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511:伴星・少陽とその惑星

【第259層群・プラネタリウム】


「最期に、伴星、少陽。異世界太陽やこの世界の太陽より少し軽いK型主系列星です。質量は異世界太陽の8割、明るさは3割程度ですね。」

 マリーは太陽と惑星たちを脇に移動させ、もう一つの恒星を投影。

「あまり色の違いは無さそうだな。」

「マスターは種族的に赤系はあまり判別できませんからね。少し橙に近い色になります。」


「そして、惑星がある。と。」

「はい。ただ、岐阜県から持ってきた859層群の700㎜反射望遠鏡でも、さすがに距離が遠いため十分な観測はできません。分かっている範囲では、この世界とは、だいぶ配置が違いますね。この世界の太陽は、岩石惑星が恒星付近に1つ、ハビタブルゾーンとその外側に4つ、木星型ガス惑星と天王星型氷惑星が各1つの7つと、異世界太陽系に似た配置ですが、少陽(伴星)は、比較的内側に異世界木星の10倍ほどの大質量惑星を持つ惑星系です。大きさは異世界木星やこの世界の火星と同程度ですが。」

「ホット・ジュピターだったか。」

「『ホット』とまでは行きませんが、ハビタブルゾーンの外側付近にガス惑星があります。ホット・ジュピターは、もう少し大型の恒星に多いタイプの惑星でK型恒星ではさほど多くはありません。この世界では名前がありませんから、何か適当な呼び名が必要ですね。」

「異世界木星の別名とか無いか。」

「古代中国では木星を『歳星』と呼びましたが、これは公転周期が12年、つまりこの世界の『火星』と同じ程度だからで、ふさわしくはありません。」

「木星より重いから林星とか森星とか。あるいは太陽と少陽があって太陰は月なので、残る少陰か。」

「ショウインでは吉田松陰や後藤松陰と紛らわしいので、仮称『林星』として、正式名称はそのうち考えましょう。」

 後藤松陰は幕末大坂で漢学を教えていた人物。

「ただ、ガス惑星では住めないな。」

「一応、大型の衛星が3つあります。ですが、そのうち内側の2つは公転周期が23時間と30時間、7:9となりますが、惑星に近すぎ、衛星相互の軌道も近いため潮汐力により異世界木星のイオのような地獄になっている可能性が高いと思われます。最期の1つは昼と夜が1週間以上も続くため、昼は灼熱、夜は極寒となります。」

「それは酷いな。」

「まだ、恒星に常に同じ面を向けた『アイボール・アース』の方が、限られた地域とは言え居住に適するだけ、ましですね。ただ、ハビタブルゾーンにそういう惑星をもつのは、もっと小さいM型恒星ですが、小型の恒星は不安定となるため惑星環境が安定しません。」

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