆さん、クレジットカードは使いますか?

他人のクレジットカードを使えたらいいなぁって、夢のある気持ち。

あると思います。

しかし、ご利用は計画的に。目に見えない大金は恐ろしいモノです。


「あなたがなんで持ってるのか、尋ねませんけれど。そんなことはできませんよ」

「どーしてそれができないの!!?」

「だから、ご本人様じゃないんですよね?男と女で違うじゃないですか……。そもそも、私達に問われても困るんですが。元旦那様に確認をとってくださいよ」


◇       ◇



「だははははは」


クレーマーとは対話したくはないが、見ているのはクソ面白いのが、クソな社会の歯車だ。天罰なんて言葉を作るんじゃない。無関係な人達に当たってばっかりだ。

配達員のさねは、ジャンケンに負けたせいでクレーマーと電話中。なんとも酷いクレームであり、ジャンケンに勝った木下は優越感に浸っていたのだが。


「木下さん。こっちにも電話して」

「はい?」


コールセンターの隅田川ちゃんが、またお客様対応という名のクレームを木下にお願いする。


「おい。この案件はさねが電話してるぞ?隅田川ちゃん」

「知ってますけど、これはホラ。差出人っていうか……問い合わせ先ですから。本人とは別で回答を求めているんです」

「ええ~~。クレーマーじゃないからいいけどさ」


前回の短編で、とんでもないクレーマーがやってきたというお話の続きになる。(もう大分前)

あの時はこーいう感じのクレーマーがやってきたってだけで終わってしまったのだが、どんな内情だったのか。それをとても優しく……日本語は理解できるが、人として理解ができないお話である。

やはりクレーマーを使ってお話にすると、サッパリ分からん……。



プルルルルル


借金は良くないよ。

ただね、借金を返さないでいるのが良くないだけだよ。

自分の養育費は、大人になったらコツコツ親孝行って形で返していこうじゃないか。


ガチャ


「もしもし、こちら〇〇の担当、木下ってモンなんですが。〇〇さんの件でお電話したんですけれど」

『丁度良かったです。今、そちらにもお客様が電話してるところなんです』

「はい?」

『本人がそこにいるんです。そっちに電話してるはずです』

「……あぁ、今、さねって奴が対応してます」


クソ小声で向こうの担当さんも言っていた。

営業に支障が出るレベルで暴れてらっしゃる様子である。スマホで電話しているお客様が、こっちに電話していて、こっちからも電話している状況なのだ。

向こうの人も確認がてら尋ねてきたのだが、



『〇〇さんって、今はそちらの、西砂流町の方にはご住まいではないんですよね?』

「そうですね。別の方が住んでいまして、旦那さんと奥さんは別のお住まいらしいですよ」

『ですよね~』


お客様の住所は教えられないが……いるかいないかくらいは答えることはできる。

用件を向こうの方から言われたのだが、


『……頭の痛いお話なんですが』


最初の切り口が結構酷い。


『元旦那さんの口座を、元奥さんがご利用し続けているんです。……そこはまぁ、勝手にやってくれ、なんですが。元旦那の口座に金を振り込むように手続きしろ OR 元旦那が今使ってる口座で引き落としをさせるようにしろって、散々に騒いでいるんですよ』

「な、頭おかしいやろ?そいつ」

『ホントにそうです』


離婚して別れた……。というのはよくある話だ。円満な別れもあるさ。

ただ、このお話のわけが分からないよってところが、元奥さんは元旦那の口座を未だに使っているのだった。それは全然、知っているのなら、そーっすか、で終わる話。

終わってねぇのが


『元旦那の口座が半年前にスッカラカンになって、そのせいで引き落としなんかの請求書が大量に届いたり、お金が払えないって事で、今店内で騒いでるんです』

「どーいうことだよ?」


自分も書いていて頭が痛いのだが……。離婚をしても、元奥さんが持っている口座に元旦那の給与を振り込むように手続きをしろっていう話らしいのだ。

そうは言っても、元旦那さんのお仕事のお給与がその口座に振り込まれていない、ということは元旦那さんが別の口座を所有しててもなんらおかしい話じゃない。むしろ、当たり前の話だろう。

ここからがこう、なんというか


『勝手に元旦那さんの口座を変えた、お前等にも責任があるって、滅茶苦茶なことを言い始めてるんです。元旦那さんはこちらをご利用されてないんですけどね』

「それは困った話ですね。こっちもこっちで……」


”元旦那の住所を教えろ”という案件の他にも、いくつかの苦情があり


【自分はお金がないのに商品を買えて、荷物が届けられるようなシステムを作った、お前達にも責任があるはずだ】

【大した仕事なんかしてないのに、送料や手数料がなんかとるな!】

【情報くらい簡単に開示させろ!!】


「「「だから、できねぇって……」」」


騒ぐのは勝手なんだが


さね「ですから、そもそも元旦那のお住まいなんか私共も知りませんから」

木下「そもそも自分の口座を使って、通販や引き落としをしてください。そーいうのは自分で設定してください」

銀行さん(なのか?)「ご本人様でもない上に、身分証もないのでは何もできませんよ」


こっちの答えは常に


【なんであんた達は私の言う通りにできないの!!?】

「「「できてねぇーのは、あんたなんだよ」」」


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