表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/549

067:後始末

※残酷な描写があります。ご注意ください。



大成町おおなりちょう】北西城門


 マリーは、ダンジョン構造物となった地面に捕まっている餓鬼の頭を、1匹づつスコップで叩き割っていく。

「さすがに、あれは真似できないなぁ。」

 半分あきれ顔で遠巻きに見つめる冒険者達。

「確かに修羅にとって餓鬼は害虫……それどころか畑に転がっている邪魔な石たいな物だろうが。」



【コアルーム】


「組体操餓鬼に飛行獣人か。世の中には厄介な種族がいるな。」

「もし、餓鬼が全員足場に専念して、もっと広く安定した足場を作っていたら簡易な落とし穴では崩せなかったでしょうし、そこに動きの鈍い餓鬼では無く俊敏な獣人が餓鬼を登って城壁を越えてたら畑は食い荒らされていました。また、敵が鳥獣人を偵察や攻撃に使っていれば、結果は違っていたでしょう。彼らが仲違いしていたのは幸いでした。」

 ラージャが状況を報告する。

「全体を透明ドームで覆った方が良いんだろうか。」

「構造が単純な城壁ならともかく、透明ドームとなるとコスト以前に現状では作ることすらできません。もし作ることが出来たとしても、今後ダンジョン影響圏が広がる度に作り直す必要があります。今の城壁はダンジョンが載っている丘の麓の土留めですから意味はありますが。」

 マリーが言うように、図書館やその備品以外のダンジョン構造物は単純な組成・形状のものしか作成できない。


「落とし穴が効かず、ドーム都市は難しい、騎士団だって飛んでいる敵には無力か。え~と、『スターリンのオルガン』だったかな。あれも万能では無いし。」

「おそらく、この世界の技術水準から見て最高戦力は竜騎兵です。筑波軍がいくらか火縄銃を持ち込んでいましたが、全て焼けてしまいましたので、入間いるまから鉄砲を入手するのが早いですが……、せっかくミントの分身が居るのですから作ってしまえば良いでしょう。」

「火縄銃を?」

「いえ、もっと進んだ銃を。さすがに最新鋭は軍事機密ですが、ある程度古い、世界大戦で活躍した明治時代の鉄砲、十三年式とか三八式なら図書館に資料がありそうですし生産可能と思われます。ただ、銃刀法に引っかかると言う問題がありますが。」

「埼玉県警を呼べないので、緊急避難だからヨシ!」


「マスター、このダンジョンから延びる道は5本。西は入間いるまで敵が来たのは東と北西。あと南東のふさが仕掛けて来ていませんね。北東はだいぶ遠くまで人口希薄なので来なくても不思議はありませんが。確かいくつかの寂れた町を越えた先には那須塩原なすえんげんと呼ばれる不毛の塩類平原が広がっているそうです。」

「包囲網って程でも無かったのか。」

「様子を見たのか、あるいは、ふさは、さらに向こうのあわと揉めているのかもしれません。」

「粟と言えば狸が有名だな。」

 その阿波では無い。


「さっさとダンジョンを増築して視界距離を広げましょう。台北ワンノーワンくらいの高さなら、丘も計算すれば周囲90kmは確認出来ますから、今より1日早く対処できます。」


(明日は休載です)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ